遊びと学びが盛りだくさん|イギリスのイースターホリデーの過ごし方

ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース
- 名前
- 秋元玲奈 / Rena Akimoto
- 家族
- 5人(5歳の男の子、1歳の双子の男の子)
- 所在地
- ロンドン
- お仕事
- フリーアナウンサー
- URL
- 秋元玲奈(@rena_akimoto)Instagram
- URL1
- Rena Akimoto Official Website
【ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース】
あっという間の5月です。
4月、イギリスはイースターに沸きました。 我が家にとっては初めてのイースターホリデー。
こちらでは自宅のガーデンなどに卵の形をしたおもちゃを隠し、子どもたちがそれを探すというエッグハントをイースターの時期に行うのが一般的ですが、ロンドン中心部だと大きな庭のある家が少ないのが現状。でも、その代わりに「スクエア」と呼ばれる、近隣の限られた住民のみが使える共有庭園が、住宅が立ち並ぶエリアの真ん中にあり、その広い芝生の上で、ウサギの耳をつけたり、イースター帽子をかぶって、バスケット片手にエッグハントをするというのがロンドナーおすすめの楽しみ方だそう。
我が家もお誘いを受け、友人のスクエアガーデンでエッグハントを楽しみました。遊具などはなく、季節の花々が咲きほこる、テニスコート4面分ほどの緑いっぱいの空間は貸切の公園のようで、住民しか入れないゲートが付いていて小さい子どもも自由に遊ばせられるのも安心です。ガーデンの中からあたりを見渡すと、これぞイギリスといった白いフラットが立ち並び、それらを眺めているだけでもとても優雅な気持ちになり、癒されます。
長男の学校のエッグハントも、学校が使用権利を持っているこうしたスクエアで行われ、日本だとなかなか経験できない、イギリス在住ならではのローカルなイースターの楽しみ方を満喫できました。
子どもの学校のイースターホリデーは2週間もあったので少しだけ遠出をし、ハンプトン・コート・パレスという、ロンドン中心地から離れたテムズ川沿いにある宮殿にも行ってみました。
日本だと京都御所のような歴史ある名所は厳かな雰囲気で、子連れで見学には行きづらいという印象がありますが、イギリスの宮殿やお城はとてもファミリーフレンドリーな場所です。敷地内には広大な庭園がいくつもあり、芝生が多いので我が家の1歳双子はのびのびと走り回っていました。
散歩コースだけでなく、遊具が充実した大きなプレイグラウンドもあり、イースターのアクティビティも行われていて、子どもたちにとって一日中楽しめる大人気スポットになっています。この日も沢山の家族連れで賑わっていました。もちろん宮殿の中もベビーカーで自由に見学できるので、チューダー朝の建築物や絵画、当時の王が住んでいた部屋などを見て回ることができ、子どもに歴史や文化に触れる機会を与えてくれるのも一石二鳥です。まだ歴史を勉強していない5歳の長男も、王様の部屋を見てみたい!と興味津々でした。
「遊びと学びがひとつの空間で一緒にできる」。こうした場所が沢山あるというのが、イギリスで子育てできて良かったなと思う理由のひとつでもあります。
ロンドンには科学博物館、車や電車の歴史を展示しているロンドン交通博物館、国立軍事博物館、英国郵便博物館など様々な博物館があるのですが、ほとんどのところは展示スペースとは別に、子どもが思いっきり遊べるプレイグラウンドのようなスペースを博物館内に作っています。初めは、科学なんてまだ興味がなく、プレイグラウンド目当てに通っていたのに、そのうち少しずつ展示物にも興味を持ち始め「宇宙のコーナーがみたい」と言い出すようになり、気がついたら自分で色々調べて太陽系の惑星を把握するようになっていたというのが我が家の長男の例。
日本のように博物館=学校の社会科見学のような勉強をするところではなく、博物館=遊べる、楽しいところ、という印象が強いので、こちらの子どもたちはみんな博物館が大好き。遊びを通じて色々なことを学んでいます。
日本で友だちと遊ぶというと、公園やテーマパークに出かけることが多いと思うのですが、長男の学校の友だちとのプレイデートの場所は、必ずと言っていいほど博物館というのもこちらに来て新鮮に感じました。 以前このコラムでお話しした「遊びと学びの境界線をなくす」イギリス流教育が、様々な施設にこうして表れているんですよね。
寒い間のお出かけは室内で楽しめる博物館に沢山お世話になりましたが、これからの季節はイングリッシュローズが咲き誇り、宮殿やお城の周辺がますます華やかになるそうなので、「家族でぶらっとお城巡り」が我が家の定番の休日の過ごし方になりそうです。
<秋元玲奈さん連載>
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