カナダ留学中に家族旅行&ボランティアで感じた「万国共通・子育ての悩み」

カナダに「教育移住」した私の「母子留学つれづれ日記」
- 名前
- 高田さおり
- 家族
- 4人家族(14歳と11歳の男の子)
- 所在地
- カナダ・ブリティッシュコロンビア州
- お仕事
- Study & Stay代表
- URL
- Study & Stay Instagram
【カナダに「教育移住」した私の「母子留学つれづれ日記」】
前回お話ししたように、私たち親子のカナダでの生活は、平日は学校とプールの往復、週末は水泳大会に日本語の補習授業......と、せっかくカナダへ来ているのに観光する余裕もなく、日々の生活に追われっぱなし。
コロナによる制約もあるなかでの母子留学のスタートだったのですが、昨年9月からは、カナダ政府が認めたワクチンを2回接種、かつ2週間経過していれば、海外からもカナダに入国できるようになり、国内移動や空港も活気づいてきました。そこで、「そろそろどこか自然を味わえる所へ行きたいな」と思っていた矢先、たまたま私の両親が日本から遊びに来ることになり、一緒に旅行に出掛けることになったのです。
行先は2010年バンクーバー冬季オリンピック会場になった、北米最大級のスキーリゾート地・ウィスラーです。車でバンクーバーを抜けて壮大な雪山と海を眺めながら岩肌が聳え立つスコーミッシュを通り過ぎること、約2時間でウィスラーに。シャレー風の家屋や山岳リゾートに相応しい4つ星や5つ星ホテルが立ち並ぶウィスター・ヴィレッジ。その中でも、前から気になっていた「フォーシーズンズ・リゾート・ウィスラー」に宿泊。5つ星ホテルのゴージャスな雰囲気は小6男子にも伝わるようで、テンションが高くなっていました(笑)。
到着後、夕飯までの間はホテルの屋外にある温水プール・ジャグジー・サウナでのんびり。いつもはハードな練習で泳いでいる息子も、この時ばかりはリラックスした表情でサウナやプールを満喫していました。
ディナーはホテルから車で5分ほど離れた所にある、「マリオット・ウィスラー・ビレッジ」の「Hy's Steakhouse」で。世界屈指のリゾート地の有名なレストランだからか、こんな山奥にも日本人の方が働いており、日本語でオーダーできるのがとても新鮮でした。
実はこの時、子供に学校を1日お休みさせて旅行へ行ったのですが、先生の反応に「さすがカナダ!」と思った出来事が。「息子の祖父母と旅行に行くためお休みします」と伝えたメールに「Wow!!! Whistler sounds like a fabulous weekend!!! Enjoy!」との返信がきたのです。
そもそも私が、「ウィスラーへ出掛けるから学校を休みます」と伝える事も、カナダの学校だからできた事です。先生からの「楽しんできてね!」という気持ちや快く送り出してくれる雰囲気が嬉しく、おかげで罪悪感なく、息子も私も久しぶりに家族と過ごすカナダ時間をエンジョイできました。
他にも、週末に行われる息子たちの水泳大会に、私がボランティアとして参加したこともありました。
息子が所属するHyack swim clubでは、保護者はYouTubeによるライヴ配信で大会を観戦するしかなかったのですが、ようやく今年4月からは親も試合会場に入場することが可能になりました。そんなある時、息子のチームがホストとなる大会で人手が足りないという事で、私も初めて「Clerk of Course」というレース出場者の調整やプログラムを渡す役割のボランティアをする事になったのです。
会場に朝6時入りし、そこから7時間はずっと机に座ってお手伝いです。チームのポロシャツに着替えてPCの操作説明を受けていたら、他のボランティアのママがコーヒーとサンドイッチの差し入れをしてくれました。1時間半後には、今度はチョコケーキとマフィンを配ってくれ、まだ何もやっていないのに至れり尽くせり(笑)。
私の知る限り、BC州は特にアジア(中国・台湾・香港・韓国)からの移民が多いからか、習い事に熱心な方はほぼこれらの国かロシアの方です。うちのチームでも日本人はとてもマイナーなため、私はこの日、ほとんどの方から中国語で話しかけられました。ただ、「日本人です」と答えるとすぐに英語で話してくれて、あるお母様とは「アジア圏の子ども供達が抱える受験勉強の大変さと放課後の忙しさ」など、同じ悩みを抱える保護者同士、子育てトークも出来ました。
初ボランティアで大会のこともよく分からない私に、周りの保護者の方は優しく教えてくれた上に、息子のレースになると「応援してきて」と席まで代わってくれました。思えばこの親御さんたちも早朝5時台からの朝練や夕方の練習送迎、週末も朝早くから大会に付き添っている、いわば同士。お互い生まれた国は違えど、子どもを想う気持ちや、その子の未来が明るくハッピーなものになるよう願う気持ちは同じです。
留学先にカナダを選び、生活していく中で、こんなことを感じることのできた、私にとっても貴重な時間となりました。
〈高田さおりさん連載〉
カナダに「教育移住」した私の「母子留学つれづれ日記」