長女の義務教育終了、そして最終回。子どもと向き合うことの大切さを今改めて実感

Choice

モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

名前
SAWA
家族
4人(16歳と12歳の女の子)
所在地
東京
お仕事
モデル、TCS認定コーチ、マザーズティーチャー、たいわ室コーチ
URL1
SAWA(@sawa_iam)Instagram
URL2
SAWA official

モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

長女、中学卒業と同時に義務教育終了しました。

中学の3年間は、間違いなくバスケと共に成長できた時間でした。部活動に熱中した時間も、秋の私学祭を最後に卒部。これまで届きそうで届かなかった優勝というタイトル......。最後の試合にて『優秀の美』を飾れ、最高な幕閉じとなりました。

我が家は、長女・次女ともに小学校受験をして、大学まである同じ一貫校へ入学しています。長女にとっては小中の9年間は、ひとつの大きな区切りになったように思います。

振り返ると、小学校1年、担任にもクラスにも恵まれた学園生活の幕開けでした。この時キャンパスで初めて出会ったお友達やママ友との絆は、これまでも、これからも私たち親子の変わらぬ宝となっていくことだと思います。

そして、小学校2〜3年生のクラスもまた、いつもの仲良し7、8人という感じで、時に笑い、時に涙を流し、喧嘩もしながら、友達という関係を少しずつ学べた時間。大きなグループでしたので、何もないはもちろんなく(笑)。しかし、揉め事があったとて、その時々で親同士で共有でき、それぞれきちんと我が子と向き合い、親も子も共に成長へと繋げられた時間でもありました。

クラス編成のなかった4〜6年生。人格形成の最後の土台が成されるであろう大事な時期だと臨んだクラスでした。が、その3年間にはコロナもあり、娘にとって試練の時期となりました。学校生活での彼女の笑顔は日に日に薄れるだけでなく、それまで過ごしたキラキラした時間と記憶さえも、掻き消されてしまうような苦しい時間となっていました。

当時、長女の学校生活を見て思ったのは、言葉や表現をオブラートに包むことを知らない子ども達の世界は時に残酷で、子ども達の相性によっては、変な化学反応が起きてしまうということ。子どもの人格形成が成される高学年の時期ほど、親や先生など周りにいる大人たちの存在や影響がより大切だと改めて感じられたのは、5年生の次女の学校生活を見ていた時でした。

いつも元気はつらつな次女が、先日、突然話しながら泣き始めました。一見、天真爛漫で勝気に見える次女ですが、その反面凄く繊細なところも持ち併せています。人知れずいつも周りに目配りし、気遣いながら優しく接しているがゆえに、我慢も沢山していることもある模様。

そんな次女の話によると、顔見知りの6年生男子たちがふざけて絡んでくる。そこから、知らない6年生や同学年の男子まで真似して、からかってくるようになったということ。ふむふむ......ただ、翌日は小学校卒業式......。「もう中学に行っちゃうから会わないし、大丈夫じゃない?」と諭してみましたが、当の本人は一貫校という環境の下、長女の事も見てきているだけに、なんとなく不安を拭えないご様子。とにかくそのきっかけを作った男子ママ達に、事情を話してほしいというリクエストでした。

私自身、あーだこーだと色んな角度から考えて一晩悩んだ末、やはり彼女の気持ちを尊重し、男子ママ達に話してみることに。

翌日ママ達に遭遇し事情を話すと、すぐに「ごめんなさい」と頭を下げて下さり、その夜にはそれぞれお子さんに話を聞き、事情を把握した上で、改めて丁寧な謝罪のLINEも頂きました。そこには、当事者のお子さん達からの素直な「ごめんなさい」という、反省メッセージも添えられていました。またその翌日には、そのママ友の計らいにより、他の男子児童のご家庭からも謝罪メッセージが送られてきたのです。

全てのメッセージを次女に伝えると、「うーん、なんかさ、そんなに謝られちゃうと自分も困っちゃうから。傷ついてたってことを分かってくれたなら、もう大丈夫だよー」と、なんとなく照れ臭そう。その表情を見ながら安堵したのと同時に、長女の時に抱えていた悶々として気持ちが蘇ってきました。

長女が小学校高学年の時に、同じような友達とのトラブルがあったときはなかなかスムーズに解決とはならず、中学校に上がってからも辛い状況が続いていました。その時に抱いた私の感情は、それまでの私の人生で初めて味わう、何とも言い難いものでした。

