私が国際バカロレアを選んだわけ。求められる人物像と必要な準備は?

Choice

DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
学生
URL
International School of Paris

国際バカロレア連載2回目となる今回からは、現在、パリのInternational School of Parisで、DPコースを履修中の木村紗羅さんにご登場いただき、国際バカロレアを学ぶ学生としてのリアルな体験談を語っていただきます。
前回記事でお伝えしたように、国際バカロレアは、もともとは祖国を離れ、世界の国際都市のインターナショナルスクールで学ぶ高校生たちのために設立されたプログラムです。
実際に学生の視点から見た国際バカロレアの利点、そしてブライトチョイスではその利点が日本の教育を受けてきた日本人学生にどう適応できるかを考えていきたいと思います。
今回は、国際バカロレアが目指す学習者像も含めて、国際バカロレアのMYPに編入した際の準備や、実際に授業を受けてみての手応えを語っていただきました。

【DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常】私は、日本で生まれてから、父の仕事の都合で、エジンバラ、サハリン、テキサス、ロンドン、パリで学生生活を送ってきました。
国際バカロレアについては、世界中を転々としてきた中で知り合った、インターナショナルスクールに通う友人たちからよく聞いていたので、大まかなことは知っていました。
「世界共通の試験を通して最後の点数が出されるから、どんな国の大学でも視野に入れられて便利」と聞いて、"Third Culture Kid"(両親の国籍がある国とは異なる場所で育った子ども)としては、とても魅力的だとも感じていました。
ロンドンからパリへ引っ越すと両親から聞いたとき、まだどの学校に通うかも決まっていなかったけれど、現在通っている「International School of Paris」のウェブサイトを開き、国際バカロレアという単語を見た途端、国際センスに磨きをかけられるなら、ここが一番いいかもと強く感じたのを覚えています。

国際バカロレアの学習者像に関しては、MYPに編入するまで実はまったく知りませんでした。
今から考えてみると、転入生オリエンテーションで渡されたパンフレットに書かれていたかもしれませんが、まさか10の学習者像について密接に学習するようになるとは思ってもいませんでした。
インターナショナルスクールのMYPに編入すると、早速ホームルームで国際バカロレアの学習者像について教えられ、グループワークとしてポスターやスローガンを作りました。
制作したポスターやスローガンが教室の壁に貼られ、その後一年間はホームルーム時に"Reflection(振り返り)"を行ったり、目標作りに関する課題に取り組む際、よく先生が皆の作品を指差して授業を進めたりしました。

10ある国際バカロレアの学習者像について事前に知っておくことに損はないですが、かと言ってあまり深く考えなくても大丈夫だと思います。
なぜなら、国際バカロレアが学習者像を作ったのも、生徒たちの "linking skillsー複数の物事をリンクさせる能力"を重視していると感じるからです。
「この問題を解決すると結果的にこういう好影響がもたらされ、それがさらにこれを生み出すかもしれない」「毎日の私たちの言動が、最終的にはあんな・こんなことに発展するかもしれない」と、国際バカロレアでは、無限の可能性にリンクさせる能力を要視しています。
国際バカロレアの授業で学習者像を扱うときは、多くが「これからの半年の目標で、どのように "risktakingー新しい考えや方法の探求"を行っていくか?」などと、linking skillsを試される課題が多いのです。
つまり、10ある学習者像を覚え、意識するよりも、物事をリンクさせる能力を磨くことに力を入れる方、たくさんのことに役立つと思います。

国際バカロレアMYPを始めてみて、予想通りだったのは、即興性の試される課題の多さ。
課題リストがプレゼンテーションとディベートで埋め尽くされているのに気づいたときは、それほど驚きませんでした。
逆に自分でもびっくりしたのが、どんどん自分の中で芽生えていく、課題に対して感じるやり応えでした。
プレゼンテーションもディベートも、もともと得意だったのですが、どんどんこなしていくうちに、実感できるほどフレキシビリティや対応能力が発達していったと思います。
チャレンジするにつれ、授業への取り組み、向上心もこれだけアップするようになったのは不思議なほどです。

私の経験から、これから国際バカロレアを始める人へ何かアドバイスできるとしたら、「オープンマインドに挑む心構えを持って」ということ。
授業で行われるディスカッションでは、正解がひとつではない問題について話し合うので、間違いを恐れずに意見を言えることも大事だと思います。
また、ためらいや変なこだわりを捨ててこそ国際バカロレアでは良い機会が舞い降りてきます。
ボランティア活動や学校側が勧めてくるコンテスト出場に関しては、一度 "イエスマン"になって、トライしてみて。

とはいえ、「オープンマインド」であることは、必ずしも肯定的なことに対してばかりではありません。
実際、国際バカロレアのMYPプログラムでは、"Critical Thinking"ー批判的思考を含めた広い視野で物事を「考えられる」に一番高い評価が与えられるです。"Critical Thinking"はレポートやディベートにおいてだけでなく、ボランティア活動の"Reflection"ー「振り返り」においても求められます。
したがって、いつも物事を問い、時には疑うことで、より深く国際バカロレアMYPプログラムでの課題にやり応えを感じられるようになると思います。

〈連載概要〉
第1回: 国際バカロレアとは?日本でこれから履修を検討する子どもたちへ。
第2回: 私が国際バカロレアを選んだわけ。求められる人物像と必要な準備は?(本記事)
第3回: 国際バカロレア生の1日。学習姿勢とタイムマネジメントの大切さ

       
  • 国際バカロレア認定校が価値を置く、10の人間性(注1)

  • 多様な視点や価値を受け止め、その経験を糧に成長

  • 理性的で倫理的な判断力、そして自身の考えや経験を深く考察

          
   
  • 国際バカロレアが目指す人物像は、「探求する人」「知識のある人」「考える人」「コミュニケーションができる人」「信念をもつ人」「心を開く人」「思いやりのある人」「挑戦する人」「バランスのとれた人」「振り返りができる人」。

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  • 私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見出し、その経験を糧に成長しようと努めます。

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  • 私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を探求します。また、世界について、そして自分の考えや経験について、深く考察します。自分自身の学びと成長を促すため、自分の長所と短所を理解するよう努めます。

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