想像力と創造力を育むサポート。これから更に大切にしたい教育とは。

Choice

「わたしはわたし」自尊心を育む子育て

名前
浅倉利衣 / Rie Asakura
家族
4人 (7歳と5歳の女の子)
所在地
東京都港区
お仕事
ライフスタイルプロデューサー
URL
Rie Asakura (@rie_asakura) Instagram

冬至を境に、「風」という新時代への幕開けへ。

星読みでもこぞって、2020年はかつてないほど大きな転換期で、220年ぶりに次の時代である「風の時代」へと移り変わる、といわれていますよね。
たしかに、コロナをきっかけに、価値観がガラッと変わったり、本当に大切にしたいことなどがよりくっきり浮かび上がったという友人知人も周りにたくさんいたり。私自身も、初回記事でも書いたように、今までの固定観念がガラガラと崩れていき、そしてなんとなく当たり前に捉えていたひとつひとつを今の自分の意識に塗り替えていった時に、自分の、家族のニューノーマルがくっきりと浮かび上がってきました。
実際に個人レベルでも大きな変化を体験してしまうと、宇宙の真理には逆らえないというか、人間も宇宙のリズムと一緒なんだなと感じてしまうほどです。

子育てや教育に関していうと、個人的に今後更に大切にしていきたいと感じている事は、
想像力と創造力を育むサポートをする」ということ。

そのために今、現在進行形で学んでいるオルタナティブ教育や、注目していること、また、我が家で大切にしている活動等を、今回ご紹介できればと思います。


1. ミッチェル・レズニックの「Lifelong Kindergarten/生涯幼稚園」
第4回目のコラムで、聖心女子大学教育学の永田佳之先生についてご紹介しましたが、永田先生がこれからの時代更に必要だとお勧めしていたのが、ミッチェル・レズニックの「Lifelong Kindergarten/生涯幼稚園」(注1)という教育論です。
レズニック氏は米MITメディアラボ教授で、今までの「知識こそが成功の鍵」と言われていた知識社会から、より創造的思考が今まで以上に重要になってくるとおっしゃっています。

色々なインタビューの中で心に響く言葉がたくさんあったのですが、特に興味深かったのは、

創造性は、誰かに伝達できるものではありません。
創造的になる方法を教えることはできませんが、創造性を育んだり、創造性を支援したりすることはできます。
それはエンジニアがビルをつくるのとは対照的で、植物の成長を世話する農家のようなものと捉えるのが良いでしょう。
保護者や先生の役割は、子どもたちが創造的な力や可能性を開拓するための支援をすることだと思います」

という言葉。

私自身も休校を機に家庭菜園を始めて、観察の大切さ、適切なサポートとは、子育てって植物や野菜を育てるのと似ている?なんて思っていたものですから、首がもげそうなぐらいブンブン縦に振りながらインタビュー記事を読んでいました(笑)

同氏はまた、発想・想像力(Imagine)を育むことがいかに大切かなどもロジカルに語られています。ミッチェル・レズニックで検索すると色々なインタビュー記事が出てくるので、もし興味を持たれたらぜひ読んでみてください。


2. シュタイナー教育
休校をきっかけに今までの固定観念もいったん破壊され、また組み直していく段階で気になり始めたシュタイナー。モンテッソーリと共に注目のオルタナティブ教育として紹介されることが多い哲学。気になり始めると導かれるもので、現在ドイツ在住の先生のオンラインレッスンを受講しています。

シュタイナー教育は、ざっくり言うと、知的な学習を行う早期教育ばかりで無理に脳を作り上げるのではなく、自然との関わりや芸術を通して感性を磨くことをより大切にしています。それが結果的に、枠にとらわれず、自由な発想や創造力を養うことに繋がるとしています。

また、シュタイナー教育で興味深い点は、子どもの教育だけではなく、大人の自己教育も大切にしているところ。結局「子どもは大人を見て育つ」ということです。確かに、、、。 なので、レッスンを受けながら、たくさんディスカッションをしながら、ものすごく自分自身の学びにもなっています。

そして、そのレッスンの中でも先生はレズニック氏と同じようなことをおっしゃっていました。
「親は園芸家のように。よく観察して、その子が本来持っている力を引き出してあげること。あれやこれや余計なものを足す教育ではなく引き出す教育。ただ安心して伸び伸び育っていける環境を提供すること」。

さらに、先生は以下のようなこともおっしゃっていました。
「その子がどんな特性があるか、何を必要としているかは、よく観察していればわかる」「そして親はまず内なる声に耳を傾け、自分自身を整えること」
こういった内容、私は自分の実体験を通して、すごくストーンと腑に落ちるんです。

