国際バカロレアMYPの職業体験が、将来の夢のヒントに繋がって

Choice

DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常⑦】今回は、国際バカロレアMYPのときに行った職業体験についてお話ししたいと思います。私はGrade9の2学期目(5月中旬)に、ルイ・ヴィトンのEMEA本部(Europe、Middle East、Africa本部)で1週間の職業体験をしました。この期間は、朝9時から夕方5時半過ぎくらいまで、フランス最大のルイ・ヴィトンの店舗、メゾン・シャンゼリゼ店の真裏にある巨大なオフィスに出勤し、貴重な経験を積むことができました。

国際バカロレアMYPの職業体験の準備から実際に就業先を見つけるまで】
職業体験については、Grade8の終わり頃から先生や先輩から説明を受けていました。「夏休み中からゆっくりと探せれば、あとで困らないはず」と言われて、まるで本当に就職活動を始めるみたいだと感じたのを覚えています。
Grade9に進級し、2学期目が始まると、すぐさまフランス語の授業でCV(履歴書)と願書を書く練習を開始。やはりここはフランスなので、現地の方に読んでいただくためには、一生懸命フランス語で書かねばなりませんでした。このとき、実際に就職で使われるフォーマットの書類を使ったので、リアルな就職活動気分を味わえました。
また、クラスメートの親御さんでリクルーターの方がいたので、就職活動について詳しく説明していただき、数週間ほどかけて願書と履歴書を磨き上げました。その他、今まで習得してきた語学試験の資格証明書やイベント参加証明書も必死でかき集めました。

とはいえ、学校がサポートしてくれたのは、本当にそこまで。
次のステップからは自分自身で知人やネットを通じて見つけた情報を頼りに、履歴書類と丁寧なメールを送り、数ヶ月かけて私を1週間受け入れてくれるところを探さねばなりませんでした。

このときに国際バカロレア履修生の自立心を改めて感じました。なんの人脈がなくても、大手企業や国際機関などに積極的に職業体験のリクエストメールを送りまくり、それに対して誰も「高望みだね」などとコメントもせず、皆が地道に努力をしていたからです。
そうしているうちに気づいたのは、学生であるのだから、その企業で職業体験をするのに「値するか」とか「ふさわしいか」など、関係ないということです。

最終的に私の場合は、ルイ・ヴィトンに勤務する家族がいて、職業体験を受け入れているから一緒にやらないかと友人が誘ってくれました。最初は恐れ多いとためらっていたのですが、上で述べた気づきにも背中を押されて、このお誘いをありがたく受けることに。

国際バカロレアMYPの就業体験での具体的な仕事内容について】
クラスメートの中には、幼稚園で子どもたちの寝かしつけをした人もいれば、弁護士事務所での書類の分別作業、また動物病院で手術の手伝いをしたという人も。彼らに比べれば、私は実用的な作業が欠けていたので、実際に働いたときに経験する苦労などは体験することができなかったかもしれません。でも代わりに世界規模かつ莫大な予算がかかる企画が進行するのを目の当たりにできたことは、本当に貴重だったとつくづく感じます。

HR部門の体験では、実際に履歴書に目を通して、誰がふさわしいか提案し、電話面接を生で聞くことができました。ファイナンス部門ではルイ・ヴィトンが独自に改良した在庫の管理システムについての説明を受け、イベント企画チームでは斬新でカラフルな企画書を見せていただきました。また、ネット担当チームの方にウェブサイトの内容変更をライブで見せていただき、メゾン・シャンゼリゼ店の防犯カメラや非常用設備の案内を、セキュリティチームの方から受けたりもしました。

なかでも特に印象的だったのは、撮影スタジオでの体験。半日ほど別の場所にあるオフィスに出向き、ルイ・ヴィトンのひとつひとつの商品が、ウェブサイトや宣伝用にどのようにスタイリング、撮影、編集されているのかを学びました。ネットなどで写真を見るときは気づかなくても、実際はバッグの縁などを完璧な形にするために、何十本もの透明の糸で角を引っ張ったり、1枚の写真を撮るのも3人がかりでした。さらに同じ商品の写真を100枚単位で撮り、数分で何十枚かに絞り、それを隣のオフィスの編集チームに送信。そしてそこから気の遠くなるような明度の調整など、微調整の過程をひとつひとつ見られたことは忘れられません。

