「お受験」で知った子ども達の本質と、母子のより良い関係

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モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

名前
SAWA
家族
4人(12歳と8歳の女の子)
所在地
東京都
お仕事
モデル、TCS認定コーチ、マザーズティーチャー、たいわ室コーチ
URL1
SAWA(@sawa_iam)Instagram
URL2
SAWA official

モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

皆様、こんにちは。この夏は、いきなりの豪雨や雷雨、ひょうが降るなど、荒々しい梅雨空でしたが、その梅雨も開けたいまは猛暑の日々。いやはや体力を奪われる私をよそに、我が家の姉妹は、セミの元気な歌声と共に夏休みをスタートさせました。長女はすでに真っ黒! 夏休み前に小学校6年間の集大成でもある2キロの遠泳大会があり、炎天下のもと4日間の水泳特訓に参加しました。無事本番も完泳し、歯だけ光らせニコニコと真っ黒笑顔にて、1学期を終えました。

思い返せば、この遠泳も小学校を選択した理由のひとつでした。年間行事は《一に鍛錬!二に鍛錬!》と言えるほど、心と身体を鍛える魅力満載の行事が豊富でした。都心に暮らす私たちにとって、昔のように子ども達だけで外に行き、木登りや鬼ごっこなどを自由にさせてあげられる環境ではないという背景も、そう思わせた理由だと感じています。

そんな小学校受験を、あえてして良かったと感じていることをお伝えするとすれば、それは"合否"という結果では決してなく、その受験期間を通して、さまざまな体験から我が子の本質や特性を知ることができたこと!

中学、高校、大学と、それぞれ受験の大変さはあり、その時々で学ぶことや経験すること、親子間での時間の要し方も違ってくるかと思います。私たちが経験した小学校受験に限定したこととなりますが、3〜6歳という人間形成のベースとなる3年間に、母子が同じ目標に向かい同室で過ごし経験できたことは、その後の娘たちとの関係において、とてもとても参考となる軸となっています。

子どもの学びを観るというのは、授業参観のような準備された"特別日"ではなく、毎週2〜3日みっちりと集団の中で行われる、ペーパーや絵画と巧緻性、また洋服たたみなどの生活巧緻に体操、そしてグループでの行動観察などなど、内容盛り沢山。こうしたさまざまなシーンを、母子同室の環境で見学し体感できたことがとても大きく、何かできないことにぶつかった時の子どもの様子や、行動観察でのグループ間のやりとり、主張が強い子、引っ込み思案な子がいたりする中での我が子の行動や発言を目の当たりにすること。得意なことをする時の様子、集中力に繋がるスイッチの入り方、模試などの場面で見た不安や緊張マックス時の様子など、家と園との生活では知る由もなかった子どもの一面を沢山垣間見ることができたから。わたし自身も、親として初めて知る我が子の一面に触れた時に沸き起こる感情の数々を含め、受験を通して新たな自分を知ったことも沢山あったからです。良く耳にする《子育ては親育て》という言葉のように、子どもに親が育てられるということを、リアルに体現したように感じます。

長女の子育ては、育児の何かもが初めてだらけで、それは受験も同じ。右も左もわからない状態だったから、とにかくがむしゃらで余裕ゼロ。何でもかんでも先走っていた自分の良かれは、もちろんここでも炸裂......。今思えば本当に勘違いをしていた「お受験ママ」だったと恥ずかしいくらいです。が、次女に関しては、二度目ということと、そこにコーチとしての視点も加わり、少し俯瞰することができていたのか、娘を追い詰めることもなく過ごせたと思います。

受験を通して知った子ども達それぞれの特性は、その後、何か起きたとき戻れる「軸」となりドッシリと活きています。学校生活での友達関係や勉強、習い事でのつまずきなど、どのシーンで何が起きてもある程度は許容範囲と思えるように。長女には長女の対応、次女には次女の対応ができ、一瞬でも感情が優先されることがあったとしても、多面的に見られる視点が加わることで、より良い時間を過ごすことができ、親子の強い信頼関係に繋がっていると感じています。

でも、幼い時に経験する「受験戦争」の危険を考えるとしたら?

それは「親の考える良い子の定義」が当たり前となり、また親子間の縦の関係が無意識なところで絶対となり、その関係性に安心してしまうことかなと思います。そこで結果重視・評価重視、他者との比較ばかりしてしまう環境の中で育ってしまうこと。そうした子ども達の心と思考は、成長と共にどういう「良い子」になってしまうのでしょう?

おそらく自分の子には、伸び伸びイキイキと子どもらしく、素直な心を育んで欲しいと誰しもが願っているし、目の前の我が子はそう育っていると疑わず......。けれどもし、その目の前の「良い子」が、「良い子」を演じているだけだとしたら?

わたし自身も自戒も込めて、いつも我が子を見守る視点のひとつとして、心の片隅に備えておけるように心がけています。

〈SAWAさん連載〉
モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

       
  • 七五三

  • たいわ室の活動

  • 家族

          
  • 趣味

  • 姉妹

  • 夕焼け

  • 七五三の時、お揃いの色の着物を着て、近所の氏神様にお参りに行きました。

  • 「たいわ室」の活動で、児童養護施設におじゃましてきました。ファッションフォトグラファーのLESLIE KEEが撮影した、子どもたちのポートレートの前で。

  • ふたりの姉妹は、パパが大好き。

  • 夫婦の出合いのキッカケにもなった、共通の趣味が大型バイク。こちらはハーレーダビッドソン。

  • 小学校ではおなじみの精神集中法「凝念」を、鎌倉の大仏で。

  • この夕焼けを見ながら、子どもたちと大切な話をしていたので、いろいろな思い出がよみがえる景色。