絵本の部屋8 父も息子も夢中にさせた「タンタン」との大冒険

Choice

海のある町でのびのびと暮らす、クリエイター夫婦の子育て

家族
中3と小4の男の子をもつ、4人家族
所在地
神奈川県
お仕事
絵本作家(夫)、クリエイター(妻)
URL
くりひょうたん。by吉竹祐子

ヨシタケシンスケ邸〈絵本の部屋〉から、家族の思い出が詰まったおもしろ蔵書をご紹介。妻の祐子さんが綴ります】

今回ご紹介する『タンタンの冒険』シリーズは、未完のものも含むと全部で24話ありますが、現在我が家には未完もの以外の23話が揃っています。少年レポーターのタンタンが、世界中のみならず、海底や宇宙を旅しながら、難事件を解決していくというお話。

当時10歳だった夫に義母が、「しんすけが好きそうな絵本」と言って、翻訳版が発売された時に買ってきたそうです。義母の予想通り、夫はタンタンを気に入って、現在に至るまで、ずっと大好きな絵本の一つです。その後『タンタンの冒険』シリーズは、絵本の部屋に保管されていたのですが、長男が保育園の年中さんの頃に見せたところ、とても気に入って仲良しの友達と二人で<タンタンごっこ>をして遊ぶほどでした。

<タンタンごっこ>って何をするのか? ちょっと謎ですが、友達と二人で園庭を探検しながら、ハドック船長の決め台詞で、とても印象的な「コンコンニャロウのバーロー岬」を事あるごとに言って、二人でゲラゲラ笑っていたのが印象に残っています。先日、本人に「なんでこの台詞にはまっていたの?」と聞いてみたところ、「とにかく響きが面白かったから」だそうです。

長男もタンタンが好きになったことをきっかけに、持っていなかったシリーズを買い足し23話揃えました。ちなみに長男は、当時まだ幼かったこともあるので、社会的な内容を話題にしているものについては、ほとんど理解していなかったようですが、細かくリアルに描かれている絵と、パドック船長の決め台詞を面白がってよく読んでいたのです。

『タンタンの冒険』シリーズを機に、エルジェさんブームが到来した我が家。いろいろ検索している時に『クックとプッケ』という絵本を見つけました。次男は、こちらの方が分かりやすくて好きだったそうです。

世代を超え、父から子に渡り受け継がれていく『タンタンの冒険』シリーズ。大人も子どもも楽しめる絵本です。

〈連載概要〉ヨシタケシンスケ邸のおもしろ蔵書の数々を、妻の祐子さんが心温まる子育てエピソードと共に綴る、その他記事はこちらより
ヨシタケシンスケ邸絵本の部屋

       
  • 本棚に並ぶ『タンタンの冒険』

  • 長男が描いたタンタン

  • 切り絵のタンタン

          
  • 『タンタンの冒険』シリーズ

  • 『クックとプッケ』シリーズ

  • 『タンタンの冒険』シリーズ。未完のもの以外の、23シリーズを揃えました。

  • 長男が見よう見真似で描いたタンタン。細かいところの描きこみはできていませんが、表情がよく描けていて今もリビングに飾っているお気に入りの絵です。

  • こちらは、切り紙でタンタンを再現。この時のことを鮮明に覚えていますが、突然、色画用紙を切り始め作っていました。

  • 『タンタンの冒険』シリーズ

    エルジェ作・絵/川口恵子訳(福音館書店刊) 1929年、コミックス作家であるエルジュによっってベルギーで誕生。主人公タンタンが、相棒の白いフォックステリアと一緒に冒険旅行へでかけ、さまざまな難事件を解決していきます。

  • 『タンタンの冒険』の作者、エルジェさんの他の作品がこちらの『クックとプッケ』シリーズ。タンタンと似たところもありますが、こちらの方が、よりドタバタ劇です。