この冬五感を養うスキーに本格的に取り組み成長を見せた7歳の長男

キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児
- 名前
- ヒャクタロウ / Hyakutaro
- 家族
- 4人(7歳の男の子、1歳の女の子)
- 所在地
- 東京都/山梨県甲府市
- お仕事
- キャンプインストラクター
- URL
- hyakutaro_Instagram
- URL1
- 原点回帰オフィシャル
【キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児】
今年の我が家は冬の間はキャンプよりもスキーに入れ込んでいました。とくに7歳の長男は競技スキーに本格的に取り組むようになり、毎週のように我が家から近場(山梨や長野)のスキー場でスキー三昧。
僕は今まで冬のアウトドア育児はスキー!と書いてきました。
ほとんどの保護者の方々は
「できれば、なるべく回数多くスキーに行かせてやりたいけれど、結局シーズンに1、
2回行く程度で、、、」
「スキー場に行ったはいいが、子どもが嫌がってしまって、、、」
「子どもにうまく教えられない」
なんて意見が多いのではないでしょうか?
我が家もまったく同じです。上記すべて当てはまっていました。
僕も小学生の頃、親と一緒に年に1、2回行く程度だったので、ずっとほぼ初心者でした。だから子どもに上手く教えてあげられないという悩みもありました。
でも、気づけばこの冬、息子はスキー大会でもなんとか入賞するレベルに成長し、家族で驚いています!
そしてスキーを通して多くの必要な能力が身に着いたことに気づいたのです。
まずは、冒険心。スキーは当然傾斜面を滑っていくスポーツです。なだらかな坂から急斜面へと徐々に難易度を上げて滑走を繰り返すうちに、とりあえずチャレンジしてみるという度胸、そして冒険心が息子についてきました。
そしてゲレンデは平らに見えていても多くの段差や雪だまりや窪みなどの凹凸があって、一瞬一瞬で状況を自ら判断してそれらをかわしたり、乗り越えたりしなければなりません。結果、状況判断能力が高まるし、滑っているときにゲレンデ内にいる他のスキーヤーがどういう動きをしているか、自分と当たりはしないか、などの危険察知能力も身についていきました。
ほんと良いこと尽くしですね!
では、雪国の子どもでもないのに、どのように小1の息子がスキーにハマり、五感を養っていったのか?
僕が教えるほど上手くないので、当初からスキースクールに入れようとは決めていました。
午前中はスクールに入れて、午後は子どもと一緒に滑る、というスケジュールを組んで、スクール後、ひたすら一緒に滑った時に褒めまくりました!
「上手!」
「天才か!」ってね。笑
そして初心者コースを何度も滑って、「僕は滑れる」という実感・成功体験を増やしていきました。
また、これもポイントのひとつですが、一緒に滑れる同年代の子どもがいるファミリーと一緒に行くこともできる限り心がけました。友だちと一緒にスキーを滑るからそれ自体も面白いし、宿にチェックインしてからは、きゃっきゃきゃっきゃ、ずうっと楽しい!これが我々の作戦です。笑
枕投げとか追いかけっことか!
同じ宿で過ごすととにかく楽しいじゃないですか!修学旅行的な!
そういったスキーのほかにもスキーに行けば楽しいことがある、というものを作るのには苦心しました。
例えば息子が好きなおいしいものが食べられるとか、普段観ないアニメなんかを車内で観られるよ!とか笑
ちょっとご褒美的な何かもプラスしたのが長男には良かったみたいです。
また、僕自身が技術面ではあまりアドバイスできない分、すごくシンプルなことなのですが、精神的なサポートを心がけました。
子どもは正直でほんと単純です。
それを利用しない手はないと思ったのです。
例えば、Instagramで息子と同年代のスキーが上手な子どもを探して、スキー場までの車中、それを繰り返し見せるんです。
「今日はこの滑り方をやってみない?」
って感じで脳にすり込んでいきます。笑
それをゲレンデで実践してみて、iPhoneで撮って、さっきのInstagramの投稿と見比べて、
「できたじゃん!インスタの子より上手いんじゃない!?」
なんて具合で褒めちぎります。笑笑
それを何度も何度も実践しました。
本人は「できる!」という感覚の積み重ねで、面白いと感じて、徐々にスキーにハマっていきましたね。
そしてこれは特に心がけましたが、
絶対に同じ目線で一緒にスキーを学んでいく!
という姿勢です。
もちろん、体格から私の方がスピードが出て速く滑れるのは当たり前。
ですが、なるべく子どもより前に出て滑らないようにして、時にはわざと転んだり、競争して負けてみたりと、とにかく子どもがスキーを嫌にならないように、「お父さんも一緒に滑ってる! 僕と同じレベルぐらい!」と、思わせるようにしました。
結果、、、、、当然今はもうまったく敵いません! 汗
そして大きかったのが、ちょっと上の世代の子たちの影響。
たまたま息子とふたりでリフトに乗ろうとした時に、中学生のスキーレーサーっぽい子がシャーッと滑ってきて、一緒にリフトに乗ったことがありました。
僕が「かっこいいねえ!そのレーシングスーツって、寒くないの?そして、どっかのチームに所属してるの?」と聞くと、
「全然寒くないですよ!めっちゃスキーしやすいんですよ。で、チームに入るとめっちゃスキーも上手くなりますよ」
と教えてくれたんです。
帰宅後、早速いくつかのジュニアレーシングチームに問い合わせて、すぐに入会を決めました。
いざ入会してみると、メンバー全員が地元の子どもたち。平日もナイターで滑って休日は早朝からスキー三昧という、まさにスーパージュニアスキーレーサーのチームでした!
息子本人も圧倒的に違うスキーレベルにびっくりでしたが、負けず嫌いの性格が吉と出て、負けまいと練習に自ら励むようになっていきました。
たまたま入会したのが超ハイレベルなチームだったので、その中で競うことはなく(だってすごいチームメイトたちと入ったばかりの自分を比べてしまったら、自信喪失しちゃいますよね)、まずは大会に出ること自体を目標にし、さらに大会で入賞することをこの冬のゴールにしました。
とはいえチーム内の子どもたちが、表彰台を独占するようなチームなので、一緒に滑るうちに息子本人が勝手に、憧れの先輩のようになりたい!ってなるみたいで、自発的に個人目標を設定していったのが嬉しかったですね。
今までは、まだ小学1年生なので、周囲の子たちと競争するような環境がなかったのですが、息子本人に、明らかに競争意識が芽生えました。
今の時代、教育的にも競争心を助長するような時代ではないことは理解していますが、「絶対勝ちたい!」という気持ちを持つことは大事だと思いますし、成長過程で必要な要素だと思っています。
また、大会でミスをして負けてしまった時の悔しさも同時に大事で、「悔しい! 次は絶対ミスをしないようにする!」って言って、自分で坂道をダッシュして練習し始めたりするようになりました。
そんな成長を見ていて、僕もここまでやってきてよかったなぁと実感しています。
アウトドア育児は、とにかく自然の中で行うことですから必ずしも安全ではありません。スキーもそうです。
でも「安全ではない環境」=「危険も伴う状況」、で、練習・経験を重ねていくことで、冒険心だけでなく、注意力も備えた強い人間が育つのだと思っています。
「この子ならば、大丈夫」
「どんな環境下でもきっとやっていける」
こうした信頼を子どもに投げかけ続けたいと思います。
〈ヒャクタロウさん連載〉
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児