思春期の夏休み|スリープオーバーで友だちと過ごすリアルな時間

Choice

「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て

名前
佐久間麗安 / Rena Sakuma
家族
4人 (15歳男の子と13歳女の子)
所在地
東京都
お仕事
Bright Choice編集長
URL
Rena Sakuma (@renanarena0513) Instagram

「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て

---------------
"Time is the only true unit of measure. It gives proof to the existence of matter. Without time, we don't exist."
"Lucy"(2014), directed by Luc Besson, Universal Studios Home Entertainment
---------------

インターナショナルスクール夏休みは長い。6月中旬から夏休みに入るスクールが殆どで、大概のママたちは、3月頃には早々に国内海外のサマースクールやサマーキャンプに申し込み、少しでも子どもたちのために有意義な夏休みの時間を設けようとするものです。

夏休みは、家事が増える、増える。洗濯物は増量、ランチの準備も必要、ワーキングマザーたちはとにかくお仕事との両立が課題に。それに加えて、ティーエイジャーというもの、放っておけば、スマホにタブレット漬け、つい夜更かしして生活リズムが狂ってしまうから、逆に目を離せません!(この問題に関しては、前回のコラム『思春期インター女子がはまる"Fun Bubble"に気をつけて!』〈2025.4.14〉でも共有しましたが、かなり厳しくスクリーンタイムを設定しています・・)

そんな我が家の夏休み恒例のイベントは、お友だちとのスリープオーバー。毎年、お友だちを我が家にご招待して、皆でお泊りします。

息子は、決まって日本のインターで一緒だった幼馴染みたちを数名呼んで、我が家で夕食を食べて、一夜を過ごします。卒業しても変わらぬ仲で、彼らにとって、このスリープオーバーが同窓会のようになっています。
娘は今年、一番仲良しのお友だちにお泊りに来てもらいました。密なコミュニケーションを好む思春期の女の子たちは、2人きりが良いみたい。

男の子は特にたくさん食べるので、食事を多めに準備して。人数が多いと布団レンタルなんかして、皆で雑魚寝してもらって凌ぎます。ちょっと準備が大変ですが、それでもお友だちたちに来てもらいたいと思うのは、いつでもバーチャルに繋がりコミュニケーションできるSNS時代こそ、"一緒に過ごす時間"がとても貴重に感じられるからです。
先日は、息子のお友だちが3人泊まりにきて、夜中まで人生ゲームやモノポリーで盛り上がったようです。かなりアナログな展開に、「イマドキの男の子たちもそんな風に遊ぶんだ」、と親もびっくり(笑)。

お泊りなんかしなくても、息子はオンラインゲームでお友だちと繋がっていられるし、久しぶりに会った幼馴染たちも、常にバーチャルにお互いの近況はすでに分かっているから、なんだか久しぶりな気がしないわけです。また、お年頃の娘にいたっては、いつでも、いや放っておけば四六時中、チャットでお友だちとバーチャルにおしゃべりしていられるのです。それでも、わざわざお泊りしてお友だちと寝食を共にしながらリアルな時間を共有できるスリープオーバーは、子どもたちにとって特別なイベント。スクリーンの中では得られないそんな時間は、お互いの心に確かに刻まれる思い出になります。親の方も、子どもたちの交流に参加させてもらいながら、気づかされることも多いんです。

