国際バカロレアの課外活動って? その重要性と取り組み方のコツ

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DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

国際バカロレアのプログラムでは、学業だけでなく、課外活動も重要視されているという話は、おそらく読者の方々も耳にしたことがあると思います。
実際に課外活動はどれくらい重要なのか、具体的にはどのような活動を行なっているのかを、パリのインターナショナルスクールで国際バカロレアDPコース(Diploma Programme、16歳~19歳対象)を履修中の木村紗羅さんに今回は語っていただきます。

DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常⑤国際バカロレアの課外活動は、学年によって名称が異なります。DP期間中、高校卒業前のG11(11年生)とG12(12年生)に取り組むのがCAS(Creativity, Activity, Service、創造性・活動・奉仕)で、MYP(Middle Years Programme、11歳~16歳対象)期間中に行うのがSA(Serivice as Action、サービス アズ アクション)です。
ひとつひとつのプロジェクトが長期に渡るCASは、2年間で合計150時間以上と決まっていて、CASの時間が足りないと、国際バカロレアの卒業証書ももらえません。

一方、SAはどちらかというと、本番のCASの短縮版というか、お試しのようなものです。とはいえ、課外活動は国際バカロレアで大変重要視されるので、SAにも力を入れて、学校外でのネットワークも早くから作っておくことを強くおすすめします。

私は、課外活動をむしろ推進してもらえることが嬉しくて、時間数を考えずにたくさんのプロジェクトを進めてきました。授業に出席することももちろん大事ですが、課外活動からしか学べないこともあるのです。
実際にMYPで取り組んだSAは、環境保護団体への寄付金集めを目的としたケーキコンテストの開催、学校の売店で売れ残ったパンをホームレスの子どもたちに届けるボランティア、世界の水質改善に取り組んでいる団体のための資金調達を目的としたクリスマスイベントの開催など。

これらの3つは、いかにも「社会貢献」のイメージが強いものですが、さらに学校側は、生徒自身が情熱・やる気を見つけられるよう、自己投資やクリエイティブシンキングの概念を含んだ活動も推してくれます。私の場合は、詩の朗読コンテストの出場、フランスの日常生活を日本人の方々に向けて発信する動画シリーズの作成(合計数万単位の再生回数があります!)、そしてベジタリアンの私が、菜食を紹介するために作ったSNSアカウントからの発信なども課外活動としてカウントされています。

今までの経験で強く心に残っているのは、8年生のときに参加した、アムステルダムでの国際数学大会です。国際数学大会では、3日間に渡って数学の問題を解くコンテストやグループアクティブティを行いました。
子どもの頃から算数が好きだったのですが、MYPに編入後、理論的な数学が、私にとってあまりに特殊だったため、1年目は完全に自信を喪失していました。そんな私の姿を見た先生が、あえて私を推薦してくださり、国際数学大会への出場となったのです。
ためらいながらも思い切って挑んだことで、世界各国からの友だちがたくさんでき、結果的に数学を楽しい思い出に繋げられるようになりました。
そのとき出会った他校の友人たちは、今でも良き仲間で、それぞれの悩み事についてはもちろん、社会問題やお互いの学校のことも日々情報・意見交換を行なっています。

国際バカロレアでは、コミュニティを良い方向へと変えられそうなものなら、何でもSAやCASに数えられます。私のように、自分の食べた菜食の画像を投稿するインスタグラムアカウントでも、誰かの意識を良い方へ変え得るものとして、立派な「社会貢献」だと認識してもらえるのです。
また、自分自身に時間を投資することも同様に重視する国際バカロレアは、スポーツ活動や新しい楽器を習うことなども、CASとして認められています。生徒がパッションを持って取り組みたいことを課外活動で見つけられれば、長期的に見て国際コミュニティに良い風を吹かせられるだろうという考え方が、国際バカロレアにおいての「社会貢献」の定義に現れていると私は感じます。

課外活動にも従事することで、国際バカロレアはとても忙しいプログラムだという印象を抱かれるかもしれません。私の学校でのMYPで唯一決まっていたのは、自分がリードするプロジェクトをひとつ行い、他の生徒・団体が行うプロジェクトにひとつ参加、最低でも合計2つの活動に取り組むということでした。

だから最低限で済ませようと思えば、週末の数日間や学校の休み時間などを短期間利用すれば大丈夫だと思います。でも、そのようなマインドセットでいると、確実にDPのCASでつまづきます。なぜならば、学校外のネットワークが作られていないので、CAS本番となったとき、何をどこから始めていいのか見当がつかないからです。
おそらく私が今、CASでまったく困っていない理由は、SAを楽しく、まじめに取り組んでいたおかげで、長期的に続けたいプロジェクトを見つけられたからです。忙しい中、どうやって活動を進められたかというと、昼休みや隙間時間を使ってのミーティングや、週末の活動に友だちを巻き込んで、楽しく取り組むなどの工夫をしていたからだと思います。

事前に長期計画を立てれば、課外活動と勉強とのバランスを取ることは決して無理ではないということも学びました。
これから国際バカロレアMYPDPに取り組むなら、ぜひ課外活動は自分探しのチャンスだと思ってください。MYP生の方には特にプレッシャーを感じることなく、楽しんで取り組んでほしいです。「このアイデアは規模が大き過ぎるかも?」「高望みし過ぎているかもしれない」とは思わずに、たくさんの物事に挑戦してみると、難なく課外活動を続けられると思います。つねにオープンマインドで過ごしてみてください!

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〈連載概要〉DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常
第1回: 国際バカロレアとは?日本でこれから履修を検討する子どもたちへ。
第2回: 私が国際バカロレアを選んだわけ。求められる人物像と必要な準備は?
第3回: 国際バカロレア生の1日。学習姿勢とタイムマネジメントの大切さ。
第4回: 国際バカロレア成功の鍵のひとつは、先生との良好な関係を築くこと
第5回: 国際バカロレアの課外活動って?その重要性と取り組み方のコツ(本記事)
第6回: 国際バカロレアDPコース開始から3ヶ月経過。自身の取り組みを振り返って
第7回:国際バカロレアMYPの職業体験が、将来の夢のヒントに繋がって

       
  • 国際バカロレアの使命

  • 国際数学大会での学び

  • 自身の興味を発信して、CASに繋げる

          
   
  • 「国際バカロレアは、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的とする」。国際バカロレアがボランティア活動などの課外活動に力を入れている理由が、国際バカロレアの使命から理解できます。

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  • 「実は、数学の授業を楽しんでいると、堅物だと思われるのではと気になっていた時期も。でも、国際数学大会で、世界中からの学生が数学を心から楽しんでいる姿を見て、おもしろいと感じるものを素直に表現してもいいのだと学べたのも大きかったです」

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  • 「健康や環境への配慮から、菜食生活をしています。菜食の良さを知ってもらいたいと、自分が食べておいしかったものやベジタリアンフードのレシピなどをインスタグラムで発信し始めました。こうした活動もDPのCASにカウントしてもらえます」

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