イースター休暇は日本で幼稚園の体験入園を思う存分に楽しんで

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モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間

名前
小泉里子/Satoko Koizumi
家族
3人(夫、4歳の男の子)
所在地
ポルトガル
お仕事
モデル
URL
小泉里子/Satoko Koizumi
URL1
SATOKO KOIZUMI 小泉里子

モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間
ポルトガルに来てちょうど1年が経ちました。
あっという間というより、まだ1年しかいないのかと思うほど、だいぶ内容の濃い1年だったように感じます。

さて、日本では新学期がスタートする4月ですが、ポルトガルでは2週間ほどのイースター休暇がありました。
日本で仕事の予定もあったため、この休暇に我が家は一時帰国。
せっかく4月に帰るならと思って、今までずっと気になっていた、甥っ子が通う幼稚園に体験で通うことにしました。

息子も大好きな従兄弟と通えると言って、何カ月も前から楽しみにしていたこと。そして、私はその幼稚園の何がそんなに気になっていたかというと、そこの園では3年間を通して『神奈川横断徒歩旅行』と称し、総距離117kmを徒歩と自転車で移動することです。その締めくくりとして年長さんは親子で箱根湯本~静岡・三島まで、なんと32kmの遠足があるんです。そう!5歳6歳児が!徒歩で!32kmです!!
これだけ聞くと恐ろしい幼稚園です(笑)。

私の妹が自分の息子(甥っ子)を入園させたことで私もその幼稚園を知ったのですが、この幼稚園では、「子育て」の本質、また「生きる」とはどういうことなのかを3年間を通して、子どもたちはもちろん、親も一緒に体験・成長できるという園なのです。

と、今はそんな風に言えるけど、初めて甥っ子を迎えに行った時の私が園を見た感想は、「乱雑」でした(笑)。
幼稚園帰りの甥っ子もなんせ泥だらけで、自分の息子が毎日こんな泥だらけで帰ってきたら...と思うと、ゾッとしたほど。さらに朝9時から始まり、お迎えは13時と驚異的な保育時間の短さなのです。

この幼稚園は一体なんなんだろか?と、ずっと疑問でした。

1年間を通してたくさんの行事があるこの幼稚園では、年2回の運動会、季節ごとの遠足やら合宿やらと20以上の行事があります。そのほとんどが徒歩で、普段から「歩く」ということに力を入れてます。

息子が通った数日間、確かに一度も園舎に入ることはなく、園庭での園長先生の挨拶から始まり、体操、庭遊び。そして水筒・お弁当・着替えなどが入ったリュックを自分たちで背負い、園を出ていくのです。

はい!これは普通で言う「遠足」です。

これが毎日のように行われます。園を出て向かう先は公園。公園まではしっかりと自分の足で歩きます。お友だちと手を繋ぎ、年長さんは年少さんをケアしながら。そして公園では思いっきり遊んで、お腹が空いたらみんなでお弁当を食べ、またリュックを背負ってしっかり歩いて園に戻ってくるのです。またある日は、公園までの道のりが崖上りだったり、年長さんは自転車に乗って向かったりと、行き方もさまざま。その日その日がまるで冒険でした。

そんなたくましい幼稚園で息子はどんな風に過ごすのか、まったく予想もつかなかったけど、やっぱり子どもの順応性ってすごいなって思いました。もちろん従兄弟がいることの安心感はあったと思うけど、普段そんなに歩いてないし、荷物も私が持ってあげてたりして、早々に甘えが出るかなと思ったけど、息子は想像以上に普通にこなしていました。

初日を終えた息子は「ここの幼稚園が一番楽しい」と言ったのでした。

私自身が感じていた疑問も数日ではあったけど、通えたことで腑に落ちたことが多々ありました。

最初に「乱雑」だと思った園庭の遊具は、子どもたちの発想によってあらゆる物に変化して楽しむことが出来る遊び道具でした。鍋だったり石だったり、バケツに風呂釜まで。ボートをひっくり返した滑り台は、バランス感覚をも得られる一石二鳥な滑り台でした。泥だらけになって遊ぶことは、自然界に存在している菌とうまく共存していく方法だし、歩き疲れて食べるお弁当は格別に美味しい。そして午後は親子で過ごす大切な時間なのでした。

あっという間に帰ってくる子どもたちだから、家事をする時間なんてなかなかなく、妹の家はいつも散らかっていたような...(こんなこと言ったら怒られそうだけど)。でもそれ以上に優先すべき時間があったんだなと思いました。

それは人生の中で考えたら本当に限られた時間。

子育てって本当にいろんな子育てがあって、どれも間違いなんてない。ただ自分の腑に落ちることが大事かなって思います。

上の甥っ子はこの春卒園したんだけど、3年間で歩いた117kmは彼にとってこれからいろんな支えになるだろうし、親子で歩きまくった時間は宝物。最後の32kmの遠足も無事に終えたと聞いた時は、本当に嬉しかった。

そんな甥っ子たちの姿を見せられ、我が家も家庭で学べること、幼稚園で学べること、そして数年後から始まる小学校生活をどんなものにしていくのか、とても参考になる時間が過ごせた今回の体験入園でした。



〈小泉里子さん連載〉
モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間

       
  • 近くの海で潮干狩り

  • 裏山でたけのこ掘り

  • 逗子の映画祭へ

          
  • 幼稚園初日の様子

  • 幼稚園の体験入園では、思い切り外遊び

  • 従兄弟たちと空港で記念撮影

  • しかしアサリは獲れず、そして息子たちも早々に飽きて写真の様子は一瞬。でも天気がよくて最高の海日和でした。

  • 一見何もなさそうに見えたけど、粘って探すと7本採れました。すぐにあく抜きして、みんなで食べました。

  • 日本の海も気持ちがよくて最高でした。富士山と夕陽のコラボレーションは日本人でよかったと思える景色。映画は観ずに息子を思いっきり遊ばせて退散。いつかここで映画も観たいな。

  • 泥だらけになるのを嫌がるかなと思ったけど、自ら裸足になり元気に遊んでいました。天気もよくて外で食べるお弁当は格別。

  • 公園で遊ぶ子どもたち。園から鍋やバケツ、スコップを持参。シンプルな道具ですがそれらをとっても楽しめるものに変身させちゃう子どもたちでした。

  • いつも日本を出発するときは、4人の従兄弟が空港まで見送りに来てくれます。この日は出発前に空港内のお店でお買い物。そして、その後でパスポートを忘れたことに気づき、出発は2日後になりました。笑