インターナショナルスクールに見る、自己肯定感の養い方
モデルSHIHOが奮闘、日本・韓国・ハワイが舞台の子育て
- 名前
- SHIHO
- 家族
- 3人家族(夫、11歳の女の子)、ミニチュアダックスのキョロ
- お仕事
- モデル、ウェルネスアドボケート
【モデルSHIHOが奮闘、日本・韓国・ハワイが舞台の子育て】
いよいよ新しい年を迎えようとしていますが、皆さんはどんな冬をお過ごしですか?
娘は、早々と冬休みが始まり、すっかり遊びモード全開。親としては、3週間という長い休みを充実させてほしいと思うのですが、あまりに解放されっぱなしなので、「冬休みの宿題は?」と聞くと、「ないっ!」の一言。「え?」と耳を疑いたくなる答えに思わず、お友達ママにメールで確認してみたら、何と彼女の通うエレメンタリースクールの冬休みは、基本的に宿題を出さない方針だとか。
理由は、「学校で勉強をすべて終わらせて家で家族と楽しい時間を過ごす人と、宿題をたくさん出されて過ごす人とでは、大人になったときの学力に差がない」、というどこかの研究結果の元でそうなっているらしいのです。
ミドルスクールになると、どんどん宿題が出され始めるようですが、実はやってる子はやってる!
自主勉強として、お友達ママは子どもに毎日のリーディング(読書)45分! をルールにしているそう。そういえば、夏休みの宿題も日本語は基本的になかったところを、私が先生に直接お願いして出してもらったんだった、と思い出します。彼女の学校のスタイルを考えると、人から言われてやるのではなく、自分達で考えて、決めて、行動するという自主性を問われているように思います。
小学校からインターナショナルスクールに通う娘ですが、1年生の頃からのずっと変わらない日々の宿題といえば、リーディング(読書)です。低学年の頃は、読んだ本のタイトルを書いて親がチェックする、というようなものでしたが、5年生にもなると、お友達同士でペアになって、自分たちで好きな本と読むページ数を決め、お互いに読んだページについて質問しあったり、本の内容に対する詳細を書いたりと、分析していくような課題に取り組んでいました。
私たちが小学生の頃、読書の宿題といえば、読書感想文を書く、というような単純なものでしたが、インターナショナルスクールのまったく違う本へのアプローチに驚きます。本自体というよりは、内容や作者の意図、構成についてなどを分析していくようなスタイル。(これは日本での国語の授業がそうだと思うのですが)
4年生の頃には、自分で一つの話題を決めて文章を作るという課題がありましたが、読書好きの同級生の女の子の文章は、自分のことを物語調にスタートさせ、自分の意見、また客観的に定義された例題を用いて自分の意見をさらに主張させる、という構成で、本当に4年生が書いた文章なのか、と感心するほどでした。他にも、好きな課題を決めて、そこを調べて掘り下げていき、企画書のようなものを作る課題もありました。
この時の娘の課題は大好きな動物をテーマにしていましたが、色々調べていくうちに、絶滅危機など動物のいろんな現状を知ることとなり、この学びは「チキンはもう食べたくない!」と言い出したきっかけにもなりました。
私たちが学んでいた学生時代は、教科書に載っている共通の課題や先生が黒板に書いたものを、クラス全員がそのまま写し書きしていたことが多かったなあ、と思い出します。
娘の場合は、好きなものも、学びのペースも自分たちで決め、自らが考えて調べ、分析して定義していく。それをクラスメイトと共有していくというスタンス。この過程は、好きなものを追求したり、主張したり、また相手のことを認め合うスタイル作りにすごく役立つと気づきます。
「〇〇君のペアは1日80ページも読んで、週400ページも読んじゃうんだよ!」とか、「〇〇ちゃんの文章、すごくない!?」って、まるで自分のことのように、友達を誇りに思って教えてくれる。人によったら、自分はできないと自己肯定力を否定してしまうかもしれないところを、娘は、自己だけでなく、他者肯定力も強くて安心します。
よくあるのが、ひとつの話題について話して意見が分かれた時、どうにか一つに意見をまとめようとする傾向が多いように思うのですが、違う部分があって当然、それもいいね! と、お互いを認め合うことってすごく大事な気がするんです。
それは、それぞれに自分の好きなものを自己追求しあっているからこそ、できるんじゃないのかなあと感じます。
先日は、学校で先生との三者面談があり、どんな話をするのだろうと思っていたら、なんと事前にカンファレンスシート(先生が作った自己評価&自己分析アンケート用紙)に娘が記入したものを用いて、先生主導ながら、娘が自ら話をするようにさせて、そこに対して私が聞きたいことや先生の意見を加えるといったものでした。
低学年の頃のカンファレンスといえば、先生から彼女の学校の様子や勉強への取り組み、評価について聞くと言うものでしたが、5年生からは、子どもに会話をさせて進む面談がすごく面白かった! だって先生の前では、ごまかしが効かないから(笑)。
娘は終わった後、まさか自分が話すとは思っていなかったみたいで、「すごく緊張した」とかなりナーバスになっていましたが、これも自己を客観的に見る機会になり、自己肯定力や自己表現を養うのにとってもいい機会になっていたと思います。
面談は学校の教室で行われたのですが、ふと壁を見ると、先生と子どもたちの約束事が書かれた宣言シートを見つけました。その宣言の周りには子どもたちのサインがあって、まさに同意書!
そこにはシンプルに、
・相手や相手の意見に敬意を
・心を開いて柔軟に
・正直で忍耐強く
・秩序立ち、学ぶ準備をして
・親切で、人の役に立ち、仲間はずれをしない
・前向きな姿勢
・楽しむ!
とありました。思わず、「あら、サラン、あなたこれにサインしたのね!」と言っちゃったくらい。宣言シートを見つけて、私の中で、先生のスタイル、今の彼女の取り組みも大好きになり、すっかり面談が締まりました。
子どもって周りに影響されやすい年齢だと思うし、どんな環境で育ってきたかで、価値や判断力が変わる気がします。そんな中で、自己を肯定し、相手も尊重して受け入れる。そんなスタイルを学んでいる娘の環境はとっても素晴らしいと思いました。自主性については、まだまだ緩いので、目標を定めて前向きに頑張ってほしいところですが(笑)。
2023年はいよいよミドルスクールになり、勉強がどんどんストイックになる年齢になります。私が学生の頃は、お友達の良い刺激のおかげで頑張れた記憶があるので、彼女も先生やクラスメイトから良い影響をもらって成長してほしいと願うばかりです。
〈SHIHOさん連載〉
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