子どもが興味を持ったタイミングに、そっと近づいてあげること

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モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

名前
SAWA
家族
4人(12歳と8歳の女の子)
所在地
東京都
お仕事
モデル、TCS認定コーチ、マザーズティーチャー、たいわ室コーチ
URL
SAWA(@sawa_iam)Instagram

モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

金木犀の香りがふわふわと漂い、虫の奏でる音色からも秋を感じられる、過ごしやすい季節になりました。

我が家は、夏休み明けからオンラインでの授業がスタートしました。分散登校の期間を経て、今月からようやく通常登校が始まり、子ども達も嬉しそう。やっぱりリアルで会える時間が嬉しいのは、大人も子どもも同じですよね。

でも、夏休みはやっぱり長かった......! 夏休みの難題といえば、読書感想文や自由研究。毎年ふぅーっと悩みの種となるはずが、この2年はなんだか親子共に頭抱えてないぞーっと。おや?おや?どうしてだろう?と思い返し、ピンッときたこと。それは......『タイミング』でした。

例えば読書でいうと、これまでは、「ほらほら、本読みなさーい!」「もう、早くこれ読んで!」などなど、完全にこちらが読ませたい本を読ませたいタイミングで、一方的に差し出すという、ほぼ強制的。そんなことされても、読みたい威力まったく湧かないよ!ってことを、私は恥ずかしながらしていて、もちろんその時の娘達の反応ったら、

「えーーー、読みたくなーい」
「全然面白くなさそう」
「だったらママが読めば」
など、イラッとポイント満載のまったくの無関心な反応。酷い時には、親子喧嘩に発展しちゃったりと悪循環な時もありました(笑)。

あーーあー、なんと自分本位な子育てをしていたのだーーー(汗)。

と、そんな私がマザーズコーチングを受講して、《興味を持ち共感する》ということを意識するようになりました。すると、選ぶ言葉は変化し、伝えるタイミングも変化。娘達の反応も、面白く変化していきました。

そんな我が家の、この夏の取り組みは?といいますと......。

長女は、授業で戦争や環境のことを学んでいるというので、そのタイミングで、パーマカルチャーの伝道師である四井真治さん宅を訪問。彼の下で色々な体験をさせて頂いたり、インタビューしてみたりと地球温暖化や気候変動への興味関心は膨らみ、卒業研究に向けて意欲的なスイッチオン。また、戦争に纏わるさまざまな本を取り寄せ、何も言わずにテーブルにポンッと置いてみると、時に涙を流しながらも、次から次へと読み終え、長女の戦争に対する興味関心は大きく育ち、そこから生まれた感情を彼女なりに読書感想文に反映させていました。

『----戦争の時からイジメなどがあった事にビックリしたし、戦争にあったうえにいじめられるなんて、すごく辛いと思う。それでも筆者は戦争を二度と起こさないように、戦争の辛さを話してくれているのだ。私はこの本を読んでみて、戦争で彼のような被害者を出さないために、私たちの世代がこの世界の平和を守っていかなければいけないと思った。どんなに苦しい事があっても未来のために、人々に伝えていくべきだと思う。戦争をして人を傷つけても、楽しく笑える人なんていないのだから。そして、イジメもこの世界からなくなる事を心から願っている。人を悲しませる事も、許される事ではないからだ―--』

との一文に、母思わず涙......。戦争のことは分からないけど、イジメのことなら少し分かると、長女ならではの感想文。どんなことがあっても、相手を責めない長女。色々な体験を通して、大きく温かな心が育ってくれていると感じています。

そして、天真爛漫な次女はというと、こんなこと言うと笑われちゃうかも知れませんが、とにかく家族が大好き。なので、私や主人が体調悪くて、
「あーん、誰かこの具合悪いの治してくれないかなー。家族でお医者さんがいるといいのになー」なんて会話をしていたら、
「わたし、お医者さんになるー!そしたら、パパやママがお年寄りになっても大丈夫でしょ!」
なん言うところは、まだまだ低学年。理想と現実なんて分からず、お医者さんになれると疑いもしていないご様子(笑)。

そんなタイミングもあり、マンガ『はたらく細胞』を揃えてみると、なんと一気に完読! 次女は、体内の細胞に興味津々です。今では、やたらと色んな細胞に詳しくなっちゃって、自由研究の題材には、もちろん「体の細胞」をテーマにしました。

そんな風に、我が家では、子ども達の興味がそそられそうな場所や、関心を持てそうな書物を、それぞれのタイミングに合わせて、黙って差し出すという方法が一番効果的に感じています。

あるとき、『7つの習慣』を読んだ長女は、1日1日自分のやる事リストをノートに書くように。一つずつタスクをクリアするごとに消していく作業の気持ち良さを知ったようで、すべて終えたらイキイキ堂々と、
「ママ!今日のやる事、全部終わったからゲームしてもいい?」
と言ってきました。そんな流れができ、私が声を荒げる回数も減り、穏やかな夏休みを過ごせたというわけです。

大人の欲望や希望、さらに大人の都合で何かをさせていた《自分本位な育児》からの解放。それこそが、心地よい親子の関係性なのかな、とそんな気がしています。子育てって、本当に親育てですよね。

さてさて、皆さんの夏休みは、いかがでしたか?

〈SAWAさん連載〉
モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

  • 長女が学校の授業で知った戦争も、さまざまな本を通してまた別の視点から考えることができます。

  • 次女の自由研究ノート。テーマは、細胞について。彼女なりのリサーチが丁寧にまとめられてる様子は、興味があって仕方がない!という様子。

  • マンガ『はたらく細胞』は、細胞を擬人化したキャラクターたちが、人体のなかで戦ったり破れたり、協力し合ったりする様子が物語仕立てで描かれていて、大人が読んでも面白い本です。

  • こちらは長女の自由研究。自然環境について、研究しました。

  • 子ども達が夢中になった本いろいろ。『学校では教えてくれない大切なこと』シリーズは、子どもの悩みに寄り添ったお役立ち本。『7つの習慣』はビジネス書を、マンガ仕立てで分かりやすくしたもの。馬場啓介さんの著書も、未来を切り開く鍵に出会うことができる。

  • 小中学生のための「たいわ室」の活動も続いています。親には話せないこと聞けないことも、コーチが聞いてくれます。

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