キャンプでは、子どもが主役!親は危険回避をサポートしよう。

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キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

名前
ヒャクタロウ / Hyakutaro
家族
4人(6歳の男の子、1歳の女の子)
所在地
東京都/山梨県甲府市
お仕事
キャンプインストラクター
URL
hyakutaro_Instagram
URL1
原点回帰オフィシャル

キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児


「◯◯ちゃん、それは危ないからだめ!」
「◯◯ちゃん、こうやってやるのよ! 貸してごらん」
「◯◯ちゃん、だめ! じっとして見てて!」

これは実際にキャンプ場でよく耳にする親御さんの言葉です。
気持ちはわかるのですが、親がキャンプで「教えよう」として、手や口を出しすぎるのは違うと思うのです。

親が手や口を出しすぎると、子どもたちは萎縮して、せっかく自分でやってみようとした気持ちが半減してしまいます。まあ、親からすればやってしまった方が早いし楽ですよね。でもそこはぐっと堪えて...。

以前、キャンプの基本は「火を操ること」と言いましたが、まず薪となる木や枝、松ぼっくりなどを探します。集めたら、火起こしします。そして使いやすいマッチやライターで火をつけます。(ちなみに私は火打ち石で火起こしを推奨しています。)

それらの火の点け方を教えればいいのですが...、おっと!親がやってしまいます。(子どもはやりたそうな顔をしてます)

さらにはコンロ。コンロの点火も...、おっと!親がやってしまいます。(せめてそれぐらいは子どもにやらせてあげて!)

そんなケースが多いんですね。

子どもたちは火が大好きです。もちろん点火した後の火や焚き火も好きですが、自分で火を起こしたという体験が大事なので、毎回とは言いませんが、キャンプに来て「火を起こす」ことを、ぜひ子どもと一緒にしたいですね!

また料理もそうですねえ。

普段、家庭内では子どもたちに包丁で野菜や肉などを切らせていないご家庭も多いと思います。
もちろん年齢によりますが、我が家では2歳から包丁で切るマネごとをして、3歳ではマイ包丁をプレゼントして、自分で野菜なんかを切ってもらっていました。初めて椎茸をサクサク切る子どもの笑顔が可愛くて動画で撮影しまくった思い出もあります。(もちろんヒヤヒヤで見守りますよ。)

アウトドアでは外で料理もするわけですから、オープンキッチンで誰もが料理に参加できる環境です。せっかくですから、ぜひ子どもと一緒に包丁やナイフを持たせて料理を楽しみたいですね!

ちなみに、たまに子どもが包丁で指を切ってしまうことがあります。これはキャンプインストラクター講習でも習うのですが、それには理由があるんです。

・ナイフや包丁の正しい持ち方を知らない。
・切れ味の悪いナイフや包丁である。

この2点のために手を切ってしまうことが多いのです。

きちんと持ち方を教えて、切れ味のいい包丁を持たせれば、子どもは喜んでどんどん野菜などを切ってお手伝いをしてくれます。子どもたちにとってはそれが楽しいんですよね~。

親が包丁を取り上げてそんな楽しい体験をさせてあげなかったら、それはもったいないことだと思うんです。

キャンプでは非日常を体験することを実践します。それがアウトドアの醍醐味ですし!
当然、非日常体験ですから「危険」もあります。その危険を知らないままでは危険回避すらできないまま成長してしまいます。

赤ちゃんは何百回と転んで、転ばずに歩けるようになります。だから大怪我、大事故にならないまでなら「危険」というものをあえて教えて、危険を避ける体験をさせる。キャンプでは、それが教えやすい環境なのでぜひ考えてみてくださいね!

では、具体的に親は何をすればいいのかというと...はい!そうです!見てあげるだけです。笑
サポート役に回ってあげるんです。そりゃあ、現実的にはキャンプ全部を子どもでやるなんて無理なので、せめて子どもとキャンプに行ったら「主役は子ども。親はサポーター」を意識してみて欲しいんです。

それが僕が考えるアウトドア育児のコアになるんです!

先ほど大怪我、大事故にならないまでなら、と言いましたが、キャンプでは「見えない」危険も多々あります。それらは子どもには見えませんから、当然それらを「予知」して、先周りしてその「危険」を回避してあげるのが親の大事な役目です。

例えば大雨が急に降ってきて川が増水して、取り残されるなんて事故が過去にありましたが、それは予知して、危険を回避していれば起こらなかった事故です。

眺望が最高なキャンプ場は、高台に位置するので崖などの危険地帯があるはずです。観光地なら柵や注意書きの看板がありますが、自然の中ではそれらがない場合もあります。なので、そういった場所には近寄らないといった「予知」は、子どもにはできないので、大人が「予知」して「危険」を回避する。

そうした危険については子どもに徹底的に教えてあげてください。

今回は親が手や口を出し過ぎちゃダメ!というテーマでお届けしました。
親が子どものことを心配するあまりの行動が、返って子どもをキャンプの意義から遠ざけてしまっているということ。私も日々反省しながらキャンプしています。

「どうしても子どものことが可愛い過ぎて、ついついやってしまうんですよ~」
よく分かります!
だからこそ信頼して放任するキャンプもいいかもしれませんよ!
「主役は子ども!」ですから。


〈ヒャクタロウさん連載〉
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

       
  • 薪ストーブのお当番

  • 薪割りのお手伝いも!

  • 登りたくなる木を見つけた!

          
  • 竹林を探検

  • 高いところから思い切ってジャンプ!

  • ただいま忍者の修行中

  • 息子が4歳の頃。薪ストーブで火の管理をしているところ。

  • 私が鉈で大きく割った薪を、手で細かく裂いてくれました。

  • ちょっと登りやすそうな大きな木を見つけて、さっそく登り始めたところ。危なすぎることはさせないけれど、このくらいは見守ります。

  • 山梨県の身延にあるキャンプ場付近の放置された竹林を子どもたちが探検。ちょっと目を離せばあっという間に迷子になりそうな場所、しかも先には崖もあったので、そばでしっかりと見守りながらついて行きました。

  • やる前から「危ない、ダメ!」と言うのではなく、地面の固さ、障害物がないかなどを確認した上で挑戦させます。どのくらいの高さからなら大丈夫か、子ども自身が感覚をつかめるようになるのです。

  • 自宅の庭の壁を利用して、忍者の修行を自主的に行っている息子(笑)。とはいえ、壁は5メートル程の高さがあり、手を離したら危険なので、注意しながら修行してもらいます。