ファイヤーピットでキャンプ飯|小3息子お手製のビーフカレー!

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キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

名前
ヒャクタロウ / Hyakutaro
家族
4人(妻、8歳の男の子、3歳の女の子)
所在地
福岡県
お仕事
キャンプインストラクター
URL
hyakutaro_Instagram
URL1
原点回帰オフィシャル

キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

昨年末、冬休みを利用して、子どもたちと一緒に我が家の庭に「ファイヤーピット」を作りました。

ファイヤーピットとは、日本でいう「炉」のことで、屋外で穴を掘ったり、石やレンガなどを周りに敷き詰めて焚き火をする所ですが、なかなか自宅でそういった焚き火スペースはないので、キャンプでは焚き火の主流、焚き火台を使って焚き火します。種類も豊富でめちゃめちゃ色んなブランドから発売されていますね。

幸い、我が家の庭は田舎環境というのもあって、焚き火し放題なので常設のファイヤーピットを作ってみたのでした。

2025年お正月早々、それは大活躍! 暇さえあれば庭で焚き火を囲んで料理をするようになりました。

まあ、以前住んでいた山梨の自宅でもファイヤーピットは作ってはいたのですが、近隣の方への配慮もあり、思う存分に焚き火をすることはできませんでした。

以前も書きましたが、子どもたちにとって「火遊び」は無条件にテンションが上がります! ただ火で何かを燃やすだけで大はしゃぎするんです。

それは我々祖先の縄文人の記憶が呼び起こされるかのようです。

それに漏れずウチの子どもたち2人も、木を拾ってきたり、よく燃える草を刈ってきては庭の火で燃やして遊びまくってます。(何時間でも笑)

先日、そんな息子に言ってみました。

「ねえねえ、今日焚き火で何か作ってくれない?」
「え!いいよ。う~ん、何にしようかなあ~、じゃあ、『ビーフカレー』」

普段一切牛肉を食べない彼にしては意外な答えでしたが、急に食べたくなったのか、とにかくド定番のカレーでした!笑

そうと決まれば、食材の買い出しに一緒に行って、早速火起こしをして火遊びしながらですが、ディナーを作り始めました。

レシピは、ある程度アドバイスをします。牛肉に合う食材は何か、本を見たりして手順を事前に話し合っておきます。でもまだ料理の基本知識「さしすせそ」までは心底理解してません。でも分かっていなくても原理を教えます。肉に塩を振る理由、ダッチオーブンを予め温める必要性、カレールーなどの市販されている調味料を使わない理由などです。

焚き火料理でもっとも面白く且つ難しいのが、「火加減」です。

キッチンで料理をするとき、コンロのつまみを撚れば、火がつきますよね。回し加減で火加減なんて自由自在。IHなんてボタンで温度を変えられるから、それはもう夢のような便利さですね!

焚き火はそうはいきません!!!

まず、燃料である薪が必要です。しかもどのくらいの薪があれば足りるのか、予め用意する必要があります。火が弱くなってきてから薪を切ったり、買いに行っては料理ができませんから。ちなみに、以前パスタを茹でていて、薪が途中で切れて生っぽいフニャフニャのペペロンチーノを食べて大失敗したことも・・・泣。

そうです、薪です。薪や炭といった燃料が必要なんです!

薪や炭を用意して、強火、中火、弱火の調整を火自体で調整するんです。火力MAXでは大抵の料理は丸こげで食べられなくなっちゃう。

アウトドア料理では、水も薪も食材もそして時間も!すべて限られた中で行います。いわゆる失敗が許されないんです!色々逆算して段取りを組む必要があるんです。

まあ、みんなでワイワイのキャンプでは、子どもの失敗も可愛いもので、皆さん優しく食べてくれますけど、当然美味しく作りたいです。

今回のビーフカレーはダッチオーブンひとつですべて作るので、食材投入の順序が重要。まずはダッチオーブンを熱してプレヒートしておきます。そこにオリーブオイルを回して牛肉を炒めて、一旦取り出して、、、。

息子も順序を間違えることなく、順調にこなしていきますが、ここでハプニング!

「煙くて目が痛い!、もうやだ~!」

風が出てきたので焚き火の煙が、背が低い子どもに容赦なく吹きつけます。

でも素早く木べらで玉ねぎをかき混ぜないと焦げてしまいます。ニンニク、生姜も入ってます。うまく玉ねぎと絡まないと強火だからやばい・やばい。

そこで彼は突然言い出しました!

「そうだ!パパ!ガムテープ持ってくるから、鍋どかしといて!」

うん???

いきなり駆け出してノコギリで真横の木の枝を切り出して、木べらを切った枝の先端をガムテープでぐるぐる巻きに!

なるほど!!!Goog Idea!!!

背が低くて熱い鍋まで届きにくく、おまけに煙くてうまく鍋をかき混ぜられない息子は、新しいオリジナルの料理道具をその場で作ったんです。それからは、余裕、余裕。赤ワインを1本丸ごと入れて、カレーパウダーやお味噌など入れて更に煮詰めていきます。

煮詰めること1時間。ついにできました!

オリジナル「ビーフカレー」の完成です。

家族皆んなで乾杯して、さあ!いただきます!

お味?? そりゃあもう、世界中どこのカレーよりも美味しいビーフカレーでした!

ここで質問!

子どもたちがキャンプに行くと、なぜ定番中の定番でもあるカレーを作ってたべた時、口々に「お家で作るカレーより美味しい!」ってみんな言うのでしょうか?皆さんも聞いたことがあると思います。

その答えはカレー料理そのものにあるんだと思います。

キャンプで作るカレーは大抵具材がゴロゴロしていて、あの人参は僕が切ったんだ。あのジャガイモは私が炒めたんだ。なんて、みんな自分ごとに思える料理なんですよね。だから当然自分が作った料理として捉えることができて美味しく感じるんですね。

そういう原理からすると・・・。

そうです。やはり子どもたちとなるべく多く一緒に料理を作る機会を持って美味しく食べたいですね!

最後に。

焚き火を囲んで一緒にカレーを食べていると、息子がふと僕に言いました。

「パパ、僕分かったよ。いつもさ、パパがみんなに『熱いうちに早く食べて食べてっ!』って言うでしょ。その気持ち、こういう感じなんだね」

思わず無言で「うん」とだけ返してしまった。

アウトドア育児をしてきた僕にとっては、こんなに嬉しいことはない一言でした。


〈ヒャクタロウさん連載〉
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

       
  • 子どもと一緒にファイヤーピットづくり

  • 材料を切るのも子ども自身で

  • 牛肉の塊を食べやすい大きさにカット

          
  • 料理道具にも工夫を凝らして

  • ビーフカレーを家族皆でいただきます!

  • 庭に穴を掘り、石で穴の中の壁を補強し、地面にも石を敷き詰めていきます。

  • ファイヤーピットに火を起こしたら、材料の仕込みに取り掛かります。玉ねぎなどの野菜も自分でカット。

  • 今回の主役、牛肉の塊肉を食べやすいサイズにカットします。これも息子自身で作業。親は見守り役に徹します。

  • 食材を炒める木べらですが、子どもの手の長さだと使いづらく、焚き火の煙が直撃するということで、息子自ら考えて木の枝で補強しました。柄がこれだけ長ければ、火や煙からも離れることができるというグッドアイデア。

  • 息子がつくったビーフカレーを、家族皆で焚き火を囲みながらいただきます。本当に美味しくて、何よりのご馳走でした!