「子育ては、共育て」いつも温かい繋がりを。最終回に想いを寄せて。

「わたしはわたし」自尊心を育む子育て
- 名前
- 浅倉利衣 / Rie Asakura
- 家族
- 4人 (8歳と6歳の女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- コラムニスト
- URL
- Rie Asakura (@rie_asakura) Instagram
【「わたしはわたし」自尊心を育む子育て】
約1年前にスタートしたこの連載も、今回で最終回となりました。
昨年は、ちょうど個人的にも大きなパラダイムシフトを体験した年でもあり、子育てに関しても私なりのニューノーマルな見方をずっと綴らせて頂きました。今まで読んでくださった方、そして「執筆してみない?」と声をかけてくれた編集長、素敵な機会をくださったブライトチョイスに改めて感謝しながら、最終回をスタートしたいと思います。
日々色々変化はありますが、一番最初の記事を見返してみると、子育てについて最後に書きたい根本の内容も、その時と変わっていないなと気づきました。
それは、親子という関係・子育てというものは、親から子どもに一方的に教えることではなく、互いに学び合いながら共に成長していくが必要で、「子育ては、共育て」 なのだな、ということ。そして、親と子の関係だけでなく、ご近所で、地域で、もしくはオンライン上でも、たくさんの目の中で子どもたちを見守っていたいなということ。
先日、友人に誘ってもらい、お米の収穫作業に参加させて頂きました。
生産者さんからお米にまつわるお話を聞きながら、食べるまでのプロセスを直に体験し、自然や作り手の方々への畏敬の念が育まれるのはもちろんのこと、ここで発生するのは、小さな小さなあたたかいコミュニティ。
午前中、はじめましてと顔を合わせる方々が多くても、共に協力し合いながら収穫をしているうちに、自然とあたたかい空気が生まれていきます。
たとえば、初めて会うお子さんが「これみて」と何気なく話しかけてくれたり、積極的にお手伝いをしてくれることで、その子が媒介となって、親同士のコミュニケーションが生まれたり。そして子どもはそれを見ながら、他者との繋がりを直で感じたり。
または、たくさんの大人たちの目に見守られている安心感の中で、稲穂から飛び出てくるバッタやカマキリなど虫ともキャーキャー遊びながら、自然と共生している感覚をダイナミックに全身で感じたり。
夏休み中に、他の農家さんのキッズイベントにも参加させて頂きましたが、その時に感じたことと一緒。まるで昔の長屋のような、そんなあたたかい繋がりを感じました。
子ども達にとっても色々制限を強いられている状況下だからこそ、互いの理解のもと、できる範囲で協力し合って、共に喜びを感じられる楽しい機会を創っていきたいなと、このお米の収穫体験を通して改めて思いました。
たとえば、こういったみんなで繋がる実体験の場だったり、もしくは親以外のサードプレイスのような場が少しでもあると、子だけでなく親も精神的にゆとりがもてたりするんじゃないかなと思うんですよね。
そして、「おもいやり」や「共感」「助け合う」といった感覚を、教えようとしなくても、体験の中で自然と理解していくのではないかなと思います。
まだまだ大変な状況は続いていますが、一方で、大切なことを思い出させてくれている機会と感じている方は多いのではないでしょうか。
これからも、共育という視点のもと、親子互いに学び合いながら、他者とも助け合いながら、そんな優しい世界を子ども達に残していきたいなと思った、お米を収穫したある日のことでした。
それではこの辺で。
また、どこかの場所でお会いできることを楽しみに、最後にもう一度感謝の言葉で終わりたいと思います。
今まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
〈浅倉利衣さん連載〉
「わたしはわたし」自尊心を育む子育て