子どもに与えたい本当の「自由」。生活リズムと食育で安心感ある生活

Choice

「わたしはわたし」自尊心を育む子育て

名前
浅倉利衣 / Rie Asakura
家族
4人 (8歳と5歳の女の子)
所在地
東京都
お仕事
コラムニスト
URL
Rie Asakura (@rie_asakura) Instagram

子どもの自由意志を尊重すると同時に大切にしていることがあります。
それは、「制限」や「秩序」を守ることです。

「制限」とは、自由はここまでだよという範囲を見せること。つまり、自分、そしてほかの人や環境を傷つけてはいけないということであり、子どもに安心感を与える枠組みでもあります。
「秩序」とは、子どもが成長や発達のためのエネルギーを最高の状態で使えるよう、いつもの日課や生活リズムといった暮らす環境を整えることです。

たとえば、生活リズム。
昔に比べて、いつでも煌々と明るく照らす照明がある現代。いつ眠るか、といったことすら自分たちで決めなくてはいけないのですから、現代人はむしろ自由すぎて大変です。昼夜のボーダーレス化は大人たちの健康も害しているぐらいですから、意志の土台となるからだづくりがメインの子どもたちにとって、生活リズムを意識的に整えるということはとても大切。夜更かしすると大抵、翌朝寝起きが悪かったり、午前中ずっとグズったりして、集中力や遊びや活動の意欲さえ低下します。でもそれは大人も同じですよね。夜更かしは明日の生命エネルギーの前借り。

生活リズムとは、ルーティーンをつくること。
毎日決まった時間に起きて、決まった時間に食べて、決まった時間に通園・通学、決まった時間に就寝。
基本的な生活体験がルーティーンとなって、子どもの中にリズムが生まれると、子どもの生きる能力が育ち、それを通して、世界への関心、知性、集中力、あるいは創造的な能力も発達していくといわれています。
また、毎日決まったルーティーンがあると、安心して生活を送ることができます。そして、安心感があるからこそ新しいことに挑戦できたりするようにもなります。

我が家のルーティーンはというと、
就寝時間は21時なのですが、大体夕方頃から照明をダウンライトに切り替えます。
夕飯を家族皆で食べた後は少し団欒し、お風呂へ。バスタブには、副交感神経を促す作用のあるラベンダーやローマンカモミールなどの精油を数滴垂らします。寝具に少しつけておくことも。旅行先などいつもと違う場所や時間の流れの中だと子どもは興奮しやすいですが、こういった馴染みのある香りがあるだけで落ち着くので、出かける際も持参します。

それから、食。
大量生産が当たり前になった現代。便利なシステムの裏では、不必要な添加物や農薬もたくさん使われるようになりました。とはいえ、現代においてその全てを排除するのは難しいし、子どもが友達と遊ぶようになってきたらお菓子を通した友達付き合いもありますから、全てにおいてNoとは言っていません。ただ、家ではジャンクなお菓子はなるべく避け、大切な味覚形成時期を守っています。

"You are what you eat"という言葉があるように、食べたものがわたしになる。
普段の食卓においても、なるべく無農薬の野菜を選ぶとか、本来の原材料のみで作られた天然醸造の基本調味料を使うなどして、本来の味を知り、そしてもともと自身に備わっている自然治癒力を高めることを意識しています。一応、発酵食スペシャリストの資格も保有しており、醤油・みりん・酢・料理酒といった身近な発酵食品についても楽天ルームで紹介しているので、もしご興味があれば参考までに覗いてみてください。
https://room.rakuten.co.jp/rietokyo_/items

もちろん健康のためもありますが、天然醸造のものは、職人の方々の手間と愛情がかけられている分コクや旨味、深みが全く違うので、なにより美味しい。だから余計な調味料も不要になる。それに、古来からの作り方は地球を汚染していないので、人間の健康は地球の健康に繋がっていることもわかる。本物はとてもシンプルで、"Less is more"とはこのこと。

本当に「自由」な人間は、外からの規制に頼らず、内なる力で自分をコントロールできる人間だと思います。
そのためには強い意志の力が必要。意志の土台となる健康的なからだづくり、そしていずれ自分自身で食の取捨選択や生活リズムを整え自分を大切にできるように、今後も秩序のある暮らしの環境づくりや食環境を整えてあげたいですね。

〈浅倉利衣さん連載〉
「わたしはわたし」自尊心を育む子育て

       
  • お気に入りのこども庖丁

  • 食のお手伝いで人生の基礎づくり

  • Seed to table

          
  • 脚力、跳力、運動感覚、平衡感覚。

  • いつもの日課は精油と共に。

  • 昨年釜浅商店で購入しました。三徳包丁より少し小さい大きさで、切れ味も程よく必要以上に力まずに食材を切ることができるため、娘たちも使いやすそうです。大人になったらペティナイフとしても使えるので、手入れしながら長く大切に使えますようにとそれぞれの包丁に名入れもしました。

  • 一つ前の写真のこども包丁を使いながら夕飯のお手伝い。玉ねぎの皮は他の野菜の皮と一緒にベジブロスにして、ポトフやカレーに。その後はコンポストし、家の中で「いのちの循環」を学びます。やはり、言葉だけでなく実体験でこそ、理屈ではない生きた学びになるなと感じています。

  • コンポストの堆肥も加えて種から育てたパクチーは元気いっぱいに育ちました。いよいよ収穫し、ダディがワカモレとサルサソースを作ってくれました。いのちのサイクルのプロセスを目撃すると一層感謝の気持ちも募り、一段と美味しく感じます。

  • チョークで好きなように線を書いてケンケンパ遊び。一見なんでもない遊びのように見えて、平衡感覚と運動感覚をセットで養ってくれます。身体の軸がしっかりしてくることは、心の軸もしっかりする土台を作ることになる。特に幼少期は、自由に体を動かす体験や遊び、大切にしたいものです。

  • 昼夜の境をしっかりと守ってあげることを大切にしています。夜はラベンダーの精油をバスタブに入れたり、寝具に少しつけて、ぐっすり眠れる環境を作っています。興奮しやすい旅行中もいつもの香りで安心しやすくなる他、火傷や切り傷の処置にも良いので、常に持ち歩いています。