モンテッソーリの保育園とは?親子二代で通った保育園で得られる力

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海のある町でのびのびと暮らす、クリエイター夫婦の子育て

名前
ヨシタケシンスケ & 吉竹祐子
家族
中2と小3の男の子をもつ、4人家族
所在地
神奈川県
お仕事
絵本作家(夫)、クリエイター(妻)
URL
くりひょうたん。by吉竹祐子

息子たちが通っていた保育園は、40年以上前からモンテッソーリ教育を取り入れた園でした。40年以上も前からということを考えると、当時としては、かなり珍しい保育園だったと思います。うちのお父さんが卒園したこの保育園に、まさか親子二代に渡り通うことになるとは思ってもいませんでした。

園での子どもたちの生活は、園庭で遊ぶことはもちろん、モンテッソーリ独自の<お仕事>とよばれる時間があります。モンテッソーリ教育は、元々、知的障害を持つ子どもに向け、感覚教育法を施しながら、知的水準を上げることを目的に考案された教育法です。ボタンをとめたり、紐を結んだり、簡単な針仕事などを通じ、指先をたくさん使うことで、日常生活を送る上での訓練をしたり、色や、形、数字を視覚で分かりやすく理解することができたりと、さまざまな工夫がされていました。子どもたちはそれぞれに自分の好きな<お仕事>に没頭していました。そんな<お仕事>の中で、長男が好きだったのは切り紙、次男が好きだったのは国旗を描き写すお仕事でした。園で作ってきたものが、毎日たくさんリュックの中に入っていて、それを見るのが楽しみの一つでした。

園長先生はよく、「モンテッソーリで行っている教育は、たったいますぐに役に立つ、というよりは、成長していく過程で、少しずつ紐づいていきます」とおっしゃっていました。モンテッソーリ教育のおかげかどうか?分かりませんが、いま息子たちを見ていたら、好きなことやモノへの集中力や、ものづくりにおける器用さなど、少なからず影響を受けているのかもしれません。お父さんもしかり、ですね。

モンテッソーリ教育では、大人はあくまでも援助者であり、環境を整え、選択肢を与え、そして最終的には見守ることが大切であると言われます。モンテッソーリ教育の考え方は私自身、子育てをするうえで常に頭の片隅に刻んでおきたいと、卒園をしてしまったいまでも心に止めています。

       
  • 長男、登園初日

  • お仕事中の長男

  • 七宝焼きのメダル

          
  • 運動会のフラッグ

  • 次男のお仕事

  • 入園が決まり、初めて保育園に通いました。真新しい場所をジッと観察していました。この時、長男は何を考えながら過ごしていたのでしょう…。

  • 通い始めて数日たった頃。お仕事として、爪楊枝を小さな穴に入れる、という単純な作業をしていました。私が迎えに来てることにも全く気づかないくらいに、ものすごく集中していました。

  • 毎年行われる運動会で、一人一人に渡されるメダルは、年長さんの活動の一環として七宝焼きで作ったものを首にかけてもらっていました。

  • 運動会の会場にかけられているフラッグは、年長さんの手作りです。モンテッソーリ教育の一つ、文化教育の一環として、国旗作りを行っていました。

  • とにかく毎日、この国旗が大量にリュックの中に入っていました。表には国旗の柄、裏にはその国の名前が書かれています。