休校中、気が狂ってダウンした後に見えた、ありのままの我が子と私。

Choice

「わたしはわたし」自尊心を育む子育て

名前
浅倉利衣 / Rie Asakura
家族
4人 (7歳と5歳の女の子)
所在地
東京都
お仕事
ライフスタイルプロデューサー
URL
Rie Asakura (@rie_asakura) Instagram

タイトルの通り、外出自粛の時期は本当に気が狂いました(泣笑)
精神的にも肉体的にも大変だったという親御さん、たくさんいらっしゃるんじゃないかと思います。
前回の自己紹介の次は何を書こうか、としばらく考えていたのですが、今回はコロナ禍でのおうちじかんの経験を綴ろうと思います。

精神的にもキツイ闇を経験して、ハプニングも重なって、強制終了した経験。
いったんしばらく止まってみた後に見えた新しい景色や我が子との関係の変化。

私は人から、「いつも元気で太陽みたい」と言われることが多いのですが、陽が強い分、陰も強く持ち合わせています。
そこで今回は、私の脆弱な部分をシェアしたいなと思いました。以前、今回の経験の触りの部分をインスタに投稿したら、「私も今闇の中です」「出口が見えない闇から早く脱出したい」など、コメントやDMを結構頂いて。私の身近にもいて。経験上、大変な時期はポジティブなだけの内容って見たくないから、今回の記事は、同じような感情をお持ちの方に向けて綴ります。

少し長くなりますが、どうぞお付き合いください。

我が家の場合は、長女の通うインターナショナルスクールはすぐにオンライン学習に切り替わり、授業の他に宿題も毎日たくさんあって、長女と私はついていくのに必死でした。というのも、昨年まで日本の保育園に通っていた長女は母国語も日本語なので、英語の読み書き・リスニングもわからないことが多く、急に切り替わったオンライン学習に、親の私もついていくのに必死。夫は忙しいし、さらに追い打ちをかけるように次女のママーママーや遊んでコール。ご飯を作ってはまた作っての繰り返し。当然、自分の仕事のことを全く考える時間がない。コロナの影響で決まっていた幾つかのイベントや仕事もキャンセルになり、先の見通しが全く立たなくて、急に様々な不安や焦りがドッと押し寄せてきました。

焦りや不安というのは、SNSを見ると、更に増長しますよね。
何かをリサーチするだけのつもりが、他人と比べ出して「私は何もできていない」「自分の時間がなく、どうしたらいいのかわからない」「なんで自分はこんな目にあっているんだ」と、ますます焦りと不安と不足感は膨らむばかり。見なきゃいいのに(笑)

自分がイライラとモヤモヤの状況の中で、インターナショナルスクールオンライン学習に必死に取り組む長女に対して出てくる言葉は、「早くやりなさい!」「なんでできないの!」と、とにかく責め立てる言葉ばかり。長女も癇癪を起こしたり泣きわめいたり。長女の様子を見た私は更にイライラして。

そしてある日、家の中で足を派手に挫いて全治2ヶ月の捻挫を負いました。あぁもうなんなのこんな時に!!痛いしやり切れないわ。ドジな自分にもイライラ。数日はゆっくり休んだのですが、やっぱりなかなか休める状況ではなかったので踏ん張っていたら、今度はまさかの次女の骨折。家の中で遊んでいる最中足の小指をグギッと。

ウソでしょ?もうなんで今!!ますますイライラや焦りの渦が加速する中、翌週今度はまさかまさかの長女が手指を捻挫。まさに、踏んだり蹴ったり。3人で病院に通う日々。もう全部投げ出してとにかく1人になりたい!自暴自棄になりそうな一歩手前で、自分の魂が「方向転換しよう」「先の心配ばかりせず今をよく見なさい」と教えてくれているのだと思うようになりました。とうとう抗おうとするのをやめ、降伏。

わかりました、止まります。
無理に頑張ろうとするのをもうやめます。

そして完全に止まってみたら、いろんな感情と向き合えるように。自分が無理に抗っていたのは、止まることが怖かったからなのかもしれません。朝もなかなか起き上がれない日もあって、夫に、「ごめん、私今かなり精神的にギリギリだから、しばらく何もしないで休んでいいかな」と伝えました。夫も必死だったから、伝えるのにも罪悪感がありました。

でも、「もちろん、ゆっくり休んで」と言ってもらった瞬間ホッとして涙して、以来、最低限のこと以外はせず、とにかく自分を労ることにしました。ほとんど携帯にも触れず、情報もシャットアウトして、ただただ横になっていた長い時間。

やるべきことを手放し、湧き出る感情をありのままに見つめるというか。胸がギューっと苦しくなるようなことがあっても、這い上がろうとせず、置かれた状況に身を委ねながら心のうちに感じる痛みをとにかく全部受け止めるというか。涙が溢れるたびに浄化される感覚でした。

そして、いろんな気づきがふっと舞い降りてくるようになりました。
「これやらなきゃ、あれやらなきゃ」に囚われて、自分の心の声を全く無視していたこと。
インターナショナルスクールの慣れないオンライン学習、家事の山など、大変なおうちじかんをなんとかしたくてスパルタ母のように自分にも厳しかったこと。他人と比べて自分をジャッジしていたこと、、、。