オンラインレッスンでは、シュタイナー教育の学校に通わずとも、その哲学や普段の生活でできるコトなどもシェアしてくれているのですが、回を重ねる毎に感じるのは、身近なところに豊かさを感じたり、なんというか、俯瞰して物事を見ることができて、すごく楽な気持ちで子育てに向き合えるようになるということ。そして子ども達もより穏やかに、ありのままで伸び伸びしているということ。もちろん感じ方は人それぞれですが、全てではなくともエッセンスを少し取り入れるだけで違うなぁと実感しているので、いつかそういったことも必要としている方にシェアできたらなぁなんて思っています。


3. 児童養護施設へのチャリティープロジェクト
信頼する友人2人と共に、先月『tetote』というプロジェクトを立ち上げました。
手と手を繋いで、社会の中で繋がりを感じて、あたたかいコミュニティを創っていくイメージです。
プロジェクト第一弾は、児童養護施設に住む127人の子ども達にクリスマスプレゼントを届ける企画で、127人のサンタクロースを募集し、そのサンタさん達と共に現在やりとりの真っ最中です。本コラムがアップされる頃には、プレゼントされた方もした方もあたたかい気持ちに包まれ、幸せなクリスマスを迎えていることを願いながら書いています。

児童養護施設にまつわる貧困や児童虐待などの問題も、まだまだリサーチや学びが必要ですが、これらは決して他人事ではなく、社会の問題と私たちは捉えていて、自分たちなりにどう伝えていけばよいか、どうアクションを起こしていけばいいかを日々話し合っています。

時代が進む中で、核家族、共同体から個、分散分断により見えづらくなってきた問題はたくさんあって、知らないことが本当に多いんだなと気づかされます。

また、サンタブロジェクトを通して、たくさんの人たちのあたたかい愛や想いに触れながら、「知りさえすれば、きっかけさえあれば行動に移しやすくなるのかもしれない」とも感じています。
ある友人は、サンタプロジェクトを通して、「我が子にとっても素晴らしい体験教育にもなった」とも伝えてくれました。

表面的な事実だけを見て誰かを批判したりジャッジするのは簡単ですが、自分が知る由もない物事の背景にどんなストーリーがあるのか。全てを理解できなくても、想像力をふくらませて誰かを思いやるということはできる。想像力って偉大ですね。
そんなことを子育てにおいてもより大切にしたくて、我が子にも背中で伝えていきたくて、ライフワークとして、無理なく永く続けていきたいと思っています。

関心を持たれた方は是非 Instagram @tetote_japan をチェックしてくださいね。

〈浅倉利衣さん連載〉
「わたしはわたし」自尊心を育む子育て

       
  • The New York Timesでもベストセラーになった本。

  • コラムでも度々紹介している家庭菜園。

  • いよいよ手作り味噌寒仕込みスタート。

          
  • チャリティーをライフワークにしたいと思ったきっかけ。

  • Love, Appreciation, Compassion, Connection.

  • 夫が読んでいて面白そうだったので私も少しずつ読み始めました。これからの時代ますます重要になってくる右脳について科学的に説明していたり、左脳だけ鍛える教育社会では限界がある、それは何故か、その例等、切り口がとても面白く、グイグイ読んでしまいます。英語の勉強にも!

  • 11月初旬に種を植えた小松菜。冬野菜はゆっくりゆっくり。でも確かに力強く成長しています。それぞれの野菜やハーブの特性等をじっくり観察しながらサポートしていく過程は、やはり子育てと同じなんだろうなぁと思わざるをえません。

  • 毎年味噌は手作りで作っています。こちらは昨年家族で作った時の写真。今年も少しずつ作り始めました。発酵食品って、自分で作るのが一番美味しい。外では除菌せざるを得ない状況下だからこそ、体の内側はますます菌トレして、自然治癒力を高めていきたいですね。

  • 昨年正月明けに、親戚からたくさん貰ったはねだしのりんごを、家族でお寺に届けに行きました。「おてらおやつクラブ」という特定非営利活動法人で、貧困問題に胸を痛めた僧侶が、全国のお寺に集まる食べきれないほどの品物を、貧困にあえぐ子どもや家庭に届けられないかと考えたのが始まり。

  • 『tetote』のサンタプロジェクト。写真見出しにも書いた「愛、感謝、思いやり、繋がり」。
    この活動を通して、そういった気持ちや想いの循環がより社会に拡がるといいなとチーム一同願っています。また、子育てにおいても改めて大切にしたいと思っていることです。