絵本の部屋6 学校という場所の、本当の良さってなに!?

海のある町でのびのびと暮らす、クリエイター夫婦の子育て
- 名前
- ヨシタケシンスケ & 吉竹祐子
- 家族
- 中3と小4の男の子をもつ、4人家族
- 所在地
- 神奈川県
- お仕事
- 絵本作家(夫)、クリエイター(妻)
- URL
- くりひょうたん。by吉竹祐子
【ヨシタケシンスケ邸〈絵本の部屋〉から、家族の思い出が詰まったおもしろ蔵書をご紹介。妻の祐子さんが綴ります】
2009年8月、私たちは当時2歳だった長男を連れて、新潟県越後妻有地域で開催されていた「第4回 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」に行きました。今回ご紹介する絵本は、その時に手に入れたものです。
絵本『学校はカラッポにならない』は、2009年夏に絵本作家の田島征三さんが、廃校となった新潟県十日町市立真田小学校の校舎を丸ごと<空間絵本>として蘇らせた作品を、書籍化したものです。田島さんをサポートした地域の方々、そしてボランティアスタッフの努力によって、その真田小学校は、今も「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」として残されています。
主人公は、真田小学校の最後の在校生だったユウキ、ユカ、ケンタの3人。大好きな真田小学校への想いが、学校に棲む、夢を食べるオバケ「トペラトト」と、夢をつぶすオバケ「ドラドラバン」と共に繰り広げられます。真田小学校は、十日町市の山間部、"鉢(はち)"という名のとても小さな集落にあります。鉢に住むほとんどの人が、この真田小学校を卒業しており、絵本の中でも、ユウキ、ユカ、ケンタのおじいちゃん、おばあちゃん、さらにはもっともっと昔の人の思い出も出てきます。学校は廃校となってしまいましたが、美術館として生まれ変わり、またたくさんの人が、いろいろな思い出を作ってくれる場所として残されました。カタチは変わったけれど、みんなを待ち続ける場所には違いありません。 「だからもう大丈夫! ユウキ、ユカ、ケンタは飛び出してっていいんだよ! 」というメッセージが絵本には残されているんです。
真田小学校を訪れた2009年の夏、私は絵本を読みながら、どうしても涙が止まりませんでした。みんなの「なんとか学校を残していきたい!」という思いにあふれている、「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」。12年ぶりにこの絵本を読み返している今、また息子たちを連れて訪れたいと思いました。
※「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021」
新潟県・越後妻有地域の広大な里山を舞台に20年続く芸術祭。3年ごとに開催するトリエンナーレの第8回として、2021年夏に開催を予定。
〈連載概要〉ヨシタケシンスケ邸のおもしろ蔵書の数々を、妻の祐子さんが心温まる子育てエピソードと共に綴る、その他記事はこちらより
ヨシタケシンスケ邸絵本の部屋