「宿題ナシ」「塾ナシ」でも大丈夫!?【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル③】
自由な教育を求め“子育て移住”したリクルート卒ファミリー
- 名前
- 藤原佳奈
- 家族
- 4人家族(14歳の女の子と10歳の男の子)
- 所在地
- 山梨県
- URL
- 藤原佳奈さんインスタグラム
誰も予想していなかった、新型コロナウィルスの流行。「Withコロナ」という概念も生まれ、都市集中型のライフスタイルに変化が起きている中、注目を集めているのが"子育て移住"です。ブライトチョイスでは、長女の小学校入学をきっかけに"自由な教育"を求めて山梨県へと移り住んだ藤原さんファミリーの"子育て移住"を、5回連載でご紹介します。
藤原さんの子どもたちが通う「南アルプス子どもの村小学校・中学校」では、教科書を使わず、宿題はなし、塾通いも「自分の力を信じて欲しい」と推奨されていません。国語と算数は「かずとことば」、小学校の理科と社会は独立した科目ではなく、「プロジェクト」に内包されています。「成績なし、受験対策まったくなし」の環境。体験型授業で子どもの自主性が育つことを信じる一方で、親の不安はなかったのでしょうか。
「子どもの村の授業に決められた内容はなく、何をやりたいかを話し合いながら作っていきます。座学の授業が多い学校に比べ、自分の意見を持つ、相手を理解する、伝える、共感する、認める、というシーンが多いですね。そして、何を決める時でも、まずは話し合い。たとえば小6の修学旅行では『行くか、行かないか』に始まり、行き先、旅程、予算配分、宿の予約まで子どもが行います。自分の意見を持つこと必要とし、それを周囲と擦り合わせて実行に移すことを求められるので、娘は比較的"自走できる人間"に育っているように感じます。子どもの村の学びは、生きるエンジンと、何にワクワクするかのセンサーを育むもの。途中で失敗しても、時間はかかっても、この力があれば幸せな人生を作っていけるのかな、と思います」(藤原さん)
たしかに、この"自走力"さえあれば、人生のどんな場面も乗り切れる気がします。一方、賛同できる理念を持った教育の恩恵を受けてもなお、「不安はあった」と言う藤原さん。
「娘は、得手不得手の凹凸が激しく、好きなことに猛進できる一方で、周りが見えなくなるところがあります。また、恵まれた環境で自己受容が育まれている反面、ハングリーさや克己心がないようにも見えました。4年生くらいまでは『この調子で大丈夫なのか」と少し心配でしたが、高学年あたりで一気に成長が見え、『この子はきっと大丈夫』という信頼に変わっていきました。私自身、学校や子どもに育ててもらっている感覚です」
次回記事では、オルタナティブ教育、そして子育て移住を選んだ親の覚悟についてお伝えします。
〈連載概要〉
第1回: 自由な教育を求めて、地方へ移住!【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル①】
第2回: 南アルプス子どもの村小学校の自然体験で"じぶん100%"の子育て【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル②】
第3回:「宿題ナシ」「塾ナシ」でも大丈夫!?【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル③】(本記事)
第4回: オルタナティブ教育を選んだ親の覚悟【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル④】
第5回: 10歳の息子はライフスキル高め!【"子育て移住"と自由教育の理想とリアル⑤】