国際バカロレア成功の鍵のひとつは、先生との良好な関係を築くこと

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DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

現在、パリのインターナショナルスクールで、国際バカロレアDP(Diploma Programme、16歳~19歳対象)コースを履修中の木村紗羅さんによると、MYP(Middle Years Programme、11歳~16歳対象)履修時に先生方との良好な関係を築けたことも、大きな成功要因のひとつだったそうです。具体的にどのように良好な関係を築いたのか、先生との良好な関係が学校生活にどのように活かされたのかについて今回は語っていただきます。

DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常④】少人数制の国際バカロレアシステムの中で学ぶ際、先生方との関係が良好だと、何事においてもwin-winな(両者にとってお得な)チャンスが格段に増えます。

私の場合、8年生のときの担任の先生と特に関係が良好で、詩の朗読が好きだと、休み時間に話したことがありました。そのため、先生が担任から外れた翌年でも、学校外で行われる詩の朗読コンテストの情報が先生のもとに入ってきたとき、すぐさま私を推薦してくれたのです。
私は後日、そのことへのお礼を伝えようと職員室を訪ねました。先生は「助かったのは私の方よ!」とおっしゃったのです。実は、ちょうど私たちの学校の宣伝にもなるよう、外部イベントの参加を率先して引き受けてくれる生徒を探す当番だったとから、とのことでした。

また国際バカロレアでは、先生と良い関係を築けていると、先生に授業のフィードバックを気兼ねなくすることができます。「最近の宿題の形式がまとまっていて助かります」「昨日の授業で教わった数式、実生活ではどのような活用法があるのか教わりたいです」などと、先生と仲の良い生徒は、先生にたくさん感想や意見を伝えている印象があります。

忘れてしまいがちですが、国際バカロレアでは、もちろん先生方も日々、生徒との交流から学んでいるのです。そのため、先生がより質の高い授業を行うには、生徒からのコメントが欠かせません。
私は個人的に、生徒と先生の関係が近しい授業ほど、すべての内容が、何年経っても忘れることのない知識となって、生徒ひとりひとりの胸の奥に残っていると感じます。

国際バカロレアのMYPにおける先生の役割は、「教える人」(teacher)よりも「管理・監督・指導する人」(supervisor)という名前がふさわしいと思います。実際、CAS(creativity, activity, service、ボランティア活動)や、学校によって10年生のときに行われるPersonal Project(半年かけた自由研究)のアウトラインを個別で指導してくれる人をsupervisorと呼びます。

国際バカロレアのMYPは指導よりも、生徒の自発的な行動力をいかに引き出すかが、先生の良し悪しを決めていると感じます。なので授業で「〜をするべき、しないべき」という指導を受けることは少なく、どちらかというと先生方は見守ってくれることが多いです。

また、始業時のチェックイン担当のほか、生徒の精神面のサポートも行う担任の先生(専門教科と兼任)は、生徒に寄り添ってくれる心強い存在。「自分が始めたCAS(Creativity, Activity, Service、ボランティア活動)を助けてくれる生徒を校内で探したい」「課題に追われてどうすればいいかわからない」「Managebac(成績や課題を確認できるサイト)が機能しなくて困っている」など、まず生徒の不安を聞いてくれます。

そこから例えば、情報交換なら学校のウェブサイトの担当者、メンタルサポートならスクールカウンセラーなどと、いちばん問題を解決に導いてくれそうな担当者に繋いでくれるのです。もちろん自分で各担当者を探し、訪ねることもできますが、ホームルームの先生は、橋のようにその過程をよりスムーズにできるように導いてくれます。

私の国際バカロレアDPコースは9月から始まり、ちょうど1ヶ月経ったところです。国際バカロレアのMYPと比べると、先生方は生徒たちの精神面でのサポートをより重視されるようになったと感じます。学年が始まったばかりですが、すでに課題に追われていて、復習をする余裕もないくらいです。このハードなスケジュールの中で、ストレスを抱え込んでしまう生徒が出ないよう、国際バカロレアではMYP時代よりも先生方が精神面で気にかけてくれている気がします。

最後に、国際バカロレアで先生と良い関係を築くコツですが、学期の初めから先生とよく話をする「キャラ設定」をするのが大事だと思います。「先生によく質問をし、個人的にもよく交流のできる生徒」と自分の中でキャラ設定をすると、自然と聞きにくいことも減り、何事においても気軽に話せる関係が自然と作られるのではないでしょうか。

とはいえ、国際バカロレアでは、あくまでも自分の中の純粋な気持ちからでなければ意味がなくなってしまいます。点数稼ぎや媚を売るためでなく、先生をひとりの人として見て、先生のことをサポートしたいという気持ちを持って授業と関係ないことでも率先して行い、感謝を忘れないでいると、学校生活もとても楽しく送れます。

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〈連載概要〉DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常
第1回: 国際バカロレアとは?日本でこれから履修を検討する子どもたちへ。
第2回: 私が国際バカロレアを選んだわけ。求められる人物像と必要な準備は?
第3回: 国際バカロレア生の1日。学習姿勢とタイムマネジメントの大切さ。
第4回: 国際バカロレア成功の鍵のひとつは、先生との良好な関係を築くこと(本記事)
第5回: 国際バカロレアの課外活動って?その重要性と取り組み方のコツ
第6回: 国際バカロレアDPコース開始から3ヶ月経過。自身の取り組みを振り返って
第7回:国際バカロレアMYPの職業体験が、将来の夢のヒントに繋がって

       
  • シュタイナー校とMYPの先生の違いは

  • 今も役立つ先生からのアドバイス

  • ある放課後のひとコマ

          
   
  • 私が以前通っていたシュタイナー学校では、小1から中3までずっと同じ担任が担当し、教科の大半を担任が見るという特殊なシステムがありました。一方、MYPでは、常に教室を移動し、すべての教科を違う先生が担当。どちらにもそれぞれの良さがあると感じています。

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  • 「量より質を重視することを忘れないで」と、言い回しのくどい私のエッセイについて指摘してくださったことです。以来、どうしたら読み手にわかりやすく伝わるかを心がけるようにしています。おかげで、私のエッセイやレポートは質が高くなったと断言できます。

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  • 課題用の動画を撮影しているところ。エッセイと同じく、動画の場合も、見ている人にどうしたらわかりやすく伝わるかを心がけて、毎回撮り方や編集を工夫しています。

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