性教育はいつから始める?正しい知識は健全な自己受容に繋がる。

「わたしはわたし」自尊心を育む子育て
- 名前
- 浅倉利衣 / Rie Asakura
- 家族
- 4人 (8歳と5歳の女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- ライフスタイルプロデューサー
- URL
- Rie Asakura (@rie_asakura) Instagram
「ねぇ、なんでママのおっぱいはふくらんでるの?」
もうすぐ8歳になる長女と5歳 の次女は、お風呂に一緒に入ると、からだの不思議について色々質問を投げかけてくるようになりました。そして私も、本を参考にしながら少しずつ正しい知識と共に答えています。
おとなとのからだの違い、パパや兄弟といった異性のからだとの違いに気づき、不思議に思うことはごく自然なことですよね。
でも、「性」についての質問になると、なんてこたえたらいいのかわからない、又はとっさにごまかしてしまうという経験ってありませんか。
それって、私たちも親にごまかされたり、はっきり教えてもらったことがないからだと思います。
なぜ隠そうとしたりごまかしてしまうんでしょうね。
やはりこれも、前回の記事のアンコンシャス・バイアスと似ているかと思います。
「まだ教えるには早い」と思ってしまう意識の裏には、いやらしいこと、淫らなこと、恥ずかしいことという偏見や、そんなに早く性に目覚められたら困るという不安が、無意識のうちに受け継がれていたからだと思うんですよね。
でも、ちょっと視点を変えてみるとどうでしょうか。
例えば、映画やドラマなどで愛する性交渉のシーンになると途端に気まずくなってそういうものは子どもたちに見せないようにするのに、暴力シーンや殺人シーンはアニメやゲームでもあってそれは容認する。
前者は人間の自然な性質で、後者は犯罪。いろいろ改めて見つめ直してみると、うーん、世の中は不思議なことでいっぱい(笑)
今回のタイトルにも、連載を通しても書いていることですが、
自己受容、自尊心を育む上で、経験上私がなによりも大切にしていることは、「自然な感情や欲求を否定しない」ことです。それをいったん自分でしっかり受けとめてあげることから、自己肯定感は育まれるのだと思っています。
「悲しみ」という感情を例に挙げると、悲しい時は悲しんでいいんだよ、と言われて育った子どもは、その湧きあがってくる悲しみの感情も健全だと思えて、早く悲しみから抜け出せると思うんです。
例えば、「男の子なんだからめそめそ泣くな」と言われた子どもは、泣くなと言われて育ったから、大人になって泣きたい時苦しい思いをする。自分の感情を抑圧してしまうという、とても不自然な行為に繋がることになる。抑圧され続けた悲しみは、精神的な苦しみを引き起こす、、。
今、「自己肯定感を高めるには」という記事や本をあらゆるところで目にしますが、自己肯定感が低くなる大きな理由の一つに「抑圧」があると思っています。そして、性にまつわる感情に対しての大人の対応も、抑圧のようなもの。悲しみも怒りも不安も性に対する感情も一緒。全てつながっていると思います。
自然な感覚を受けいれて正しい知識を教えるのではなく、隠そうとしたり抑圧する。子ども本人が感じる感覚よりも、親が教えることが正解で、それがベースで形成されていく。だから、そこに不自然さが生まれていくんでしょうね。
ましてや、性欲は、代表的三大欲求の一つ。
睡眠欲や食欲と同じで、自然な本能・性質なのだから、子どもが興味をもった時、不思議だと思って聞いてきた時がむしろ正しい知識を教えるチャンスだと思います。
幼い子どもたちは、身体器官全てに対してなんのジャッジもなく聞いてくるのに、親が身体器官の一部の正しい名前を口にせずごまかしたり、「そんな言葉はまだ言ってはダメ」と言ったら、子どもは「言ってはいけないことなんだ」と禁句のような印象が宿るはずですよね。それは多くの私たちがそうであったように。
また、自分のからだに変化が起きる前に、これから起きる変化について知っておくことは、安心感にも繋がると思うんですよね。自分のからだの仕組みを知ることで、もっと自分のからだが愛おしくさえ感じるのではないかなとも思います。そして、いのちの成り立ちの仕組みも知ることで、奇跡が重なって生まれてきたのだということを実感したり、もっと自分のからだを大切にしようと気持ちも自然と湧き上がるのではないかな。
性教育はいつから始める?
我が家の場合は、子どもが疑問に思ったり不思議に思って素直に聞いてきた時。
とはいえ、最初はちょっとドギマギモゴモゴしちゃったり(笑)でもそれも、長年そうだったのだから自然なこと。少しずつ慣れていけばいいのだと思います。
写真の本は、子どもたちと性の学びをする際、私が参考にしている本の一つです。
前半は、子どもと一緒に読みながら学べるような構成。性と生と死という、いのちの循環についても触れている良書で、かわいい絵と共にしっかりと大事なことを隠さずわかりやすく書かれています。また、後半は、親としての心構えや子どもへの伝え方のアドバイスなどが書かれていて、とても読みやすいうえにためになっています。
もし、興味をもたれた方にはぜひおすすめの一冊です。
〈浅倉利衣さん連載〉
「わたしはわたし」自尊心を育む子育て