子どものバースデーは、個性に彩られる豊かな人生に感謝して。
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て
- 名前
- 佐久間麗安 / Rena Sakuma
- 家族
- 4人 (10歳男の子と9歳女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- Bright Choice編集長
- URL
- Rena Sakuma (@renanarena0513) Instagram
【「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て】
「子どもにこんなにも手を尽くしたくなるのは、なぜなのでしょう?」
子育てにとても熱心なパパさんに、ふと投げかけられた質問です。
私は特に、子どものお誕生日に同じことを思います。
親というものは、子どもの誕生日となると、ただ子どもを喜ばせたい一心で、例えばホームパーティでは、バースデーケーキからテーブルデコレーションまで、工夫をこらすものです。
幼小の頃、母が一日違いだった私と妹のお誕生日に、それぞれ別々のホールケーキを焼いてくれたことも、よく思い出します。アメリカ人の母が作る丸くて大きなパウンドケーキ。たとえ食べきらなかったとしても、私のバースデーには私のケーキを、そして翌日には妹のケーキを焼いてくれました。
いまになって思えば、母にとって、8歳違いの姉妹それぞれの生誕への喜びは、きっと全く違う性質のものだったのでしょう。私も2人兄妹の母になってみて、2人には別々の感覚を覚えます。
そんな母の私たち一人ひとりへの想いが、一日違いだったからこそ、際立って感じられたのでしょうか。当時、私たち姉妹にとっても、一日違いのバースデーパーティの味わいは、まるで別ものに感じられたものです。
そして私にとって、子どもの誕生日というものは、「生まれてきてくれてありがとう」の気持ちが高まる日です。子どもの個性に彩られた人生への感謝といってもいいかもしれません。
子どもが生まれるまで、私の人生は私の人生という「一本道」でした。しかし、母になって、一本、また一本、人生に岐路ができて、しかも一つ一つの道のりを同時に歩んでいるという感覚です。私の道、息子の道、娘の道、それぞれを同時に味わいながら、今までにはなかった「生きる感覚」を覚えます。
保育園、学校、習い事、家庭教師の先生、気の合うママ友たち。新たな出会いの多くには「一本道」では得られようのなかった学びがたくさんあって、そうして人生に広がりが生まれ、より豊かなものになって、母でありながらも、子育てをしながら育てられている、そんな感覚です。
いま私の人生の一番の醍醐味は、息子の道のりでは "○○くんのママであること"、娘の道のりでは"○○ちゃんのママであること"が前提にあることです。息子の人格と、娘の人格という別々の性質の個性が、それぞれに違った性格の人間関係を築きあげ、私の人生に影響を与えています。兄妹が個性のままにありのままの人生を歩んでいるだけなのですが、2人の個性が光るそれぞれのあゆみが入り混じって、私の道のりの景色を玉虫色に変えてくれているのです。
だから、子どものバースデーになると、改めて2人の豊かな個性に感謝し、大切にしてあげたいと願って、工夫をこらしてお祝いしたくなるのかもしれません。
ここ2年の娘のバースデーはコロナ禍で迎えました。いつもは、娘の希望に沿って友人とお祝いするのですが、集まることが憚れるコロナ禍ではどうしてもかないません。娘にとっては必ずしも望ましいお祝いの形ではなかったかもしれませんが、私と妹が一日違いの誕生日にそれぞれに感じた違った味わいを思い出しながら、私も母と同じように娘への想いを伝えたい。そんな気持ちを胸に、コロナ禍でも出来る限りの手を尽くして祝ったのでした。
冒頭のパパさんへの私なりの答えは、「子どもの個性に彩られる毎日が楽しくて仕方ないから」でしょうか。私たちは、自分だけでは創造・想像し得なかった景色に日々魅了される贅沢を生きているのです。機会があったらそう返してみたいと思います。
〈佐久間麗安連載〉
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て