究極のアウトドア育児「無人島サバイバルキャンプ」に家族3人で挑戦してみた話

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キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

名前
ヒャクタロウ / Hyakutaro
家族
4人(6歳の男の子、1歳の女の子)
所在地
東京都/山梨県甲府市
お仕事
キャンプインストラクター
URL
hyakutaro_Instagram
URL1
原点回帰オフィシャル

キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児


今回はアウトドア育児の中でも究極とも言える、無人島でのサバイバルキャンプをご紹介します。

初めて無人島に行ったのは3年前の2019年。
家族3人で行きました。
当時息子は3歳
ちょっと不安もあるにはあったのですが、貴重な体験ができるハズ!と思っての挑戦でした。

なぜ無人島に行こうと思ったのか?

その頃は毎週行っていた普通のキャンプに慣れて、飽きてきた頃で、単純にキャンプスキルも上がったし、兼ねてからのプチ夢でもあった無人島でファミリーキャンプをしてみたかったんですねー。

まずは無人島選び。これがもっとも大事な一歩でした。
その島の特徴で、装備や無人島生活がほぼ決まるからなんです。

日本の無人島の数は、国土交通省の資料によると6432もあり、その数にまずは驚愕!

どこにすれば良いねんっ!
と調べるうちに、長崎県・田島(たしま)で、無人島キャンプを主催する業者をネットで偶然見つけたのです。早速申し込みました。

時期は8月の夏休み。田島は40年程前までは人が住んでいた島。
電気・ガス・水道がなく、昔ながらの生活体験を通して「生きる」ことの楽しさ・厳しさを学べるのですが、無人島までは送迎してくれるというのが決め手でした。

とりあえず日程は3泊。
初めての無人島への持ち物は、以下のものを準備しました。

水20リットル(飲み水以外に使用)
水2リットルボトル×4本
お茶2リットルボトル×2本
テント
チェア
釣り道具
ナイフ
食器・調理用具類
お米
乾麺(うどん)
塩胡椒
味噌

などなど。

あ、焼酎1本もね笑。

無人島ではなんといっても、その島には私たちしかいないんだという、もうそれはそれはどデカい自由と開放感が感じられます!

一方で、何かあったらどうしようという不安と絶望感も混じります。
当時、子どもは3歳で小さかったため、当然、危険もつきまといます。最悪を考えての判断が必要になります。

いちばん気を遣ったのは、子どもから目を離さないことでした。とはいえ、魚釣りをしていたり、潜っていたりすると一瞬目を離してしまったことが何度か。すでに息子も潜って泳げる年齢だったのですが、そのことが逆に不安材料のひとつでした。

あとは火の扱い。普段の子連れキャンプでももちろん特に気をつけているポイントですが、火傷は怖いですし、無人島では助けもすぐに呼べないとわかっていたので、緊張感がありましたね。

ですが、そんな究極の状態だからこそ、家族で協力し合い、団結力が必然的に生まれたのです。喧嘩をしても、仲違いしたままだと、本能的に自分にも不利が生じると分かるんですね。

そして、ひとつひとつの行動に責任が生まれてきます。

飲み水も限られているため、蛇口をひねれば水が出る生活では想像もし得ない、ありがたみを否応なく感じさせられました。
あれが食べたいあれが飲みたいといったわがままを感じる以前に、水が飲めるだけで幸せって、本当に思うんです。

朝陽と夕陽は見たこともない色のグラデーション。
あぁ、手つかずの自然って、なんで、こんなに原色に色付いているんだろう......。

食糧は当たり前だけど現地調達。

釣りをして魚を釣って...笑
全然釣れませんでしたけどね。

なので、おかずなしのご飯と具なし味噌汁だけ。
塩味のうどんだけ。
卵焼きだけ。

まぁ、これでも、どんな高級レストランよりも美味しくありがたく感じたんですよねー 涙


朝起きて、スッポンポンでそのまま海へダイブ!

誰もいない幸せって、プライスレスー!

お風呂はドラム缶を利用しての五右衛門風呂。
これ、薪を集めるだけで2時間。
海水をバケツで溜めるだけで30分。
お湯を沸かすまで1時間。
お風呂入るだけで、夏の炎天下で午後半日ぐらい使うわ!

総じて、子どもには五感で自然を感じ、五感で不便を感じてもらう。
そして、普段の生活のありがたみを感じてもらう。
それが目的だったので、私たち夫婦には大満足の、初めての無人島サバイバルキャンプでした。

ちなみに息子は、すでにキャンプには慣れていたせいもあり、無人島の真っ暗な夜でもぐっすり寝てくれたし、この貴重な経験を目一杯楽しんでくれたと思います。

え? トイレやゴミの始末はどうしたのかって?

田島は無人島キャンプの主催の方々が整備してくださっていることもあり、トイレはあります。
ゴミは施設が整備されたキャンプ場以外でのキャンプのときはすべてそうですが、基本すべて持ち帰りですね。だからなるべくゴミを出さないよう、食べ残しや食器洗いなどの排水も極力少なくするように気をつけています。

そして、その2年後、息子が5歳の時。
今度はレベルをいっきに上げて、本当〜に何もない無人島に息子と2人でキャンプに行くことになるのでした...。

その話は次回!


〈ヒャクタロウさん連載〉
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

       
  • 澄んだ海、手つかずの自然が残るビーチ

  • 釣りの成果は…

  • 当時愛用していたテントを持参

          
  • 自然が織りなす色彩に家族で感動

  • 朝の風景も最高

  • 質素、でも最高の朝ご飯

  • 波も穏やかで、海水の透明度も抜群の海が最高でした!

  • 食料調達のため道具も持参して釣りをしたのですが、全然釣れませんでした。まさかの1匹だけ!

  • キャンプを始めた頃に愛用していたテントを持参。夏の海(島)だったので、装備は軽めで済みました。

  • なんだか今まで見たことがなかったような夕焼けや朝焼けのグラデーションカラーに家族皆で見とれました。

  • ほかのキャンパーがいない、まさに独占状態のキャンプで、聞こえてくるのは自然の音だけ。すがすがしい田島の朝でした。

  • 食材も限られていたため、ものすごく地味な食事を自炊しました。白米にシンプルなお味噌汁と卵焼き。でも無人島という環境にいると、これも特別なごちそうですし、家族で食のありがたみを感じました。