国際バカロレアMYPの職業体験を行って得た気づき】
ルイ・ヴィトンでの職業体験を行うまでは、ブランドの形成における戦略など考えてみたこともありませんでした。「なぜ高い金額を払ってまで荷物の"器"でしかないバッグを買うのだろう」「 LVと表記されている商品であれば、どんなものでも買うのだろうか」とさえ思っていました。
ですが、この職業体験によって、多くの人に無条件で信頼を持ってもらうことや、誰もが知っているブランドになるには、そのブランドに携わる多くの人々が、決められたスケジュールに沿って、それぞれの役割にまっすぐ向き合い、そうしたすべてがからくり箱のように正確に巡ることができてこそ成り立つのだと知りました。また、初めて聞く職種も多く、とても刺激的な1週間でした。

ルイ・ヴィトンの「舞台裏」を見て学べたことを2つ挙げるとすると、ひとつは、ブランドや会社においての企業戦略の重要性、もうひとつは、ブランド本来の方針・哲学を守りながらも、時代の風潮に合わせて改良することが可能だ、ということ。
また、30名以上の社員の方々と話して学べたのは、大学や高校で専攻した科目と実際の職業がまったく違うこともあるというのと、オープンマインデッドでいれば自分の天職が見つけやすくなるということでした。

国際バカロレアMYPの職業体験から広がった将来の夢】
今現在は、サステナビリティ、経済、栄養学、映像制作をはじめとしたメディアにまつわる仕事など、興味のある分野があまりに多くて困っているところです。
が、このGrade9の職業体験を通して、様々な人から聞いた話や、国際バカロレアの先輩方からの助言もまとめて考えてみると、一見関連のない分野をつなぎ合わせることも大事だなと気づきました。
ある分野と分野をつなげるような職業、ビジネスについて聞いたこともないのなら、自分が第一人者になればいいと思ったりすることもあります。
インターネットが世界をつなぐ現在では、国をまたいでできる仕事も多くあるので、自分自身の可能性に限界を設けずに、天職を見つけたいと思います。

〈国際バカロレアオンラインセミナー情報〉※お申込みは、2020/12/18(金)まで!
【2020/12/19(土)~2020/12/27(日) 期間限定動画配信】
子どもの未来を創造する、国際バカロレアについて考えよう」~60分でわかる、国際バカレロア~
国際バカロレア機構日本大使の坪谷ニュウエル郁子先生が、日本における国際バカレロレア教育について、私たち親に向けて分かりやすく解説。

〈連載概要〉DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常
第1回: 国際バカロレアとは?日本でこれから履修を検討する子どもたちへ。
第2回: 私が国際バカロレアを選んだわけ。求められる人物像と必要な準備は?
第3回: 国際バカロレア生の1日。学習姿勢とタイムマネジメントの大切さ。
第4回: 国際バカロレア成功の鍵のひとつは、先生との良好な関係を築くこと
第5回: 国際バカロレアの課外活動って?その重要性と取り組み方のコツ
第6回: 国際バカロレアDPコース開始から3ヶ月経過。自身の取り組みを振り返って
第7回:国際バカロレアMYPの職業体験が、将来の夢のヒントに繋がって(本記事)

       
  • 職業体験で着けた社員バッジ

  • 学んだことをノートに書き綴って

  • オフィスに飾られたオブジェ

          
  • 大掛かりな撮影セットに驚き

   
  • 「1週間の職業体験とはいえ、社内ではこのような社員バッジを着用しました。またバッジの下に敷いたのは、パリオフィスの写真限定デザインの素敵なノートです」

  •    
  • 「短期間といえど、国際的な企業の様々な部門で貴重な経験をしました。1週間でびっしり50枚以上も書いたメモは、その経験が詰まっています」

  •    
  • 「前シーズンに撮影などで使われた小道具がオフィスの真ん中に置いてあって、なんだかシュールな感じがしました」

  •   
  • 「バッグ1点の撮影に、これほどの撮影機材を用いて、100枚単位の写真を撮ることに、本当に驚きました。この現場に立ち会えたことは、とても印象に残っています」

  •