「娘の将来のため」に潜んでいた、親心の押し付けを大反省
モデルSHIHOが奮闘、日本・韓国・ハワイが舞台の子育て
- 名前
- SHIHO
- 家族
- 3人家族(夫、12歳の女の子)、ミニチュアダックスのキョロ
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- モデル、ウェルネスアドボケート
SHIHO
【モデルSHIHOが奮闘、日本・韓国・ハワイが舞台の子育て】
最近パパの仕事が順調で、彼は1ヶ月のうちほぼ3週間は韓国にいて、日本に帰って来るのはほんの数日、長くても1週間未満。娘は日本のインターナショナルスクールに通っているので、私たちはずっと日本にいて、シングルマザー状態。ナニーさんをお願いしていないので、何気に私、仕事、サランケア、ドッグケアにプライベート、となかなか忙しい日々なんです。
こんなにもパパが日本にいないなら、いっそのこと、韓国に引っ越したほうが!?
と思い立ち、相談してみたら、
「あと一つレギュラーが決まれば引っ越さなきゃだけど、まだ今は、ベースは日本にしたい」
と、言われてしまいました。
「あら。もうあなた、ベースは韓国になってますけど??」
と思いながらも、私の頭の中は、娘の教育や将来について悶々と考えてしまう日々。
先日、サランの算数の評価があまり良くなかったことが発覚。それに加え、ミドルスクールになったことで、毎日あった日本語の授業がなくなり、代わりに第三言語の授業が始まったんです。日本語か韓国語を選択するのかと思いきや、娘が選んだ言語はスパニッシュ。
「え?スパニッシュ!?」
と思ったのですが、本人が興味あるなら......と気にしてはいなかったのですが。
ふと数年の先を見据えると、"今のうちに、彼女だからこその何か長けていること" を伸ばすほうが、大学など将来の彼女にとって、今やるべき必要なことなんじゃないかって思い始めたんです。
そう思うと、彼女の強みは幼少期から始めた芸能の仕事だし、今、韓国のエンタメはすごく熱い。
6歳までは流暢に話せていた韓国語ですが、小学校に入るタイミングで英語と日本語を強化したことで、韓国語がすっかり出てこなくなって忘れてしまって。さらに、ハワイに住んだことで英語が第一言語になり、その後日本に戻ってきたことで日本語が復活。次は、韓国に住んで韓国語なんじゃない!? って、頭の中でぐるぐる考え出して。
いろいろレッスンが豊富な韓国で、ダンスや演技なども習えば、きっと将来に活かせるはず。算数がダメなら、エンタメ! 今、彼女に必要なのは、韓国の環境では?! と、勝手に私の妄想は広がり、先日彼女に韓国移住を提案してみたのです。
「パパがずっと韓国にいるから、私たちも韓国に引っ越さない?」
「やだ」
「日本語の授業はもうないし、今ここで、韓国語を再び学んだ方がよくない?」
「やりたくない」
「こないだ、算数の評価、すごく低かったんだよ。それをカバーするには、サランしかできないことを今からやらなきゃ。韓国に引っ越して、本格的に韓国語、今やっておかないと。モデルレッスンもまた通えるよ」
「もう、やめて! 転校したくない」
と、あまりに娘が受け入れてくれないから、
「将来のために、今、努力しておかないと。あなたしかできないことをやらないと!」
と、何度もしつこく説得し始めたら、なんと彼女は大号泣し始めて、
「やっとミドルスクールになって、お友達もできていい感じなのに、なんでまた転校するの? やっと落ち着いたところなのにっ! それに、ママはどうして、低い評価のことばかりをいうの。評価がすごくいいのをもらった教科もあるのに、なんでダメなとこばかりに目を向けて、よかった評価は褒めてくれないの? 転校は絶対にしたくない!」
と大反対、大否定されてしまったんです。
そんな、必死に泣き叫ぶ彼女の姿を見て、
確かに、幼稚園を卒園後すぐに引っ越して新しい環境になって、最初の1年間はすごく言葉やコミュニケーションに苦労していた彼女の姿がありました。
4年生になって、またハワイから日本に引っ越して、小さなプライベートスクールから大型のマンモススクールに転校したことで、新しいシステムや学習方法に慣れることや、お友達とのコミュニケーションで彼女なりに気を遣って過ごしていたのかもしれません。
新しい環境に適応する大変さ。そこで積み重ねてきた彼女の努力。
そんなことは何も考えず、「彼女の将来のため」と、私の頭の中で思い描いたこの先の都合や、思い付きの考えだけを押し付けてしまい、申し訳ないことをしてしまったと大反省。
そんな矢先、ふとSNSの動画で、こんな話を見つけたんです。
ーー皆さんは、自分や人を褒めるとき、"うまくできたことの結果や才能を褒める" か、"そこに到達するための努力や行動を褒める" か、どちらですか?ーー
それぞれ別の褒め方をした両者に、難しい問題を再び出してみたら、前者のパフォーマンスは著しく下がって、後者のパフォーマンスは著しく上がるという結果になったそう。つまり、パフォーマンスを向上させるためには、努力した過程を褒めることが効果的なんだそう。
これを知った時、私は、彼女の努力の過程をすっ飛ばして、褒めることをすっ飛ばして、結果を出すために、どんどん課題を押し付けているってハッとしたんです。
忙しさにかまけて、目の前の彼女の一つ一つに目を向けてあげられてなかったかもしれない。忙しさゆえに、要領よく進めることに目を向けてしまっていたかもしれないと。そういえば、トレーナーの先生にも「サランちゃんをもっと褒めてあげるといいかも」と、以前に言われたことがありました。
「サラン、すごいじゃん」って口癖のようによく言ってはいましたが、もしかして、私はいつも結果を評価してばかりだったのかもしれません。彼女の積み重ねに今再び目をむけ、彼女を感じること、向き合うことの大切さに、彼女の言葉で気付かされたように思います。
ミドルスクールになり、大人のようにハッとさせられることを言われるかと思いきや、「ママ、ハグして~」と子どものように甘えてくることもある今日この頃。
思春期で反抗する日も出てきて、思い悩むこともあるけれど、今私がするべきことは、パパの意見同様に引っ越しではなく、彼女が今向き合っていることに、同じように目を向けて応援してあげることなんだと、改めて感じる日々です。
〈SHIHOさん連載〉
モデルSHIHOが奮闘、日本・韓国・ハワイが舞台の子育て