オルタナティブ教育を選んだ親の覚悟【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル④】
自由な教育を求め“子育て移住”したリクルート卒ファミリー
- 名前
- 藤原佳奈
- 家族
- 4人家族(14歳の女の子と10歳の男の子)
- 所在地
- 山梨県
- URL
- 藤原佳奈さんインスタグラム
誰も予想していなかった、新型コロナウィルスの流行。「Withコロナ」という概念も生まれ、都市集中型のライフスタイルに変化が起きている中、注目を集めているのが"子育て移住"です。ブライトチョイスでは、長女の小学校入学をきっかけに、"自由な教育"を求めて山梨県へと移り住んだ藤原さんファミリーの"子育て移住"を、5回連載でご紹介します。
藤原さんの子どもたちが通うのは、自由を重視する教育で国内外の注目を集める「南アルプス子どもの村小・中学校」。学校は中学過程までですが、受験対策はいっさいナシ。「自分で学ぶ力を信じて欲しい」と、塾通いは推奨されません。自宅での学習はどうしていたのでしょうか。
「学校で演劇にハマったことをきっかけに、小3の時に英語劇遊びなどを行う『LaboParty』に入会しました。中1からは英検にハマり、毎回受験。隙間時間にコツコツ単語を覚え、中2の春に準2級を取得しました。その年の夏には北米で1ヶ月間のホームステイをしたので、準備のための勉強もしていましたね。また、『伝える力をつけたい』と、自主的に読書とその感想文を習慣にしていた時期もありました」(藤原さん)
現在中学3年生の娘さんは、「海外留学の可能性を含めて、進学準備の時間をじぶんのペースで作りたい」と、地元の高校への進学を決めたそう。現在は、『NativeCamp』のオンライン英会話を毎日受けたり、自宅で過去問を解いたりと、自力で計画を立てて受験準備中です。
「ネット模試に初挑戦した時は、初めての偏差値に凹んでいました(笑)。でも、成績で人の価値を測るという習慣がないので、今では努力によって点数が伸びていく過程を純粋に楽しんでいるようです。試行錯誤しながらの自主学習は、短期的にみれば効率が悪いかもしれません。でも、大事なのはトライ&エラーを経験しながら、自分でやり方を見つけるプロセス。そう信じ、口出しはぐっと堪えて(笑)見守っています」
思い切ってオルタナティブスクールを選択し、"子育て移住"を実践した藤原さんでも、やはり不安になることはあると言います。どんな選択をしても、子育てに心配はつきもの。でも「子どもを信じて待つ」という覚悟が、藤原さんにはありました。
「もしあのまま東京にいたら、お受験や習い事、ほかの子の動向などの様々な情報を浴びて、親も子も迷うことが多かったかもしれません。実際、都会でお受験準備をしている友人の話を聞くと、『うちはこんなにのんびりでいいのか』と不安になることもあります。でも、そんな思いを吹き飛ばすほど、子どもたちがいい顔をしているんですよね。ノイズが少ない環境だからこそ、周囲に振り回されることなく、好きなこと、やりたいことに没頭させることができた。地方移住と自由教育のおかげで、私たち親が、子育てへの覚悟を決められたのかもしれませんね」
〈連載概要〉
第1回: 自由な教育を求めて、地方へ移住!【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル①】
第2回: 自然体験で"じぶん100%"の子育て【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル②】
第3回:「宿題ナシ」「塾ナシ」でも大丈夫!?【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル③】
第4回: オルタナティブ教育を選んだ親の覚悟【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル④】(本記事)
第5回: 10歳の息子はライフスキル高め!【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル⑤】