様々な観念が浮かび上がってくるたびに、本当にごめんね、、と、自分に心から謝り、自分を許し、癒しました。
すると、なんだかスーッと、ニュートラルな感覚になってきたんです。自分の見たくなかった部分をハグするように、陽の部分も陰の部分も、私自身がありのままの自分を受け止めたら、ありのままの長女が今まで以上にものすごく愛おしくなってきました。入学して間もないインターナショナルスクールの授業や宿題についていけない長女に私が焦りイライラしていたのは、私自身の胸のうちの感情が投影されていただけなのだと、気づきました。彼女の癇癪やわめきは、私自身の自分に対するストライキを現わしていたのだと思います。

そこで、長女を抱き寄せ、「ママ、つい自分に厳しくなって、焦っちゃってイライラしてた。そしてミアちゃんにまでつい厳しくなっちゃってた。本当にごめんね。キツい言葉ばかり投げかけてごめんね。ミアちゃんはミアちゃんのままで、ミアちゃんのペースでいい。疲れたらゆっくり休んで。宿題もやりたくなければやらなくていいよ」と伝えました。

泣いている私を見て長女は、「ミアもね、ほんとはべんきょうがんばりたかったのだけど、ママとダディーにいわれるとあせっちゃって、もっとわからなくなっちゃって、かなしくなっちゃった。ママのきもちおしえてくれてありがとう」と涙を流しながら伝えてくれました。

子どもの自己受容は、親である自分の自己受容から始まると思い知った瞬間でもありました。

今までは、「テストの成績なんて気にしなくていいよ〜、できなくてもOKOK!」と伝えてきた自分が、まさかこうなるとは、、と自分が陥っていた状況を信じたくなかった自分もいました。なんとなくやり過ごしていた部分も、コロナ禍の過酷なおうちじかんを通してくっきり浮かび上がってきたことも多くあるなと感じます。

そして今回の経験を通して、焦りや不安の渦中に入り込むのではなく、カメラのフィルターをちらりと覗いてみるかのように、物事を客観的に見ることができるようにもなりました。

いろんな「?」も浮き上がってきました。
そもそも勉強って親や大人が命令してするもの?忙しすぎて息つく暇もない状況が引き起こす子どもへの影響ってなんだろう。親に言われるがままの受け身体験で、自分の意思で何かを決める力はつくのだろうか?

?????

私の中でハッキリ浮かびあがってきたアンサーは、とにかく「家」では子ども達を追い込まず、ホッとできる場所でありたいということ。そして、今までの固定観念や社会的既成概念に当てはめるのではなく、子ども達のありのままの人格を見てサポートしていこうと、夫とも確認し合いました。

子育てをしながら、親の方が本当にたくさんの気づきをもらっています。
教育も子育ても、我が子のことになるとつい必死になって思いつめてしまいがちですが、まずは親である自分が、自分の心の声を意識して聴いてあげようと改めて思いました。でないと、子どもの心の声を聴く余裕もなくなってしまう。私自身、固定観念や他人の意識に囚われ、自分の意識と繋がっていないとき、ただ胸がザワザワするばかりで、一番苦しく余裕もなくなるな、とも思ったのです。

今後も色々なことがあるとは思いますが、"ありのままを認める"プロセスを通して、家族だけの、ワンアンドオンリーなオリジナルの子育て/親育てを経験していくことこそが、一番尊いことなのかもしれないと思っています。
かなり強烈な経験でしたが、光があるから影がある。影の部分もまるごと受け止め、ありのままを愛せるようになった、今となっては貴重な経験でした。

次回はもう少し短くなる予定です(笑)

〈浅倉利衣さん連載〉
「わたしはわたし」自尊心を育む子育て

       
  • 捻挫をした私と骨折をした次女。

  • 子育ては植物を育てることと似てる?

  • 子どもって想像&創造力のかたまり。

          
  • 自然と共に生きる。

  • 自分から、「100点取りたい!」

  • 抱きしめ合えば、大抵のことは大丈夫。

  • 病院の待合室にて。この頃は本当に遠い目してたな、、(笑) 「子どもの骨は柔らかくてすぐにくっつくから大丈夫ですよ〜」と言う医者の言葉通り、次女はあっという間に治って、長女も治って、なかなか捻挫が治らない私は更に遠い目(笑)

  • 休校中に始めた家庭菜園。コンポストの堆肥を混ぜた土に種を撒いて元気に育ったベビーリーフ。必要な水やのみ、あとはそっと成長を見守りながら、「早く発芽しなさいよ!」などと言うわけもなく。なんか子育てもこうでありたいなと気づかされたりしました。

  • 親は子どもについつい何かを与えようとしがちですが、子どもって何もなくても遊べる。むしろ、クリエイティビティを発揮しまくる!これから更に予測不可能な時代を生きる子ども達。素敵な感性を今までの固定観念で潰したくないな、とふと感じる瞬間。

  • 人間は自然の一部。コロナ禍を通して、もっと自然を感じながら生きていたいと感じるように。自然の摂理に抗わず、より自然体で生きていたいなという思いは強くなりました。夏はよく家族で海に。自然の中でたっぷり遊び、娘達もより生き生きしているのを感じます。

  • 「やるかやらないかは自分で決めよう」「今日はもう遅いし疲れてそうだから寝る?」と私が肩の力を抜き始めたら、むしろ、「やる!」と。「これはこうこうこうでしょ!」から「ママわからないから教えてくれる?」。「いつやるの!」から「今何時だよ。どうする?」に自然と私も変化。

  • 気が狂ってた頃(笑)、ふざけ合ってなかなか食が進まない2人にイライラして、鬼のような顔をして「早く食べなさい!」と怒鳴った直後。次女がスタスタ寄ってきて、「ファミリーハグ!」と。触れ合うだけで、スッと心が落ち着く。そんな時もある。そんな自分も、たくさんハグしよう。