当時の長女は、「ママいつも心配ばかりかけちゃって......ごめんね」と、何かある度に泣きながら謝っていました。彼女が何か悪いことをしている訳でもないのに、どうしてこの子が謝っているんだろう?という思いと、思い出すだけで胸が苦しくなる言葉もたくさん耳にしてきました。それでも一度も「学校に行きたくない」という言葉を発することなく、本当によく耐え、よく頑張りました。「いつでも辞めていいんだよ」と、何度伝えたか分かりません。それでも娘は、「負けたくない」という一心で、数少ないお友達に支えられながら今日まで歩んで来れたのです。

思い返せば二人三脚で頑張った小学校受験でしたが、そこに幼い娘の意思はなく、私たち親の勝手な善かれな選択でスタートしました。この選択をしなければよかったの?と、頭をよぎる瞬間も何度もありました。でも今では、私も娘も同様にこの学校の理念をより尊く感じ、何よりどんな時も変わらない距離感で支え、温かく寄り添ってくれる大切なママ友たちや、数少ない信頼できる先生と出会えていることが、母娘にとって何にも変えがたい財産となっているのです。

まもなく中学卒業という景色が見えてきました。ここに来てようやく目に見えない何かに縛られ、失いつつあった彼女らしさや心の自由と笑顔を取り戻せてきている、そう感じられる場面も増えていきました。

長かった小学校高学年から中学時代、様々な苦い経験を重ねた長女でしたが、昨年末の留学を機に、世界の広さを知ったのか? 目の前に広がっていた世界の小ささを知ったのか? 帰国した彼女はまぶしい笑顔で「自分がどれほど色んなことに気を遣っているかが分かった」と話してくれました。

知り合いや友達が誰ひとり居ない、自分に対する先入観のない環境での初の留学でした。その時間でどんなことを感じ、どんなことを学び、どんな顔で帰国するのだろうと楽しみでなりませんでしたが、いま確実に言えることは、彼女のペースで少しずつ少しずつ本来の自分を取り戻しているということです。娘らしさや眩しい笑顔も戻ってきました。やっと...やっとここまで来れた(涙)。

そんな中迎えた卒業式では、娘の目からポロポロ流れる涙が止まることなく溢れていました。涙に浄化作用があるとするなら、その涙にはこれまでの色んなモノが含まれ流されてたことでしょう。真っ赤に染まった澄んだ瞳、そしてキラキラ眩い笑顔を見られて、私も何か1つ卒業できた思いでした。

ずいぶんと長い冬眠期間でしたが、心の痛みや孤独を知る人は、同時に、温かな心と優しさ、そして強さを知ることができる。そして、それら全ては人としての奥深さを育み、成長へと導いてくれると感じています。

あと3年、またはあと7年。同じキャンパスでの学校生活は続きますが、これからも時代と共に変化しながら、多様性や個性を大切にしつつ、その中でも自分の大切な軸を見失うことなく、娘を変わらず見守っていきたいと思います。娘達には、強いモノに惹かれるのではなく弱いものに添える人であってほしい。そして「ごめんね」「ありがとう」という2つの魔法の言葉を、私も娘たちも素直に伝えられる人でありたい、あってほしいと願います。

このBright Choiceを通じて、娘たちとの日々、向き合い方を4年に渡り綴らせていただきましたが、長女の義務教育卒業というタイミングで、連載を卒業させていただくことになりました。

これまで、私のつたない文章にお付き合い頂き、また最後まで温かく拝読してくださいました皆様に、心からの感謝を申し上げます。

皆さまのお子さまの笑顔が溢れる日々でありますように。

ありがとう。またいつか......

〈SAWAさん連載〉
モデルSAWAが綴る、自由の中に軸をもったしなやかな育児

       
  • 卒業式

  • 長女の友達

  • 長女、初めての短期留学

          
  • 募金活動

  • 卒業旅行

  • 戦友

  • 大号泣の卒業式。

  • いつも支えてくれる心愛なる友たち。

  • お初の留学はシンガポール。

  • 恒例のJS FOUNDATION募金活動。

  • 家族で卒業旅行。みんなで移りゆくサンセットに感動。

  • 心置きなく語り合える戦友モデルたち。