心は聞いた言葉でつくられる。穏やかで優しい言葉をつくる習慣とは。

「わたしはわたし」自尊心を育む子育て
- 名前
- 浅倉利衣 / Rie Asakura
- 家族
- 4人 (8歳と5歳の女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- コラムニスト
- URL
- Rie Asakura (@rie_asakura) Instagram
【「わたしはわたし」自尊心を育む子育て】
娘たちが話しているのを聞きながらふと、「どこかで聞いたことがあるような言葉だな」と思うことがよくあります。
よくよく思い返すと、実はそれって、私が発している言葉だったりします。
喧嘩している時にたまに出てくる乱暴な言葉に、ギクっとする時もあったり、、(笑)
つくづく、子どもって模倣の天才だなと思います。
言葉って、宝物にも刃にもなり得ますよね。
「体は食べたものでつくられる。心は聞いた言葉でつくられる」という、北原照久さんの言葉が好きです。意識しすぎてガチガチになる必要はないけれど、やはり、言葉の宝物を多く心に残してあげたいなと思うのです。
「なるべくポジティブで優しい言葉で話そう」などと、言葉に意識をむけることもとても効果的だとは思うのですが、私自身の体験からより感じているのは、自分の心が少しでも静けさに包まれれば、発する言葉も自然と穏やかに優しくなるということです。ポジティブな言葉を聞いた子どもも、自然と心が静かに落ち着きます。逆に、強く乱暴な言葉で怒られたり叱られることが多いと、心も乱れやすくなるのだろうなと感じています。
心の状態と言葉って繋がっていますよね。
ですので、私はまず、なるべく自分の心の静けさを保つことを心がけています。
そのために日々実践していることは、
「瞑想」「家の中の整理整頓」「意識的に情報量を少なくすること」です。
3つとも、特に目新しいものでもないですが、"継続"することが大切。
瞑想はもともと苦手だったのですが、昨年色々試しながら毎朝行っているうちに、今では歯磨きのような習慣になりました。ザワザワしたノイズを遮断し「無」になる習慣は、もうなくてはならないものになっています。
整理整頓に関しては、「家の中の状態は心の状態をあらわす」とよく言われるように、やはり身の回りの環境って大事だなと実感しています。乱れた空間は乱れた心を生みやすくなると感じるので、家の中は常になるべくスッキリ整理整頓しています。
また、情報量を少なくすることも、個人的体感として効果が大きいですね。
情報量についてちょっと調べてみたところ、なんと、現代人が1日に受け取る情報は、江戸時代の1年分とも言われている文献もありました。(参考文献: 現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分だった⁉)たしかに、日々膨大な情報量に接することのできる現代、咀嚼しないまま取り入れ続けていると、次第に頭も心もパンパン、疲労も溜まって心も乱れやすくなって当然だよなぁと思います。情報肥満になりやすい現代だからこそ、むしろ減らすことで増す幸福があるようにも感じています。
結局、発する言葉は "自分の心の状態"。そして、実際に言葉を耳にする子どもに影響を与えます。
今となってはこんなことを言っていますが、以前はかなりのせっかちでした。「これもやらなきゃ、あれもやらなきゃ」とTo do listを追いかけるように走り続けていていつも息切れ寸前。思い返すと、「早く○○しなさい!」とか「もう帰るよ!」など、急かす言葉や命令形の言葉が多かったように思います。でも昨年のどん底の経験を経て、今はすっかり別人のよう。
とはいえ、冒頭でも述べたように、5歳の次女がギクッとするような私の模倣言葉を発している時もたまにありますが、、まぁ、そこは、だって人間だもの、ってことで(笑)
「体は食べたものでつくられる。心は聞いた言葉でつくられる」の続きに、「未来は話した言葉でつくられる」とあります。
口から出た言葉を最初に聞くのは自分自身ですから、自分にも言葉の宝物をたくさん聞かせてあげたいと思っています。
そのためにもやはりまずは、自分自身の心の静けさや余白を大切にする心地良い習慣を、これからも続けていきたいなと思います。
〈浅倉利衣さん連載〉
「わたしはわたし」自尊心を育む子育て