NYの公立校事情|外国ルーツや特性など個々の違いは贈り物

Choice

子育ても仕事も自分らしく彩るマンハッタンの暮らし

名前
小浪良子 / Ryoko Konami
家族
3人(夫、5歳の女の子)と7歳の豆柴
所在地
ニューヨーク
お仕事
IROHA NYC経営
URL
小浪良子 / Ryoko Konami インスタグラム
URL1
IROHA NYC

子育ても仕事も自分らしく彩るマンハッタンの暮らし

NYでは、障害や困難があっても
できるだけ隔離せずインクルーシブな傾向が
ここ数年さらに強まっているようです。

NY市長自身がディスレクシア(*)として
子ども時代を送ったことからも、
2022年から公立校すべてでディスレクシアの
スクリーニングが実施されフォニックスを基本とした専門の英語教育が設けられ、
2E校と言われる特別な才能と学習困難を持つ2E(二重特例)に
特化した学校もいくつかあります。

*...ディスレクシアは学習障害のひとつのタイプとされ、
全体的な発達には遅れはないのに
文字の読み書きに限定した困難があり、
そのことによって学業不振が現れたり、
二次的な学校不適応などが生じる疾患とされています。

それらの学校は子どもの強みにフォーカスしながら、
過敏で疲弊してしまう子どもたちが
各々で学習を進めていきやすいよう
小部屋の様な休憩スペースも
用意されていたりするそうです。


そして世界中から移民が集まる都市としても知られる
NYでは2人に1人が外国生まれとされ、
7人に1人はEnglish Language Learner(ELL)。

娘もキンダーへ上がったタイミングで
ENL(英語を新言語とし英語のみで教育を受ける。English as New Languageの略)に
変更してほしいと伝え、
主に発音などを集中的に教えてもらうプログラムを
授業の合間に数名で受けています。

これは学校に対象となる生徒の母国語を話せる
専門スタッフがいるかなどによっても
選択肢は変わってきますが、
二言語バイリンガル教育のDLBE(Dual Language Bilingal Education)や
移行期バイリンガル教育のTBE(Transitional Bilingal Education)など
様々な形とレベルで分かれています。
定期的にスクリーニングがあり、
問題がなければプログラム終了です。

一時は英語も日本語も思考も
幼稚に成長してしまうのではと
心配に思った時期もあったけど
子どもは子どもの人生を生きるという
当たり前のことを念頭に
二つの文化と価値観に挟まれ
気付かぬうちに苦労しているのは娘の方。
過負荷にならないようやっていけたらと思います。

日本の新学期が近づき頭を悩ますのが読み書き問題。
娘は平日パブリックのキンダーへ通い、
土曜日は日本人学校へ通っていますが
アフタースクールで始めたチェスの試合やキャンプが
土曜に行われることが多く
最近は日本人学校を休みがちです。
そこで他の曜日に置き換えられるクラスの方が
良いのではといくつか体験や見学へ行ったものの
やっぱり今の日本人学校が好きみたいで、
来期も休みつつ?継続になりそうです。


9月にはあっという間にエレメンタリスクールへ入学
もうすぐオンラインでアプリケーションが始まります。

NYは公立校もいくつかの選択肢があり12校まで記入できるシステムです。

○ゾーン校
(居住地区によって定められた近所の学校)

○G&Tプログラム
(ギフテッドアンドタレント教育を実施している学校、
G&Tは2021年からテストが廃止され
スコアによる審査基準はありますが抽選。
すでに通っている兄姉がいる場合は優先あり)

○チャータースクール
(非営利団体が行政の認可を得て
オリジナルのプログラムで教育をする公立学校)

○ハンター校
(キンダーから高校までの公立付属校。
入学がキンダーを逃すと高校まで途中入学はなく、
学習についていけないと転校させられ、
その際に補欠の中から補充されるそう。
マンハッタン居住者のみ受験可なので、
この為に引っ越したり、体験として受ける人も多く
キンダーでの受験は倍率もとんでもないとか)

○ノンゾーン校
(ゾーン以外の申し込みも受け付けている学校)

○Special Music School
(未来の音楽家たちを育てる
スペシャル・ミュージックスクールは
キンダーから入学することができ、
中学に入るタイミングでオーディションがあります。
各学年1クラス15人、アカデミックプログラムの経費は
公立校としてNY市教育局が負担し、
音楽プログラム(教員の給与や練習用の楽器なども含む)は
すべてカウフマン音楽財団が支援)

こんな風に公立校でもプログラムの内容は多様で、
自分たちでチョイスして行けるのは
NYの魅力の一つかもしれません。

最後にNYにある継承語教育をしている機関を
少しまとめたので貼っておきます。

Lyceum Kennedy Japanese School Saturday Class
リセ・ケネディ日本人学校土曜日補習校(全日もあり)

Friends Academy of Japanese Children's Society (Saturday)
NY育英学園フレンズサタデー(全日もあり)

Tenri Cultural Institute of New York
天理文化センター
(天理教が宗教とは別で開設している機関)

佐藤そろばんスクール
(NYにいくつかロケーションがあるようです)

Aozora community
あおぞら学園

Alto 日本語補習校
(平日、週末の補習校の他に算数などの学習もできる)

P.S.147 Isac Remsen
(ブルックリンにあるパブリックスクール。
NYで唯一日本語のDual languageプログラムを
実施している公立学校)

スターチャイルド
(こちらもいくつかのプログラムがあり)

ではでは。


<小浪良子さん連載>
子育ても仕事も自分らしく彩るマンハッタンの暮らし

       
  • 少し暖かい日には春物を下ろして

  • ニューヨークのSushi Nozでディナー

  • 3.1 Phillip Limのインスタレーションにて

          
  • チェスの大会に参加

  • ひな祭りのお祝い

  • 友だちとチェルシーピアのイベントへ

  • 3月に入り、冬の寒さも緩み始めたニューヨークで、さっそく春物を着て外出。

  • IROHA NYCでお取り扱いしている器を卸させていただいているSushi Nozさんにて、至福の時。

  • 夫もこちらのインスタレーションに参加していたことから、ニューヨークファッションウィーク期間中に開催された3.1 Phillip Limのイベントへ。

  • ニューヨーク州の女子だけのチェス大会(New York State Girls Championships)に参加した娘。朝から夕方まで5ラウンド。思っていたよりも楽しんでいた様子でよかったです。

  • 3月3日には自宅でひな祭りのお祝いをしました。NYに住んでいるとなかなか日本の文化に触れる機会もないので、ひな祭りは毎年大切にしているイベントです。

  • 週末に学校のスケートイベントがチェルシーピアで開催されたので参加しました。会場がハドソン川に面しているためスケート後のピザパーティーではお友だちとデッキへ出て夕陽を楽しみました。