さて、先週は娘のベストフレンドが泊まりに来ました。普段はおませなティーンエイジャーの2人が、まるで小学生の姉妹のように無邪気に遊んでいました。家の中では追いかけっこ?みたいなことしたり、花火をしようと近所の公園に出かけたら、ブランコ、うんてい、ジップライン、ジャングルジムでひとしきり遊んだり。身長170cm前後の大人びた女子たちが、夜の公園で素になって遊ぶ姿がもう笑えちゃって、思わず写メを撮ってLINEでママ友に共有。なんてかわいいんでしょう。翌日、スナックタイムになると、お菓子をシェアしながら、子どもらしく表情豊かに会話していて。クールなJK生ルックのお友だちが、食事中に「う○こ」ワードを連発 して、大爆笑。小学生男子みたいなノリです(笑)。それもちょっと不器用だったりして、なんかかわいい!そんなお友だちと娘が、普段無表情にチャットしている時とは比べものにならないくらい、笑顔で楽しそうにしているのです。インターネットでいつでも情報が手に入る彼女たちは、いつも旬な情報に触れていて、流行りに敏感。でも、どこか大人になり切れない部分を持っていてアンバランスな側面があるんですね。思春期女子って、とっつきにくいことも多いのですが、工夫してこういう時間を作ってあげると、"子どもらしさ"を取り戻し、とても穏やかな時間を過ごせるようです。あの "とっつきにくさ"も、結局のところ、甘えだったりするのかな?と思えます。

前回コラムでもご紹介した、ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネス教授で社会心理学者のジョナサン・ハイト氏は、著書『The Anxious Generation(不安な世代)』の中で、Z世代の子どもたちが「遊び中心の子ども時代」から「スマホ中心の子ども時代」へ移行し、不安症やうつ病が増加し、集中力や基礎学力が低下したといいます。普段、SNSの動画や画像に没入しがちな子どもたちを、スクリーンの中から引きずり出し"リアルな時間"に引き戻すことで、心の豊かさや安定も取り戻せるような気がします。

あまり首を突っ込まないようにはしているのですが、思春期の気難しいお年頃の子どもたちの人間関係って複雑なことも多いようです。ちょっとしたボタンの掛け違いによる不和、お友だちに上手く伝えられない想い、親に甘えたくても上手く甘えられない寂しさなど、大人になる過程で色んな感情を抱えているようです。でもそんな感情を全て、リアルな人間関係を通じて、心に刻んでほしいなと思います。インターネットやSNSで横行する無責任な誹謗中傷やいじめの問題もあるけれど、"いま目の前にいる大切な人たちとの時間" を何よりも大事にしてほしいものです。(それは大人も同じですよね。)

親は大変だけれども、夏休みの子どもとの時間はとても大切にしています。お友だちや家族親戚と"リアルな時間"を過ごす様子を、真心をもって見届けてあげたい。

デジタル時代、子どもたちの大切な時間や心の絆が希薄化しないように。
夏休み、いま思春期の子どもたちには、親や友達と生き生きと遊んでじゃれ合う時間が一番必要なのかもしれません。

〈佐久間麗安連載〉
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て

       
  • 井上煙火の花火

  • 真夜中の公園遊び

  • Wii Sports

          
  • ボーイズの朝ごはん

  • テニスのお友だちと

  • 夏休みの家族会

  • ママ友が、粋な花火のお持たせをくれたので、夕食後に公園へ。井上煙火さんの花火はキュートなだけでなく、息も長くて、ほんの数本でも大満喫しました。

  • ティーンエイジャーになっても、公園の遊具を見てうずうずとするガールズたち。夜の公園を駆け回って遊んでいました。まだまだこんな風に遊ぶんですね。

  • 2年前に息子のお友だちがお泊りに来た際には、Wii Sportsで大盛り上がり。大人数だと、より一層楽しいですね。

  • ボーイズにはいつもホットドッグにハッシュドポテトを出します。ソーセージもポテトもホットプレートでたくさん焼いておいて、おかわり自由!

  • 学校のお友だちだけでなく、テニスのお友だちともスリープオーバー。この日は手巻き寿司に唐揚げディナー。みんな、学校もアカデミーも別々だというのに、試合会場で何度も遭遇する中で(時に対戦相手になることも)すごく仲良くなりました。テニスを通して同志たちに巡り合えたことに感謝。

  • 親戚家族との食事会も、夏休みの恒例行事。子どもたちは、いとこたちと、無邪気に遊びます。私自身、いとこと遊ぶことが大好きでした。こういう時間って本当に楽しかったな。