インター受験で大切な親の基本姿勢 卒業した今だから伝えられること

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「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て

名前
佐久間麗安 / Rena Sakuma
家族
4人 (13歳男の子と11歳女の子)
所在地
東京都
お仕事
Bright Choice編集長
URL
Rena Sakuma (@renanarena0513) Instagram

「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て

新学期もスタートし、いよいよインター受験シーズンが始まりますね。

「これからの教育ってどうしたらいいのかな?」という漠然とした疑問をきっかけに、インター受験を検討する方が多いと思います。

インターナショナルスクールの教育の醍醐味は、英語力(外国語)の習得はもちろんのこと、子どもの頃から、「前向きな学習意欲」を身に着けられることにあります。既存の枠にとらわれない創造力や問題解決能力などが求められる時代に、「前向きに生きるエネルギー」というのは、どんなに高尚な知識や教養よりも大切なライフスキルですよね。

私たち親は、子どもには自分の人生を自分でデザインしてほしいから、インター受験に挑戦しようと思うのではないでしょうか?


さて、先日、13歳になる息子が8年間通ったインターナショナルスクールから、海外ボーディングスクールに転校しました。一口に海外進学といっても、色んな国の、色んなカリキュラムの、色んな学校がある。そんな中で、息子が「ここ!」と自分で決めました。

息子の海外進学を経て何よりも嬉しいのは、初日から「楽しい!」といって充実した毎日を過ごせていること。学校や勉強が楽しいと思えた記憶のない私にしてみたら、とっても羨ましい。もちろん、ホームシックもあるのですが、目の前にやりたいことや楽しいことがあるから、ポジティブに頑張れるのでしょう。振り返ってみれば、インターに入学できていなかったら、この「前向きな学習意欲」は生まれなかったと思うのです。

インター受験をして8年たったいまになって、「あぁ、あの時の選択は良かったんだ」と思える。息子が自分の進路を自分で決める姿を見て、ようやく実感できました。

そうして子どもがインターナショナルスクールを卒業してはじめて、インター受験の正攻法とは、「子どもが自走できる学校選び」ができることにあると再認識したものです。


インター受験でまず大切な親の基本姿勢は、「子どもの未来を想像」して「子どもになったつもり」で臨むこと。まだ小さな子どものことを理解し、その子の生きる未来とその子の持つ可能性を想像できないとなりません。私学のインターナショナルスクールは、それぞれに独自のカリキュラムや文化があるから、子どもが前向きで自発的に歩める環境なのかということを、見極める必要があります。

インターナショナルスクールの受験プロセスで大切なのは、「子どもはどんな世界を生きるのか」「なぜインターナショナルスクールで学ぶのか?」という、「オリジナルな教育方針」を意見できること。模範解答なんてものはありません。「子どもの個性」に基づく意見を求められます。(「インターナショナルスクール受験対策で家族が心掛けるべきポイント」2023.01.25)

「子どもが主役」のインターナショナルスクールでは、常に子どもの生きる次世代に目を向けられています。STEAM教育SDGsに関わる授業内容など、カリキュラムは時代に合わせて柔軟にアップデートされていきます。「子どもの未来」と「子どもの個性」が教育の軸にあるのですから、親にも同じ目線を求められるのでしょう。

インター受験の面接では、「自然なコミュニケーションの中で意見する」スキルも必要。日本のお受験のように、必ずしも先生が質問し親が答える、という単調なものではなく、とてもカジュアルで自然な会話を求められることが多いのです。ただ回答を用意するだけでは対応しきれないため、慣れない日本人にとっては、周到な準備が必要かもしれません。私たち夫婦は、たくさん会話をして、様々な角度から意見を述べられるように練習をしたのを覚えています。

会話の中で最終的に達成したいゴールは、「この子にはこんな魅力があるから、このスクールではこんな風に成長できるんじゃないか、そしてその後はこんな大人になってほしい・・」という風に、 "子どもの個性と可能性"について対話し、共感し合えることだと感じます。

未来を志向する、クリエイティブで自由闊達な学習環境だからこそ、その学校で、あるいは卒業した後も、子どもが前向きに成長し続けられることが、親にとっても、スクール側にとっても、とても重要だからです。



そうして、インターナショナルスクールで育まれる「前向きな学習意欲」というものは、子どもがその後の進路も自分でデザインできる力につながります。エレメンタリー(Grade 1~5)を卒業して、ミドルスクール(Grade 6~8)にもなれば、自分のことは自分で決めていいのです。

インター入学後の進路は多種多様です。子どものお友達は、エキスパットだったらいずれまた違う国に移るでしょう。日本人だって、国内に残る子もいれば、海外進学をする子もいます。高校まで同じインターに通う子もいれば、小学生のうちから転校する子もいます。私の息子はミドルスクールの途中で海外ボーディングスクールに転校しました。

そうして子どもが自分の人生を自由に創造できるからこそ、一番果敢な中高時代になったら、自分の力で自分の可能性を引き出せるようになるのでしょう。

初等教育の本来の目的とは、読み書きそろばんや知識を埋め込むことではなく、自分の可能性を知って、その後の人生をデザインできる力を育むことにあるのではないでしょうか。


インター受験では、「子どもになったつもり」で、「子どもの未来を想像」してみて。その学校を卒業する頃になったら、親が安心して子どもに自己決定権を与えられるような「半人前の大人」になっていられるか?ということをイメージしながら、受験に臨んでみてはいかがでしょうか。

インターナショナルスクールを卒業した子どもの成長を、いま心から嬉しいと思う親の一意見として、心に留めていただけたらと思います。

〈佐久間麗安連載〉
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て

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  • 泣き虫の息子でした

  • 個性豊かなお友だちに恵まれて

  • 自分で海外の学校を選びました

          
  • インター受験の行動観察の日、「子どもには遊びに行くと伝えてください」と言われて向かった会場には、同じプリスクールのお友達ばかり。子どもを自然体で評価するための計らいです。それなのに・・入口で泣いてしまった息子。10分経ってようやく、遅れて参加。合格できてよかった。

  • インターのお友だちは、人種だけでなく、興味関心事も多種多様。スポーツ留学する子、バイオリンに夢中な子、歌がとってもうまい子、お医者さんを目指す子など、勉強以外の分野でも個性が光ります。学校を移った友人たちとも今でも仲良し。この夏休みもスリープオーバーして一緒に遊びました。

  • 高校まで日本のインターにいたってよかったのに、息子はずっと海外を志向していました。アメリカ、ヨーロッパの色々な学校を見学。最後は、中学生にしてはずいぶんと覚悟ある決断をしました。あんなに泣き虫だったのに・・。自分の子どもを、本当に尊敬します。