小学1年生でオランダ移住。公立小からインターナショナルスクールへ

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海外から渋谷教育学園渋谷中学高等学校、一橋大学へ①

名前
布施 唯/Yui Fuse
所在地
東京
お仕事
大手銀行員(法人営業職)
URL
渋谷教育学園渋谷中学高等学校(出身校)

インターナショナルスクール生 その後の進路:渋渋→国内大学編
親の転勤などに伴い、ある一定期間を海外のインターナショナルスクールで学び、帰国後に帰国生入試中学受験に挑む学生の数は、年々増加傾向にあるそうです。海外インターナショナルスクールに通った学生は、どのような対策をして中学受験に挑み、その後の人生を切り開いていくのでしょうか?

今回は、オランダから帰国後に中学受験にチャレンジし、渋谷教育学園渋谷中学高等学校に進学。そして一橋大学へと進んだ布施唯さんの中学・大学受験体験記をお伝えします。

2021年4月から新卒社会人としてのキャリアをスタートさせた布施さんは、小学1年生の秋、父親の海外転勤に伴い、両親と妹の一家4人でオランダに移住しました。

「移住前は都内の公立小学校に通っていたのですが、小学1年生の10月から家族でオランダに渡り、現地のインターナショナルスクールに通いました。インターナショナルスクールなので、当然、授業は英語で行われます。でも、当時の私はまったく英語が話せず、転校間もない頃は毎朝、泣いていたことを覚えています」

その後、日本人の友だちができたこともあり、徐々にインターナショナルスクールに馴染んでいったそうです。

「スクール後には習い事もたくさんしていました。ピアノにタップダンス、水泳、ガールスカウトなどを習っていたのですが、特に好きだったのは乗馬です。日本とは違い、オランダには馬場がいたるところにあります。自宅近所にあった現地の乗馬スクールでの週1回のレッスンが、楽しみで仕方ありませんでした」

つたないオランダ語でコミュニケーションを取りながら乗馬に夢中になった布施さんは、小学4年生になると、塾通いもスタートさせます。

「日本の大手進学塾『ena』で週に2回、国語と算数を習っていました。きっかけは私が住んでいたアムステルダムに『ena』がたまたま開校したことではありましたが、同時に、帰国後の中学受験の可能性を見越した母からの勧めでの通塾だったように思います」

ena』では夏期講習や冬期講習、ときには模試を受けることもあったそうです。それに加え、土曜日には現地の日本人学校に通い、国語、算数、社会の補修も受けていました。

「日本人学校の補修は、勉強のためというよりは、日本人の友だちに会いたくて通っていたように思います。『ena』には、帰国後の受験を見据えて通っている子と、日本の勉強のフォローのために通っている子のどちらのタイプの生徒もいたのですが、私自身は、どちらかというと受験勉強のために通塾していたように思います」

日本の私立中学校の帰国生入試では、英語、国語、算数の3科目を必須にしている学校が圧倒的に多いのが現実です。布施さんは、海外在住時から3科目受験の準備を始めていたことが功を奏したのかもしれません。

次回は、布施さんが帰国後に行った受験対策と中学受験の日々をお伝えします。


〈連載概要〉インターナショナルスクール生 その後の進路【渋渋→国内大学編】
第1回:小学1年生でオランダ移住。公立小からインターナショナルスクールへ(本記事)
第2回:小学6年生で帰国。日本で始めた「中学受験対策」と「志望校」
第3回: 渋谷教育学園渋谷中学高等学校の「帰国生英語」と「取り出し授業」
第4回:渋‌谷‌教‌育‌学‌園‌渋‌谷‌中‌学‌高‌等‌学‌校‌の‌名‌物‌行‌事‌「文‌化‌祭」‌と‌「部‌活‌動」‌
第5回:「校外研修」や「留学制度」...渋谷教育学園渋谷中学高等学校の特色
第6回:「塾いらず」は本当? 渋谷教育学園渋谷高等学校「大学受験」の実情
第7回:「英語」「学年通信」...渋谷教育学園渋谷高等学校の「大学受験フォロー」
第8回:一橋大学時代のシンガポールへの「インターン留学」と「就職活動」
第9回:一人生に大きな影響を与えた「渋谷教育学園の魅力」と「今後の夢」

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  • オランダの民族衣装で

  • オランダ時代の友人と再会

  • オランダには父親の仕事の都合で、布施さんが7歳、妹さんが5歳の頃に一家4人で移住しました。当初は英語がまったく話せず日本が恋しくもなったそうですが、数年もたつと、姉妹は英語で会話をすることも。大好きだった近所の乗馬スクールにも妹さんと一緒に通っていたそうです。

  • 布施さんが大学生になった夏に、オランダで一緒にインターナショナルスクールに通っていた友人が来日。布施さんと同じようにすでに日本に帰国していたオランダ時代の友人たちも東京に集まり、みんなで懐かしの再会をはたしました。