国際バカロレアでも必須!アート教育は「世界で活躍するための素養」

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「ピアノで学ぶ」アート教育論②

名前
武村 八重子
お仕事
ピアニスト&作曲家
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武村 八重子 プロフィール
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Official Instagram(@piano_yae)
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Otokana (武村メソッドレッスン)
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MuTiA (武村八重子プロデュース若手演奏家育成プロジェクト)

「子どもには憧れる力がある」ピアニスト武村八重子さんのアート教育論

近年、子どもの個性や心を育む情操教育への関心がますます高まりをみせています。情操教育の代表格ともいえる音楽教育のなかでも、特に人気の高いピアノの習い事は、音楽的感性を養い、演奏スキルが身に付くだけでなく、目標を達成する力や、困難に直面したときの解決能力といった、子どもたちの「生きる力」を育むベースにもなるようです。

そこで今回は、「情操教育は、人間が生きていく上で根本的に必要な教育」との信念のもと、脳科学に基づくオリジナルのピアノレッスン「武村メソッド」の主催者としても話題のピアニスト・武村八重子さんにお話を伺っていきます。

武村さんのもとで学んだ子どもたちのなかには、音楽の枠組みを超え、海外進学をはたす子どもたちも多いそう。

「私の教え子でプロの音楽家を目指している生徒は2割ほど。それ以上に、海外の学校へと進む生徒が多いんです。スイスやシンガポールのボーディングスクールに進学した子や、イギリスアメリカの大学に進んだ教え子もいます」(武村さん、以下同)

また、国際バカロレア(IB)を取得する際の「芸術プログラム」で音楽を選択し、優秀な成績を収めてきた教え子たちも。

IBのミュージックのプログラムは、たんに演奏技術が問われるわけではありません。譜面を読み込み、その歴史的背景を考察する力や、与えられたテーマごとに曲をアレンジできるクリエイティブ力が試されます。音楽への総合的な理解力が問われる難解なプログラムなのですが、教え子たちのなかには、限りなく満点の7点に近い成績を収めている子も少なくありません」

国際バカロレアやリベラルアーツでも必須の「芸術プログラム」は、世界の共通言語だともいえるでしょう。また、教養としての側面だけでなく、アートの素養は「世界の舞台で外国人と対等に生きていくためにも必須」なのだと武村さんは語ります。

「私自身、ウィーンに留学中のさまざま場面で実感したのですが、たとえば言葉が通じなくても、楽器を奏でた瞬間に相手に認めてもらえる、なんて場面も海外では多々。言語に自信がなくても、楽器を弾くことができれば相手に対等に見てもらうことができますし、意見も聞いてもらえる。世界の人々と対等に渡り合っていくための切符を手に入れることができる1つの手段が、楽器なのだと思います」

アジアンヘイトなどの差別問題がこれまで以上に顕著になっている昨今、英語以外の共通言語を以って自己表現することへの必要性が、これまで以上に重要視されているようにも感じられるのです。

次回は、そんな武村さんとピアノとの出会いや、彼女の人生に影響を与えた恩師の言葉などをご紹介していきます。


〈連載概要〉
「子どもには憧れる力がある」ピアニスト武村八重子さんのアート教育論
第1回:開成中学校でも実践される「ピアノレッスン」 のメリットとは?
第2回:国際バカロレアでも必須! アート教育は「世界で活躍するための素養」(本記事)
第3回:2歳半からの英才教育... 私を救った「恩師の言葉」と「母の教え」
第4回:ピアノが嫌いでもいい! 「憧れ」が最大のモチベーション
第5回:感性を育てる情操教育で「個性を武器」に 世界を見据える

〈関連記事〉アートで広がる子どもの未来!音楽教育が子どもたちにもたらす効果とは?

       
  • 海外での演奏

  • スイスのバーゼルにて

  • 海外進学をはたした生徒も

          
  • 「ショパン国際フェスティバ」に出演後、ショパン国際協会の会長との1枚。海外で演奏する時は着物を着ることが多く、着付けは母にお願いしていました。

  • ウィーン留学時代には近隣諸国に旅行に出かけたことも。これは、休日に羽を伸ばしてスイスのバーゼルに遊びに行った時の1枚。

  • 向かって左の彼は、5歳の頃から今も帰国の度にレッスンをしている生徒です。12歳からスイスのエイグロンに留学し、昨年、無事に世界有数の難関校であるロンドン大学に合格しました。