「子育て移住が転機」白馬インターナショナルスクール誕生まで!

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白馬インターナショナルスクールのサステナブル教育⑤

名前
草本 朋子/Tomoko Kusamoto
所在地
長野県白馬村
お仕事
白馬インターナショナルスクール設立準備財団代表理事
URL1
Hakuba International School
URL2
Hakuba International School Facebook

白馬に誕生!サステナブル教育を実践するインターナショナルスクール
地域に根付いたサステナブル教育を実践する中高一貫のボーディングスクールとして、2022年秋に開校を予定している白馬インターナショナルスクール。今回は、本校創立にいたるまでの草本さんご自身のヒストリーに迫っていきます。

「白馬には、実は世界屈指の名門ボーディングスクールが集まるスイスに負けないくらいの好条件がそろっているんです。さまざまな実地学習や本格的なアウトドア活動を可能にする自然環境は、生徒たちが中学・高校の6年間を過ごすのにも最善です。

また、人口約9,000人という村の規模は、『地域に根付いたプロジェクト型学習』にも最適だと言えます。そのうちの300人ほどが、世界各国から白馬に移住をしてきた外国人というコスモポリタン都市であることも魅力のひとつです」

現在、設立準備財団の代表理事として開校準備に追われる草本さんですが、そもそもは教育関連の事業とは無縁の人生を送られてきたそうです。彼女が白馬インターナショナルスクールの創立を決意するに至る経緯はどんなものだったのでしょう?

「私にはオーストラリア人の夫との間に、現在、高校3年生の長女、高校1年の長男、小学6年生の次女がいます。一家で白馬に越してきたのは、12年前、長女が5歳の頃でした」

東京大学卒業後にモルガン・スタンレーに就職し、東京支店やNY本社勤務を経験。その後、ゴールドマン・サックスに転職されるなど、世界的な金融機関でキャリアを積まれた草本さんでしたが、同僚だった夫と結婚し、子どもに恵まれると、激務続きの仕事と子育ての両立が可能か悩むようになります。

「第一子の出産を機に、『どちらも中途半端になるくらいなら、いっそ仕事を辞めよう』と、専業主婦の道を選びました。その後、夫の赴任に伴い、家族で暮らしていたシンガポールから日本に帰国することになった際に、『日本で子育てをするなら白馬に住みたい』と言い出したのは私です」

移住前から、家族旅行で訪れたことのあった白馬の美しい景観と豊かな自然の虜になっていたという草本さん。

「子どもが小さな頃は、身近にカエルやセミがいるような環境のなかで育てたい、という思いもありました。夫は東京での仕事があったのですが、平日は東京、週末は白馬という2拠点生活に応じてくれたので、念願叶い、白馬に移住することになりました」

それが12年前のことだそう。次回は、白馬で子育てにいそしんでいた草本さんが、白馬インターナショナルスクール創立を決意したきっかけを紹介します。


〈連載概要〉白馬に誕生!サステナブル教育を実践するインターナショナルスクール
第1回:白馬インターナショナルスクールは「プロジェクト型学習」重視の学びの場
第2回:白馬インターナショナルスクールの求める学生像。募集要項と受験科目
第3回:白馬インターナショナルスクールの「アウトドア活動とスポーツ」
第4回:「日本と欧米の融合型」白馬インターナショナルスクールのカリキュラム
第5回:「子育て移住が転機」白馬インターナショナルスクール誕生まで!(本記事)
第6回:気候変動のリスクを肌身に感じる「リアルなサステナビリティ教育」
第7回:校舎なしで開校!?目指すは生徒たちと作り上げる「カーボンゼロ校舎」
第8回:海外提携にシェアオフィス!?白馬インターナショナルスクールの未来
第9回:「ボーディングスクールから世界平和へ」生徒たちに込めた願いと夢

       
  • ニューヨーク勤務時代

  • 第一子を出産した頃

  • 白馬の大自然に魅了され

          
  • 米国ニューヨークのマンハッタンにあるゴールドマン・サックスの本社ビル前での1枚。「当時の私は30代前半。世界の金融の中心地で働く毎日は、激務ではありましたが刺激的で楽しかったです。息抜きに美術館に行ったりジャズのライブを聴いたりと、NYを満喫した思い出も

  • 「33歳のときに第一子となる長女を東京で出産しました。これは出産後、退院してすぐの頃に自宅で夫と撮影した写真です。仕事も大好きだったのでずいぶん悩んだのですが、第一子出産後に仕事を退職しました」

  • 草本さんが子育て移住を決意するほどに魅了された白馬の風景。「綺麗な空気、北アルプスの山に濾過された美味しい水、地場の農作物、季節になると頂ける山菜など、自然の恵みを感じ、享受しながら過ごす日々の中で、本当の豊かさとは何かを考えさせられました」