10歳の息子はライフスキル高め!【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル⑤】

Choice

自由な教育を求め“子育て移住”したリクルート卒ファミリー

名前
藤原佳奈
家族
4人家族(14歳の女の子と10歳の男の子)
所在地
山梨県
URL
藤原佳奈さんインスタグラム

誰も予想していなかった、新型コロナウイルスの流行。「Withコロナ」という概念も生まれ、都市集中型のライフスタイルに変化が起きている中、注目を集めているのが"子育て移住"です。ブライトチョイスでは、長女の小学校入学をきっかけに"自由な教育"を求めて山梨県へと移り住んだ藤原さんファミリーの"子育て移住"を、娘さんの教育を中心に4回にわたってお伝えしてきました。最終回は、ちょっと番外編。豊かな自然と共に暮らすライフスタイルを、10歳の長男を主役にお送りします。


移住のきっかけは、娘さんの「南アルプス子どもの村小・中学校」への入学でしたが、もともと自然に寄り添った暮らしを送りたかったという藤原さん。山梨の自宅は、人にも環境にもやさしい木の素材を使い、宮大工さんに依頼して建てたという一軒家。富士山を臨む大きな窓に、広々としたウッドデッキ、じぶんでデザインしたステンドグラス。極めつきは、山梨の寒い冬でもしっかりと家を温め、料理もできるという薪ストーブ! 子どもたちの食育にも一役買っています。

「最近では、10歳の息子が薪ストーブの番をしてくれるようになりました。忙しかった東京時代を思うと、家族揃って団欒できる今の日常がありがたいですね。また、お菓子作りに興味を持ち始めた息子に、コロナ休校中の"おやつ担当"をお願いしてみたら、意外なほどやる気をみせて。クックパッドやレシピ本を見ては、張り切って作ってくれました。息子はもともと、人を喜ばせるのが好きなタイプ。家族みんなの『美味しい!』に、やりがいや創意工夫の楽しさを感じたようです」

10歳にして、オリジナルレシピも生み出しているという息子さん。母の日には仲良しのお姉ちゃんと協力し、素敵なディナーを作ってくれたそう。
「母の日は、恒例の"ママは何もしなくていい日"です。以前は、がんばるお姉ちゃんを横目に漫画を読んでいた息子が、今年から戦力化(笑)。メニューの考案から片付けまで、全部2人でやってくれました。前菜に『牛肉とごぼうのリエット』が出てくるフレンチのコースに、びっくり!」(藤原さん)

食育が自然と身についているのは、お姉ちゃんと一緒に通う「南アルプス子どもの村小・中学校」の体験型授業の効果もあるようです。料理はもちろん、農作業や工作も、息子さんにとっては日常のひとコマ。3年間所属したプロジェクト「アート&クラフト」では、ウッドデッキや大型遊具までじぶんたちで作ったそう。コロナ休校中には、自宅で家庭菜園のための堆肥作りもしてくれました。既存の価値観が崩れゆく"Withコロナ"の時代にも、これだけのライフスキルがあれば、世界のどこにいても、強く生きていけそうです!

〈連載概要〉
第1回: 自由な教育を求めて、地方へ移住!【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル①】
第2回: 自然体験で"じぶん100%"の子育て【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル②】
第3回:「宿題ナシ」「塾ナシ」でも大丈夫!?【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル③】
第4回: オルタナティブ教育を選んだ親の覚悟【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル④】
第5回: 10歳の息子はライフスキル高め!【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル⑤】(本記事)

       
  • 息子さんが初めて作ったバナナケーキ

  • オリジナルレシピの蜂蜜塩大福

  • お寿司だって作ります!

          
  • いちごソースの豆乳プリン

  • 薪ストーブは息子さん担当

  • 子どもたちプロデュースの母の日ディナー

  • コロナ休校中、息子さんを自宅の“おやつ担当”に任命。初めてのお菓子作りはバナナケーキ! 初挑戦とは思えない完成度です。ほかにもスコーン、いちごジャム、いちご大福、プリン、フルーツサンド……。料理本やクックパッドを参考に、次々と作ってくれました。

  • 最近ではオリジナルレシピにも挑戦。写真はそのひとつ、蜂蜜塩大福。「超マイペースで“気が散るマン”だった息子も10歳になり、やると決めたことをやり遂げられるようになってきました。クリエイティブ作業に必要な根気も、少しずつ身についてきたようです」(藤原さん)

  • 人類の知恵を学ぶ「探究学舎」のオンライン講座で、魚の捌き方を学んだ息子さん。その経験を生かし、自宅では好物のお寿司を握ってくれました。

  • 乳製品アレルギーを持つお姉ちゃんも食べられるようにと作った、いちごたっぷりの豆乳プリン。息子さんの料理はいつも、目にもおいしい鮮やかなもの。美しい自然のなかで、感性も伸び伸びと育っている模様です。

  • 冬にはリビングを優しく温める、美しい佇まいの薪ストーブ。10歳になった息子さんには、火の番も任せられるようになりました。子どもたち2人で世話をしている猫の「雨」と「雲」も、気持ちいい空間でゴロゴロ。

  • 毎年、母の日に子どもたちが作ってくれるディナー。今年は、前菜のリエットに始まり、デザートまでのフルコース。子どもが作ってくれたアートなご飯においしいワイン、窓外には暮れなずむ美景。これ以上は望めない幸福な時間です。