親子留学を考えているあなたへ。踏み出したからこそ見えた新しい景色
海外移住&教育のリアル④カナダ編
- 名前
- 福田麻琴
- 家族
- 夫(日本在住)、息子(13歳)
- 所在地
- カナダ・バンクーバー
- お仕事
- スタイリスト
- URL1
- Instagram @makoto087
- URL2
- Podcast「おしゃれって何さ!?」by Makoto Fukuda
子どもの未来を想うとき、選択肢は日本国内だけにとどまりません。グローバル化が進む今、世界の教育はどのような現在地にあるのでしょうか。
本連載では、シンガポール、パリ、マレーシア、カナダなど、世界各地で子育てを経験したファミリーによる「リアルな教育事情」をバトン形式でお届けします。
学校選びのこだわりや現地に通わせて初めて見えた理想と現実、そして次なる進路への決断まで。国や文化は違えども、そこにあるのは家族が真剣に子どもの学びをデザインした等身大のストーリーです。
わが子に合う教育のカタチとは?世界を巡る家族の足跡から、これからの子育てのヒントを見つけてみてください。
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【海外移住&教育のリアル④カナダ編vol.3】
【親子留学を考えているあなたへ。踏み出したからこそ見えた新しい景色】
第1話、第2話では、私自身がなぜ親子留学を選んだのか、そしてバンクーバーで暮らしながら親子の時間について考えたことを書いてきました。
最終回となる今回は、これから親子留学やカナダ留学を考えている方へ向けて、実際に暮らしてみて感じたことをお伝えしたいと思います。
まず、留学前の私が一番不安だったのは英語でした。
「英語ができなかったら生活を楽しめないんじゃないか。」
そんな気持ちがずっとありました。
でも実際に暮らしてみると、その不安は少しずつ変わっていきました。
バンクーバーは移民が多く、英語を母語としない人たちが本当にたくさん暮らしています。
お店でも学校でも、完璧な英語を話している人ばかりではありません。
もちろん英語ができるに越したことはありません。
でも、それ以上に大切なのは、「伝えよう」とする気持ちなのだと感じました。
もし英語への不安だけで親子留学を迷っている方がいるなら、それだけで諦めてしまうのは少しもったいない気がします。
もう一つ、私がカナダでとても興味深いと感じたのは教育です。
こちらでは子どもたちが、自分で考え、自分で選ぶ機会がとても多いように感じます。
息子の授業の中でも印象的だったのが、キャリアエデュケーションでした。
「あなたは何が好きですか。」
「何が得意ですか。」
「どんなことに達成感を感じますか。」
「社会のために何ができますか。」
そんな問いに向き合いながら、自分の未来を考えていきます。
宿題を横で見ながら、「これは子どもだけではなく、セカンドキャリアを迎えようとしている私たち大人にも必要な問いなのかもしれない」と何度も思いました。
日本では、大学へ進学することがゴールのようになってしまうこともあります。
一方でこちらでは、大学に行くこと自体が目的ではなく「何を学ぶために大学へ行くのか」を大切にしている人が多い印象があります。
もしまだ見つからなければ、ギャップイヤーを取り、自分と向き合う時間を選ぶことも、ごく自然な選択肢の一つです。
みんなと同じタイミングで進学しなくてもいい。
みんなと同じ道を選ばなくてもいい。
そんな価値観を、小さな頃からの教育の中で自然と身につけているように感じます。
私たちは、どこか「みんなと同じ」でいることに安心し、「みんなと違う」ことに少し不安を感じながら育ってきましたよね。
だからこそ、この考え方がとても新鮮に感じるのだと思います。
そんな息子を見ているうちに、私自身も新しい挑戦を始めました。
オンラインですが、美大で色彩心理学を学んでいます。
日本では考えられなかった、50歳を前に大学生になる!という選択です。
そのことを息子に話すと、
「ママはママの好きなことをしたほうがいいよ。」
その言葉を聞いたとき、これまで私が仕事を楽しむ姿を見せながら生きてきたことは、間違っていなかったのかもしれないと思いました。
もちろん、仕事ばかりで反省することもたくさんあります。
それでも、好きなことに夢中になる大人の背中を見せられたことには、意味があったのかもしれません。
そして息子もまた、自分が心から楽しめることを焦らず、ゆっくり探している最中なのだと感じました。
少し前まで手をつないで歩いていた子どもが、自分の人生を自分のペースで考え始めているんだなぁ。
50歳を目前にして始めた、バンクーバーでの新しい暮らし。
そこには、不安も失敗もたくさんありました。
それでも一歩踏み出したからこそ見えた景色があり、出会えた人がいて、気づけたことがありました。
実は海外に出てみて、私も息子も、日本のことが前よりもっと好きになったんです。
今のところ、それだけでも、この親子留学は正解だったと思っています。
もちろん、正解かどうかは最初から決まっているものではなく、自分の選択を少しずつ正解にしていくしかないんですけど。
最後に、親子留学は子どもの未来のためだけではありません。
親自身が、新しい価値観に出会い、これからの人生を考え直すきっかけにもなります。
だから私は、親子留学に限らず、何か新しいことに挑戦するときは、もっと軽やかに決断してもいいと思っています。
やってみて違うと思ったら、戻ればいい。
やめたっていい。
それも立派な選択の一つです。
だから、もし今、新しい一歩を迷っている方がいるなら、あまり重く考えすぎなくても大丈夫。
人生は、思っているより何度でも選び直せます。
まずは、一歩。
その先で考えればいい。
私にとって親子留学はまさにその一歩でした。
これからも続く私たち親子の珍道中。
またどこかで、ご報告できたらうれしいです。
〈連載概要〉海外移住&教育のリアル
①シンガポール編
第1回: インターナショナルスクール選びのラプソディ。わが家の選択の理由 (2026.05.28)
第2回: いざ入学!子どもたちがどっぷり浸かったSASでの学校生活 (2026.06.09)
第3回: 変化を恐れず、自分らしく。シンガポールでの教育と未来へのステップ(2026.06.18)
②パリ編
第1回: 私がフランスで「インター」ならぬ「バイリンガル校」を選んだ理由(2026.07.02)
第2回: 「正解」よりも「考える力」をフランスの教育が重視する本当の理由(2026.07.09)
第3回: 海外で子育てをする私が日本語以上に娘に伝えたい「日本人らしさ」(2026.07.16)
③マレーシア編
第1回: お試し移住のつもりでスタート!親子で飛び込んだマレーシアライフ(2026.08.04)
第2回: 手探りの学校生活からHead Girlへ!どの瞬間も楽しんだ7年間 (2026.08.13)
第3回: 7年間のペナン生活を胸に。家族で踏み出す日本での新たな一歩 (2026.08.20)
④カナダ編
第1回: 「今」だからこそ決めたバンクーバー移住。手放すことで得たもの(2026.8.25)
第2回: 思春期の息子との日々。バンクーバーで知った「待つこと」の大切さ(2026.9.1)
第3回: 親子留学を考えているあなたへ。踏み出したからこそ見えた新しい景色(本記事)